後出しじゃんけんが強いのか
後出しじゃんけんをすると、『せこいなー』というような、どちらかというと、悪いことをしている感じで見られます。しかしビジネスの場では、ちょっと状況が異なるのかもしれません、特に資金さえあれば。
2020年6月に発表された、ホームセンターのアークランドサカモトによる、LIXILビバの買収案件に続き、DCMホールディングスが同業の島忠へTOB(2020年10月5日-11月16日まで、1株当たり4200円で公開買い付け)を行っているが、そこにニトリホールディングスが1株当たり5500円で、同じく島忠へTOBを仕掛けると発表された。
ニトリが敵対的TOBを辞さない強い姿勢で臨んでいるのは、島忠の店舗の9割が東京など都市部に集中しているほか、コロナ下でニトリにないホームセンターの需要が伸びているためだ。昨秋には同じく都市部に強いホームセンターのLIXILビバの買収に乗り出したが成立しなかった
島忠をめぐって『後だしじゃんけん』といえるアクションであるし、資金が潤沢なニトリにとっては、特に①LIXILビバを買収できなかったこと、また②昨年続いていたHISによるユニゾホールディングス(HD)へのTOBを、一番最初に仕掛け、その後不動産業の他社や投資ファンドも入り、TOB価格は上昇。HISは途中で利益確定し抜けたものの、結局は買収に失敗した件も踏まえた、アクションであった模様。
DCMが島忠と買収交渉をしていることを以前から察知していたニトリは、先に買収を仕掛けると敵対的になってしまうリスクが大きいと判断し、DCMによる島忠買収発表を待ってカウンターを発動する作戦だったようだ。「エイチ・アイ・エス(HIS)のようになってしまうのは得策ではない」。ニトリ陣営の複数の関係者はこう漏らす。...昨夏に旅行大手のHISが突如、不動産やホテルを手掛けるユニゾホールディングス(HD)にTOBを仕掛けた一件だ。合意がないまま仕掛けたTOBはユニゾ経営陣の反発を受けて敵対的TOBとなり、結局失敗してしまった。
HISにとってはコロナ感染拡大により、業績が急激に悪化し、手元現金も重要になってきており、ユニゾホールディングスの買収失敗はもしかして良かったこと、かもしれない。
一方で今後のTOBなどは、最初に買収提案を行うなら、資金な豊富な会社や投資ファンドと協業で臨まないと、その後手の内を知った他社が価格が正当化できるレベルで更なるTOBを仕掛けるので、と思えるようになってきた。ゲーム理論のようなTOB祭り、とも理解できるのか。
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