マガジンのカバー画像

この悪縁に祝杯を

33
最近、笑ってますか?人生に疲れていませんか?そんなあなたに、クスリと笑える、異世界転移コメディ!あなたの人生に、ほんの少しのエスプリを! ※この文章は、効果を保障するものではあ…
このマガジンは、小説「この悪縁に祝杯を」まとめたものです。 これを購入すれば、わざわざ記事を探す手…
¥500
運営しているクリエイター

2019年11月の記事一覧

張子の虎

 酒場に戻ると、騒がしかった喧騒がサッと止む。そして、酒場の住人たちがヒソヒソと話し出す。

「おい、来たぞ。」

「あぁ、アレが伝説の勇者ってやつなんだろ?」

 誰だそれは。

もっとみる

虎の尾を踏む

 そこに立っていたのは、華美な甲冑に身を包んだ金髪の少女だった。

「聞こえてないのか?愚民。それとも、言語すらわからん原人か?」

「すいません。」

 突然の罵倒に内心穏やかではなかったが、仕方なく脇にどける。
 くそ、とりあえず謝ってしまう日本人気質が憎い。

もっとみる

二度あることは三度ある

 ミリアは、本来の目的を思い出したのか、掲示板に貼られた依頼書を物色しだす。
 
「ちょっとまて!なんなんだあいつら!おい、お前!そこの金髪ロリ!あいつらお前の仲間か!」

 アスハは、痛む頭をさすりながら、ミリアに詰め寄る。

「近寄るな。気持ち悪い。あいつらって誰だ?というか誰がロリだ。刻むぞ?」

「俺を縛って吊し上げた奴らだよ!そして、お前は正真正銘ロリだ。」

もっとみる