【注目選手UFC】 MMA史上唯一無二のステップ! ドミニク・クルーズ!!
ステップ、または足運びといった方がわかりやすいかもしれませんが、格闘技に限らずあらゆるスポーツで必須となる大事なテクニックの1つです。ボクシングで言えば、モハメド・アリの華麗なステップが有名ですよね。最近ではワシル・ロマチェンコでしょうか。
この2人の名前が上がるということはコンタクトスポーツにおいて一番大事なのはこのステップなのではないか?とも思わせます。
では、MMAの世界では一体誰がステップの名手なのか???
この質問が上がった際に間違いなく名が上がる選手が今回紹介する選手、元WECバンタム級、元UFCバンタム級王者、ドミニク・クルーズです!
元がついているのでなんだ昔の選手か……と思われるかもしれませんが、この度5月9日に開催されるUFC249にて3年ぶり(!)の復帰を果たすことになりました!
しかも相手は現バンタム級王者ヘンリーセフード(UFC史上4人しかいない同時2階級制覇王者)、タイトルをかけての挑戦です。
なぜ、三年ぶりの復帰で王座挑戦できるのか?なぜ彼のステップがすごいのか?それにはもちろん実力と理由があります。クルーズは実はUFC史上最も奇妙なキャリアを積んでるといっても過言ではありません…
そんな彼の魅力を今回紹介していこうと思います。
■注目ポイントその1:見てるだけでも楽しい!唯一無二のクルーズステップ!(←僕が勝手に命名)
注目ポイントその1はやはりタイトル通り、その独特のステップ。
百聞は一見にしかずということでぜひ上のyoutubeを見ていただけるとです。
特徴は、左右の構えを、常に、絶え間なくチェンジさせているということ。
また、左右の構えだけでなく、頭も常に上下に動かしているので相手にとっては距離感が狂わされるのと、的が絞りづらくなります。なのでまずこの独特のクルーズステップはディフェンスに一役買っていると言えるでしょう。
実際、動画を見てもわかるようにクルーズは目もいいのでひょいひょいと相手の打撃を交わしています。
しかし、このように常に動き回っているので、転じて打撃力に関してはさほど高くありません。
ではクルーズの攻撃の最大の武器は何かと言うと、レスリング力!特にクルーズステップに織り交ぜられて繰り出されるカウンタータックルと高速タックルは唯一無二の最高の武器だと僕は思います。
クルーズは一撃必殺の打撃があるわけでもなく、はたまた相手を圧倒するような強靭なフィジカルがあるわけではありません。なので一撃で相手を仕留めるというよりは常に動き周り相手を錯乱し、隙をついた攻撃を繰り出す。試合全体をコントロールして勝つことができるファイターです。
本当にテクニックが卓越している上手い選手です。もちろん強いですよw
◾️注目ポイントその2:試合間隔が2〜3年!?奇跡のカムバックを二回した男!!!
そんなクルーズも年齢は35歳、、さすがに全盛期は過ぎているのでは…?
次戦を迎えるに当たってこのような声は多くあるでしょう。しかし、彼はなんとこれまでにそのように言われたことは二回あり、それも二回とも大方の予想を覆してきたのです!
クルーズのキャリアの不運をあげるとしたら、それは怪我です…!
クルーズの怪我、それは膝の前十字靭帯負傷。個人的な憶測ですが、先述のクルーズステップをずっと続けるのにはやはり足に対して相当な負荷がかかっていたものと思われます。
一回目の怪我は2011年の11月、当時UFCバンタム級王者だったクルーズは前十字靭帯を負傷し長期戦線離脱を余儀なくされます。
その怪我からようやく復帰したのは約三年後の2014年の9月になるのです…!当時UFCバンタム級ランキング5位の水垣偉弥!と対戦します。
水垣偉弥はRIZINではマネル・ケイプに負けてしまいましたがこの時はランキング5位(UFCで5連勝中)まさに全盛期で決してかませ犬ではありません。
ましてや、クルーズは三年ぶりの復帰。長期ブランク明けの元王者は水垣にとっての方がおいしい相手でした。
しかし、クルーズは全くブランクを感じさせずに水垣を圧倒します。
結果は1R早い段階でのTKO勝ち!!!
いや正直、当時僕も含めて日本のファンとしては水垣に勝ってもらいたかったですよ。。でもそれ以上にクルーズの圧倒的な強さの前にビビりまくりましたね。
クルーズステップが復活しているし、タックル入るタイミング完璧だし、そのあとのパウンド怖っ!!!といった具合でした。
てか、ブランク経てクルーズ強くなってね…???
ですがそんなクルーズ二回目の不運が発生します。
この試合の直後に以前とは別の方の膝の前十字靭帯を負傷してしまうのです…!(ガラスの膝すぎる泣)
当時の水垣選手に圧倒的なパフォーマンスをした後でのことで、とても残念でした。
その時次戦として噂されていたのが、T.Jディラショーというクルーズなき期間に生まれていたこちらも独特のステップを駆使するチャンピオンとの王座戦だったのです。
二回目の怪我による長期戦線離脱…。正直僕はこの時もうドミニククルーズの試合は見れないと思っていました。。
しかしそこから約一年半後、またもやクルーズは怪我を克服しカムバックを果たします!!! 相手はその間も王者であり続けたT.Jディラショー。
ディラショーはクルーズステップのように左右のスイッチを多用するのですが、クルーズよりも好戦的なため攻めに転じたクルーズステップの使用者と言えました(実際この時までのタイトル戦3戦も3KOしていた)
ディフェンスのクルーズステップと、オフェンスのT.Jステップ、、究極のほこたて対決だと当時僕は興奮していました!!
ついに実現した究極のステップ対決…!!
この試合、さすがに勢いに乗る王者ディラショーと、ブランク明けのクルーズでは王者有利と思われていました。それはもう水垣戦以上にクルーズじゃ厳しいんじゃないか?という声もありました。
しかし、やはり水垣戦での衝撃的な勝ち方もあったのでまだやれるんじゃないか??という憶測ももちろんありました。
試合は開始早々からお互いがステップを駆使し、シーソーゲームになります。ディラショーの攻撃を紙一重でかわしながらところどころ見せ場を作るクルーズ。ディラショーもじわじわと削っていき、時折攻撃をあてていきます。
5Rの激戦の末、勝負は判定に委ねられ、、、
判定2-1でドミニククルーズの勝利!!!
4年以上ぶりの王者復帰を果たすのです!
まさしく奇跡の復活劇でした。その後、一度防衛を果たすも2度目の防衛戦にてコーディガーブラントに敗れ王座を再び失いました。その後、何度か復帰戦が上がりましたがその度に怪我をしてしまい、3年以上の月日が流れたのでした。
◾️注目ポイントその3:まさかのカムバック!!!次戦、3度目の奇跡は起こるのか!?
2度の奇跡を起こした後、クルーズは再びUFCのオクタゴンからその姿を消してしまいます。解説者の姿が板につき、ほぼ実質引退状態何じゃないのかなと思っていました。
知的なキャラクターが似合いますね。
しかし、突然!!!先月彼の復帰がアナウンスされます。そしてその相手は現UFC世界バンタム級王者ヘンリーセフード!!!UFC世界フライ級王者でありながらバンタム級も制覇した史上四人目の同時二階級制覇王者です。
(しかもオリンピックのレスリング金メダリスト!!!)
正直今回は前回のカムバック奇跡、ディラショー戦よりも難易度がさらに上がっています。。
それはセフードがめっっっちゃ強い(ディラショーもフライ級での試合とはいえ1RでKO勝利しています)のとクルーズの年齢も35歳。ブランクの間に全盛期をすぎてしまっている可能性が高いです。
ドミニク・クルーズ、、、なぜ君はいつもこんな自分に厳しいタイミングで戻ってくるのだね、、、(泣)
ただ、クルーズなら何か起こしてくれるのでは??と期待しているファンも多いはず!クルーズ自身もこの試合に向けてもう一度自分が世界のトップレベルなのだと証明したいと思っているはずです。
決戦は今週の日曜日5月9日で11時〜WOWOWにて生中継されます!ぜひ興味持った方はステイホームで家でこの決戦を見届けてほしいです…!
最後にクルーズがT.Jディラショー戦の直前にインタビューに語っためっちゃかっこいい一言を紹介します。
「モハメド・アリも3年ぐらい試合をしていなかった時期があるけど、アリができるのなら、僕にもできる。簡単じゃないが、不可能じゃない」
終わり
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