作品撮りとは?

作品撮りとは、「クリエーター(写真家、ヘアメイク、スタイリスト、造形作家、などなど)が、自身の作品のプロモーションを目的として、作品の撮影をすること」です。

写真家の場合は撮った写真そのものが「作品」なので、撮影行為そのものが作品作りになります。
一方他のジャンルの人たちは自分が作った作品を、写真媒体にして人に見てもらうために撮影します。

作品撮りのことを「Test Shoot」と言うこともあります。

一般的に、これから売り出したいクリエーターは作品撮りを多くしますが、ある程度売れてきて、レギュラーの仕事に加え、口コミや紹介で新規の仕事が継続的に入るようになってくると、作品撮りのペースは落ちてくるものです。宣伝しなくても仕事が入るようになれば当然ですね。

今ではネット経由でコストをかけずに全世界に自分の作品を発信できるようになりましたが、昔は例えばフォトグラファーになりたい人は、出版社に売り込みに行くくらいしか手段はありませんでした。
BOOKに作品を入れてポートフォリオを作り、それを見せて自分を売り込んでいた訳です。
つまりBOOKはモデルさんだけが作るものではなくて、カメラマンやヘアメイクなどのクリエーターもプロモーションツールとしてBOOKを作っています。
今はプリントした写真ではなくデジタルでネット上に自分の作品を上げたりもできたりしますが、作品撮り自体のスキームは昔も今も変わりません。

カメラマンと作品撮り

ファッションフォトの領域でフォトグラファーとしてやっていきたいという新人フォトグラファーが作品作りをする場合、まずは作品撮りに協力してくれるヘアメイクさん、スタイリストさんを探します。
そしてモデル事務所に頼んでモデルを貸してもらいます。
今では事務所経由でなくてもインスタでモデルさんに直接DMできたりしますが、安全のために直接個人では撮影を受け付けないモデルさんも多いです。
モデル事務所の中にはテストシュートを受け付けている所があります。
とは言え事務所側ではどんなカメラマンかをチェックしますから、それなりの実績のあるカメラマンでないと、いきなり事務所にお願いするのは難しいかもしれません。
事務所からすると、撮影の経験をさせることができるのと、ひょっとしたら撮った写真をそのモデルの宣材として使えるかもしれないので、新人モデルのテストシュートは事務所に歓迎されたりします。

モデルと作品撮り

話は変わってモデルさんの側から作品撮りについて見てみましょう。
モデルさんにとっては、特に新人のうちはBOOKのボリューム、クオリティを上げるために撮影をしないといけません。どんどん撮ってこいとマネージャーさんに迫られます。
ですのでカメラマンやヘアメイクさんの作品撮りのモデルに使ってもらえると、BOOKに入れる写真が手に入るかもしれないので、作品撮りをしたがっているモデルさんが多いです。

しかし、上に書いたようにカメラマンやヘアメイクが作品撮りをする目的は、自分をアピールするための作品を撮ることです。
一方モデルさんがほしいのはモデルとしての自分をアピールする写真、自分の宣材写真が欲しいのです。
つまり同じ作品撮りに参加するクリエーターとモデルそれぞれの「目的」が違うのです。
目的が違っても撮った写真を宣材としてモデルのBOOKに入れることができる場合もあります。
しかし、一般的に言って作品撮りで撮った写真をモデルさんのBOOKに入れられる確率はそれほど高くはないはずです。目的が違うのですから、当然ながら作品撮りで撮る写真は、モデルさんが欲しい宣材写真としての要件を満たせないことが多いからです。

ここらへんの「作品」と「宣材」の違いや、作品撮りをうまくやるためのヒント、などは別の記事で詳しく解説していきたいと思いますので、お楽しみに!

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