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世界終わろう委員会

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僕は知らなかった。なんでもないはずの日常にいつか終わりが来ることを。 初瀬四季が送る青春恋愛ボーイミーツガール。  たとえ世界が終わっても、あなたと。  未…
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2019年11月の記事一覧

第38話 椎堂と紀美丹の休日

 勉強を日々の日課にするようになったのはいつからだろう。  きっと、彼女と出会ってから…

第39話 約束の日

 月曜日、退屈な授業の終わりを待ち望みながら、今日の予定を確認する。  今日は、百年に…

第40話 残された人々

 尾張さんの家は、タワーマンションの一室だった。  尾張さんがセキュリティコードを入力…

第41話 止まった部屋

 部屋の中は、いつもと変わっていなかった。  どうやら、部屋はそのままにしてくれているら…

第42話 私服

 マンションのエントランスで下を向いて尾張さんを待つ。  先程の、彼女の母親とのやりとり…

第43話 流星群

 重い自転車のペダルを踏み抜く。  坂道を登ると、街の明かりはもう殆ど届かなくなってい…

第44話 星降る中で

「尾張さんと結婚。尾張さんと結婚。尾張さ、ああ!また!!」  先程から何度も同じ願い事を繰り返している。しかし、何度繰り返しても三回言い切ることができない。 「紀美丹君。もう、諦めなさい。貴方にその願いは大きすぎる願いなのよ。」 「人の願い事を諦めさせようとするのはやめてください!そもそも、願い事しようって言ったのは尾張さんじゃないですか!」  尾張さんは、はあ、とため息をつくと、 「貴方がそこまで非現実的な願い事をし始めるとは予想外だったわ。」 「男

第45話 星石

 星達が流れる。  だけど、流れるどの星達も僕達の本当の願いを叶えてはくれないのだろう。 …

第46話 独白:私の世界の終わり1

 世界はいつだって優しくない。  昔からそうだった。仲良くなれたと思っていた娘は、私の…

第47話 独白:私の世界の終わり2

 ナイフが何度も振り下ろされる。  自分の身体に大きな穴がいくつもいくつもあけられていく…

第48話 願い事

 流星群が降り続いている。  尾張さんの手を握る。その手は暖かかった。 「尾張さんの手…

第49話 消失

「「ずっと一緒にいられますように。」」  幾度も願うその願いを星達は聞き届けてくれたの…

第50話 泣きたいくらいに

「僕も好きでした。」  その言葉は尾張さんに届いたのだろうか。 「尾張さん?」  そ…

第51話 暗闇の中で

 とぼとぼと歩きながら棚田をあがる。  自転車に跨がろうとして、ふと気づく。  そういえば、尾張さんの自転車どうしよう。  尾張さんがここまで乗ってきた自転車がそこに残されたままだった。  やっぱり返さないとまずいよなぁ。  仕方がないので、両手に二つの自転車のハンドルを持ちながら歩き出す。  しかし、二つの自転車がフラフラと別の方向に進んでしまい安定しない。  特に荷台にテントを積んでいる自転車がその重量のせいでコントロールしづらい。  テント結局使わなかっ