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アクティブラーニングって何だろう?みんなで考えて学ぶ新しい学び

皆さん、こんな経験ありませんか?授業中、先生の話を聞いているつもりなのに、気づいたら窓の外を眺めていた...。そんな「受け身」の授業から、がらりと変わるのがアクティブラーニングなんです。

例えば、歴史の授業。従来なら年号や出来事を暗記するだけの授業というイメージもあるかもしれません。でも、アクティブラーニングでは違います。「もし自分が織田信長だったら、本能寺の変でどう行動する?」なんてテーマで、グループでディスカッション。まるで歴史ドラマの脚本家になったみたいに、当時の状況を想像しながら意見を出し合います。

こうすることで、単なる暗記じゃなく、その時代を「生きた」ような感覚で歴史を学べるんです。これが、アクティブラーニングの醍醐味なんですよ!


「ただ聞く」から「自分で考える」へ 従来の授業

従来の授業:「鎌倉幕府は1192年に成立しました。はい、ノートに書いてください。」
アクティブラーニング:「鎌倉に幕府を開いた源頼朝。彼の気持ちになって、どんな国づくりをしたいか、マニフェストを作ってみよう!」

こんな風に、自分で考え、表現する機会がグッと増えるんです。

アクティブラーニングの特徴って?

アクティブラーニングの特徴を、もう少し具体的に見ていきましょう

生徒が積極的に授業に参加する

例)数学の授業で、「この町の人口推移のグラフを作ろう」というプロジェクト。データ収集から分析まで、生徒たちが主体的に取り組みます。

ただ知識を覚えるんじゃなく、スキルを身につける


例)英語の授業で、単語を覚えるだけでなく、実際に外国人観光客向けの町の案内ビデオを作成。語学力だけでなく、企画力やプレゼン力も身につきます。

深く考える力を養う

例)国語の授業で、小説の登場人物の心情を分析。「なぜこの人物はこんな行動をとったのか?」を深掘りして考えます。

読んだり、話し合ったり、書いたりする活動がたくさんある

例)社会の授業で、環境問題について新聞記事を読み、グループで話し合い、自分たちなりの解決策をレポートにまとめる。

自分の考えや価値観について深く考える

例)道徳の授業で、「正直であること」をテーマに、自分の経験を振り返りながらディスカッション。

頭の中で考えたことを言葉や行動で表現する

例)理科の授業で、実験結果をもとに仮説を立て、クラスの前でプレゼンテーション。

このように、アクティブラーニングでは、様々な活動を通じて、知識だけでなく、考える力や表現する力を総合的に育んでいくんです。

アクティブラーニング、実際どんなことするの?

アクティブラーニングの具体的な方法をいくつか詳しく見ていきましょう。

みんなでワイワイ話し合い(グループディスカッション)

例えば、社会の授業で「我が町の10年後」というテーマでグループディスカッションをするとします。

  1. まず、4-5人のグループに分かれます。

  2. 各自が「10年後の町」のイメージを紙に書き出します。

  3. グループ内で順番に自分のイメージを発表します。

  4. みんなの意見を聞いた後、グループとしての「理想の町」をまとめます。

  5. 最後に、クラス全体に向けて各グループが発表します。

こうすることで、自分の考えを整理する力、人の意見を聞く力、合意形成する力などが自然と身についていきます。

本気で議論!ディベート

例えば、「スマートフォンの学校への持ち込みを認めるべきか」というテーマでディベートをします。

  1. クラスを賛成派と反対派に分けます。

  2. 各チームで作戦タイムを設け、主張とその根拠を考えます。

  3. 両チームが交互に主張を述べ、相手の主張に反論します。

  4. 最後に、審判役の生徒や先生が勝敗を判定します。

ディベートを通じて、論理的思考力や説得力が鍛えられます。また、自分と異なる意見も理解しようとする姿勢も身につきます。

チームで力を合わせて(グループワーク)

理科の授業で「エコな町づくり」というプロジェクトに取り組むとします。

  1. クラスを5-6人のグループに分けます。

  2. 各グループで役割分担(リーダー、書記、発表者など)を決めます。

  3. エコな町づくりのアイデアをブレインストーミングで出し合います。

  4. 出たアイデアの中から実現可能なものを選び、具体的な計画を立てます。

  5. 模造紙にまとめ、クラスで発表会をします。

  6. 互いの発表を評価し合い、良いアイデアは実際に学校や地域に提案します。

このような活動を通じて、協調性やリーダーシップ、創造力などが育まれていきます。

アクティブラーニングは、こうした様々な方法を組み合わせて行われます。生徒たちは、楽しみながら、社会で必要とされる幅広い能力を身につけていくのです。

出典:文部科学省「資料2 教育課程企画特別部会 論点整理(案)補足資料(4)」

まとめ

アクティブラーニングは、従来の受動的な学習スタイルを大きく変える可能性を秘めています。生徒たちが主体的に考え、協力し、表現する機会を増やすことで、単なる知識の習得を超えた、深い学びを実現できるのです。

しかし、これはまだ発展途上の教育方法です。教員の指導力向上、適切な評価方法の確立、学習環境の整備など、課題も少なくありません。また、すべての学習内容にアクティブラーニングが適しているわけではないことにも注意が必要です。

それでも、急速に変化する現代社会において、自ら考え、行動し、他者と協力して問題を解決する力は、ますます重要になってきています。アクティブラーニングは、そうした力を育むための有効な手段の一つとなるでしょう。

教育者、学習者、そして社会全体が一体となって、より効果的なアクティブラーニングの在り方を模索し続けることが、これからの教育、そして社会の発展につながっていくのではないでしょうか。アクティブラーニングの未来は、まさに私たち一人一人の「アクティブ」な参加にかかっているのです。

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