社長ってなんでもできる超人だと思ってた
いきなりですが、暗い話題から入ります!(笑)
株式会社TimeTreeを起業したのが2014年。そこから4年が経った2018年に、TimeTree社長深川は潰れそうになっていました。
当時は3度目の資金調達に奔走していたり。組織が大きくなりはじめたころで、コミュニケーションや人員配置の悩みごとが増えたり。
上司の顔色をうかがいながら仕事をする不合理がいやで、強い意志をもってつくらなかったマネージャー職。でも結局、社内のあらゆる調整ごとを自分でやっているだけになっていたり……。
とにかく身も心も忙しく追い詰められ、あのときは大変でした。
「社長、交代してくれませんか?」
僕がもともと思い描いていた社長像は、いま思えばスーパーマンでした。
新しいものを生み出す先見性。だれをも感動させるビジョン。ひとを惹きつけるカリスマ。ビジネスはもちろん、組織運営もバリバリこなすパワー。
2018年心身ともに疲弊していた時期に、思い描く社長像と自分自身のギャップにめちゃくちゃ葛藤しまくってました。
共同代表のFrodo(パク)に「社長を交代してくれませんか?」と相談するまでだった。相当追い込まれていましたね(笑)。
Frodoはいままで数社の経営経験があり、ビジョナリーで、パワフルで、カリスマも感じる。僕の描く社長像にぴったりのひとでした。
そのFrodoからは当時「コミュニケーションサービスはユーザーのことを考え抜き、彼らの気持ちを理解して、彼らから支持を得ることが最重要。Fred(深川)はそれができる。Fred以外にこの会社のリーダーはいないよ」と言ってもらいました。
正直うれしかったし救われた。ただ、そうは言われてもしばらく本気で葛藤していましたね……。
「ザ・社長」を偶像崇拝していると気づいた
あまりにも悩みすぎて、心理カウンセリングやコーチングを受けたりもしました。
その中で出会ったコーチとの対話で、いままでの葛藤が消え去る瞬間がありました。
「あなたの考える社長像。周りにいる経営者のみなさんもそうですか?」
身近な経営者の方々を思い浮かべてみて、自分が描いていた社長像がとても強い「こうあるべき」に囚われていたと気づけた。いままで固執しつづけていた偶像をぶち壊すことができたんです。
「もしあなた自身が身近な友達にいたら、あなたはどう思いますか?」
自分自身が友達にいたら「いつもがんばってるな」とか「責任感持って逃げずにやってるな」とか「ちょっと変わってるけどおもしろいやつだな」とか思えた。
まあ、社長ってそのくらいの感じでいいのかなと思えたんです。
ぜんぶ自分の責任だと受け止めることもやめた
会社を経営しているといろいろな問題にぶち当たります。その過程で生まれるユーザーさんからの辛辣なコメント。社員からの否定的な意見。
いままではすべてが自分の責任だと考えて、ぜんぶ真正面から受け止めていました。
「誰かがなにかを不満に思うことすべてが、そんなにいけないことですか?」
これもコーチに言われたことで、自分の認知を変えられた言葉でした。一つひとつすべて自分で受け止めることをやめられた。
いままでを振り返ると、とくに社員がなにかいやな思いをしたり残念な気持ちになったとき、自分を責めまくっていましたね。
まだ社員数が少ないころって、採用はプロポーズに近い感覚でした。まだなにも成し得ていない私たちだけど、これから一緒にやっていってくれますか? って必死に口説いて。
そんなプロポーズを受けてTimeTreeへ来てくれた仲間たちが、なにかいやな思いをしたら毎回すごく気に病んでたんですよね。
長らく苦しんでいたけど、会社 = 自分ではないと気づけて楽になりました。
自分はヘンな社長だと思うけど、それでいい
あと僕は、ひとへの興味がありすぎると思っています。
ひとへの興味が強すぎて人文学を経営に活かそうと考えたり。ユーザーインタビューの録音を聴きながら通勤していたり。事業計画、採用計画なんかで「ひと」をドライに数字として見ることが苦手だったり。
あるひとから見ればすごく変わった社長だと思うけど、まあ、それでいい。最近はそう思えるようになりました。
会社をつくって10年間。紆余曲折を経ましたが、あらためて社長の役割がクリアになったと感じています。
社長の役割は、自分で全部やる必要はないけれど「どこを目指しているのか地図を描くこと」「そのために必要なモノを調達すること」「メンバーを活躍させること」の3つだと考えています。
その中で僕の強みは「ひと」を起点に会社やサービスのビジョンを語ること。言葉を武器に、世の中とサービス、会社とチームを繋ぐこと。
ポイントは「すべてをひとりでやらなくてもいい」ですね。チームでそれをやっていくために僕の得意でがんばっていく。それでいい。
悩める社長のホンネを書いていきます
まあこんな感じで、僕はいつも迷ってます(笑)。
ひさしぶりに再開したnoteで、これから僕がふだん考えていること、迷っていることを取り留めなく書いて発信していこうと思います!
引き続き発信をフォローいただけるとうれしいです。
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