信用と信頼という最強で最重要の無形資産が崩壊したビッグモーター社

今日は、ビッグモーター社の90億円の借り換え要請を銀行が拒否したという事が報じられています。この事は、単に不祥事が企業で起こり資金調達が出来なくなったという事以上のインパクトが実はあると思います。

①ビッグモーターは、短期的な有形資産を追いかけてしまった結果
 本当に長期にわたり会社に利益をもたらす無形資産をなくしてしまった。
②現代社会で重要なのは、無形資産である。

①ビッグモーターと創業者の行動を見ていると、短期的な有形資産の追求と
感情的な経営が目立ちます。どういう事かというと、まず、車両の修理費水増しや保険の不正請求等で不正な利益を短期で得ようとしました。そして、有形資産を追求しようとしました。有形資産は、金銭的計算が可能な目に見える資産。ここでは、お金です。この手段を考えずに短期的な有形資産の追求ばかり行い不正が組織的にトップダウンで行われたというのがポイントです。次に、創業者一族の感情的経営です。ここで言う感情的経営というのは、もちろん悪い意味で感情的である経営方法です。つまり、パワハラや枯葉剤の散布などの環境破壊的手法を行った事などです。このような経営を行えば、自分たちが窮地に陥った際には、倫理的制裁を社会から受けることを自覚出来ないまま、やり方がエスカレートしていったという事でしょう。その結果、ビックモーターの企業イメージは最悪なものとなりました。
ここまでのストーリーを分析していくと、ビックモーターや創業者達は、短期的な有形資産であるお金や金銭的利益を追求することに執着するあまり、長期的に企業に利益をもたらす、信用や信頼、評判といった目に見えない無形資産を破壊してしまったと言えるでしょう。そして、無形資産は一度、毀損すると再度、作り直すことは出来ません。この事を創業者達は、きちんと認識出来ていなかったのでしょう。そして、この信用や信頼といったものが毀損されたという事が結果的に反映されたのが、一連の銀行や顧客の行動なのだと思います。

②現代社会で重要なのは、無形資産である。
ここまでは、ビックモーターの一連の動きを有形資産と無形資産という観点から説明してきました。
ここからは、無形資産の重要性について説明していきたいと思います。ビジネスを行って行く上で、高い評判や信用といった無形資産を構築する事の重要性は、計り知れません。いくら素晴らしい技術力や人材がある企業でも高い評判や信用といった無形資産がなければ、その要素を効果的に活用できないからです。アメリカの超大手企業ですら、企業価値の大部分は無形資産です。そして、無形資産の根本を支えるのは、企業や事業を構成するメンバーの誠実で懸命な働きが共感や感謝を生み、信用や評判となって帰ってくる。そして、無形資産が構築されていくのです。無形資産は、構築されるまでに大きな時間がかかり、なくなる時は一瞬でなくなります。この性質をこの事件を主導した創業者達が理解できていなかったという事ですよね。僕も、この事件からしっかり学んで、無形資産をコツコツと構築しながら、誠実に情報発信が出来たら良いなと思います。

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