森田観察日記2022.06.30(深夜)

つれあい(徹夜明け)を布団に入れ、長い時間パズルゲームをしたあと、プラゴミと缶ゴミををまとめて外に出し、水まわりの掃除をした 

つれあいが「眠いけどまだやることが…」になってるとき、パニックになりやすかったのだが、「はい寝ましょう、はい寝るよ」と早めに布団に入れてしまうのが、このごろ対策のようになっている
しかし今日は何だかほんのり気落ちした それはほんのりではあったが、眠るつれあいに「ねえ」と声をかけ、反応のないのを確認し、「わし、さみしいよ」といってみた
つれあいは蛍光灯の明るい中、わたしが隣で音を出してゲームをしていても目覚めなかったので、目覚めるわけがないし、目覚めたらよけい状況がややこしくなる そもそも今年度に入ってから徹夜の頻発が常態化しているので、たくさん眠ってほしいのだ ときどき、脈がとても早い、と感じておそろしくなる

でも、さみしいよ、に返事がなく、すこし泣いた ほんとうに少しだ 涙が浮かんだだけ すぐに乾く一滴
でも、これは「忘れたくない」だな、と思い、冷静かつ慎重に、安全に配慮して手首の甲側を浅めに切った
そして猛然と水まわりの掃除をした

コンビニで「簡易版シーシャ」みたいなものを見つけ、買う 蒸気を吸うやつだ 見つけたというか、前にもチラッと目に入って「これシーシャなのか」と思って気になったのだが、忘れていたのだった 今日は買った
シーシャそのものさえ吸ったことがないけども、それだけにどんなものかわからないので、2種類買ってみる 高かった でも、この味はダメでもこちらは気に入る、ということがあるかもしれない

もう今夜は寝なくてもいいか、と思う やりたいことを全部、思い出したはしからやろう、と決める
ずっとぼちぼち再読していた『されど愛しきお妻様』のつづきを読み、ネットで歯周病に効くガムを探し、近所の貸し出し農園について調べる 冷蔵庫の横の状差しにたまっていたチラシ類を整理する

   *

このごろ髪も伸ばしているし、つれあいのスカートを着ることもあるし、ごついヒールや厚底スニーカーなどの靴もはくようになり、髪の毛も貧乏パーマなどして楽しむようになり、時にはメイク用品を衝動買いすることもあり(ほとんど使っていないが)女性にしか見えない外見に合わせて女性っぽく喋ることも増えてきた こうなるとトランス男性です、と名乗るのもはばかられるなあ、とも思うのだが
前に聞かれたことと、妹やつれあいの言葉を思い出して、いややっぱりトランス男性ではあるのだと思う
女性としてふるまうこともできるし、男性であった経験がいちじるしく不足しているから男性と名乗るとつらい思いをするが、トランス男性ではある、とおもう
たぶん、いまの状態でもそれなりに社会生活に困らないのと、つれあいがわたしの見た目や身体に愛着をもってくれているので、意識する機会が少ないだけなのだろう

聞かれたことというのは「一番幸せな状態をイメージして、そのイメージの中であなたは男性ですか、女性ですか」
それから「無料で何の苦痛も後遺症もなくパッと性別を変えてあげるよと言われたらどうしますか?」
わたしはどっちも男性だなあと思う(できたらおまけで身長を20センチ伸ばしてほしいが)

そしてわたしと同じくジェンダーに関してはやや疑問もあるというつれあいにこの話をしたところ、わたしは女性のままがいいかな、生理は消滅してほしいけど、レディースの洋服が好きだから、との返答であった
妹は中学ころまでわたしと同じく男の子向けの服を着ていたので、わたしと同じように感じてるのだと何の疑問もなく思っていたのだが、「もうぐうちゃんのマネはやめる、かわいい服着たい」といって、わたしとはちがうジャンルの服を着るようになった 大学くらいからはときどきお化粧もしていたようだ 慢性的に体調の悪い子だったので、いつも肌がぼろぼろでかわいそうだったが、同僚に「ぐうちゃんの妹かわいいね」といわれたときは気分がよかった 妹は眼のぱっちりしたかわいい子なのだ

少し考えたあと、ホルモン治療を行っている病院を調べたら、ご相談フォームというものがあったので、大量の内服薬の情報と、自分が女性に見えることが気になって人の輪に入れない、などのこまごましたことを書き、「少しでも可能性があったら知りたいです」と送る
こうしていったん検討をはじめてみると、ぜひできないだろうか、という気持ちがすこぶる高まる

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