森田観察日記2020.07.10

外の洗濯干し場で育てているニンジンの葉っぱが、どうもなめくじに食われているのではないか、とけっこう前からうたがっていた
洗濯干し場は喫煙所をかねているので、自分もつれあいも毎日のようにサンダルつっかけて出ていくんだけども、なめくじが一二匹うろうろのそのそしてることがよくある で、つれあいは先月ほど、夜にふらっとサンダルを履いて出たら、運の悪いなめちゃん(とわが家で呼ばれている)に気づかないで踏みつぶしてしまい、なめくじは踏みつぶされてしまい……
そのときわたしは実家避難中だったので、いあわせなかったんだけども つれあいによると、非常にショックだったし、水をコップにくんできてつぶれたなめちゃんを洗い流す作業は、たいへんつらかった ということなのだった なのでつれあいは、夜に洗濯場へ出るときは、スマホのライトで念入りにあたりを調べて、なめくじがいるか、どこにいるか、と確かめている

はじめに「なめくじにニンジンの葉っぱを食べられてる気がする」と思ったのはまだ春のころだった そのころはまだ上のような事件は発生していなくて、わたしもつれあいも「家に入ってこないといいね」「土のほうが居心地もよいだろうになんで上がってくるかね」くらいのお気楽な態度であった
で、いま上のような状況になっていて、ニンジンをどうするか……とちょっと思わんでもないんだけども
でもこれ、このニンジンおよびニンジンの葉っぱは、自分は食べようと思って育てはじめたわけじゃないし、わたしよりもなめちゃんのほうがよっぽどこのニンジンを楽しんでくれているのでは……これは自然の循環として正しいし何だかうれしい気もする……ニンジンの葉っぱをなめくじが食う、いいじゃん、食べもしないニンジンの葉っぱをぼんやりぼーっと育てている人間よりずっと……なんかいいじゃん……

  *

通院日
行きの電車に乗ってるあいだずっと志磨遼平のラジオを聴いていた
いつもよりぜんぜん大丈夫で いつもよりぜんぜん疲れてない体で病院にたどりついた

いつも先生の「どうしてた?」という質問に答えられないでぼーっとしてしまうな……と思って 診察直前に、小さいことでも私にしてはちょっと変わった話題かな と思うものをまとめてみたんだけども
箇条書きで五個くらい並べておいたんだけども うち二つしか喋れなかった
これはあるあるで なぜかな とくに急かされたりしてるわけでもないのにな といつも思う 話すことはわかってるのに(手元にメモを出してちゃんと見てさえいるのに)そして大した話でもないのに……だれが口止めをしとるんやろう……

そのあと「なにか考えた?」と聞かれたので(そういえばこれも最近よく聞かれるんだった、忘れてた)こないだつれあいにちょっと話したこと、
「ずっと目標もなくぼーっとしているみたいな気分で、このままでいいのかなと思います」という話をする
「その状態は何もしてないわけではない」と云われる
「いまは始終しんどいものから眼を背けること、見ないようにすることに全力を使っているはず」「そこに全力使ってるから何かに取り組むのが難しいのは当然」「それは仕方ない、そういう症状だから」みたいなことを云われた と思う

治療がすすめばうごけるようになってくる、とも云われた でも治療がどういうことなのか結局よくわからん いまだによくわからん
おれにできることはねえのか……と思いながら帰る
なんか できれば あってほしかったと思う できればだけども

  *

病院の帰りにいつも降りる駅で、本屋さんをやっと発見(いままで見つけられないでいた)シールと……なぜか文庫の海外小説の棚で今さら『肩甲骨は翼のなごり』を発見してしまい 衝動的に買う
家に帰って薬とかゴミとかを片づける
ぜんぜん予定してなかったけど洗濯機を回すことにする
とりこんだままだった洗濯ものをたたんで
冷凍してあるウインナーをチンして食べる コンビニで買ってきたおにぎりも食べる
洗濯が終わったので干す
今夜は副菜だけ作ることにする あとはコンビニで買ってきてもらうことにする

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