二次創作声劇台本【君は星を食む】
mojibanだと予想分数3分って出たけどマジかしら。Vtuberのヴァニス・テイパーさんで台本書いてみた。
二人用台本(元ネタ(?)のヴァニスさんは男性ですが特に性別に関する指定はないです)。「」のない箇所は心情表現ですのでエコーかけられる人はかけるとそれっぽいかも。ラストは逆にエコーないのが自然かも?
使う際一言あると嬉しいけどなくても平気!
以下台本↓
涼音(すずね):「…あら、イケメンさんだ。こんばんは?」
ヴァニス:─この世には「明晰夢(めいせきむ)」という概念がある。睡眠時に見る夢を睡眠中に「夢である」と認識された夢のことだ。この人も、それがわかるクチだろう。白いワンピースの似合う彼女に引き寄せられ、彼女の夢に入った。
「ええ、こんばんは。」
涼:「あら、お固い人なのね。夢の中なんだから敬語なんて使わなくていいのに。私は涼音。貴方のお名前は?」
ヴァ:「私はヴァニス・テイパーという名前だよ。ヴァニスって呼んで。」
涼:「ヴァニスね。了解。っあ、こういう夢って明晰夢っていうらしいよ。貴方みたいなイケメン、私は見たことないのに私が脳内で作り出してるのかぁ…」
ヴァ:「それが実はね、私は夢の世界で仕事をしてる獏なんだ。今は夢の世界をパトロール中。」
涼:「わ!そうだったのね~。お仕事邪魔しちゃってごめんなさい。」
ヴァ:「いや、いいんだ。パトロールといっても、本当に見てはいけない夢に出逢わない限り基本的にゆったりパトロールしてるだけだから。」
涼:「へ~…。そ、その見てはいけない夢って何なの、コワ…」
ヴァ:「ごめんね、《見てはいけない夢》は人間には伝えちゃいけないことになってるんだ。特に明晰夢を見る人間にとっては、伝えちゃうとその夢を見やすくなるからね。」
涼:「ふぅん、そうなんだ。ねぇヴァニス、もう行っちゃうの?」
ヴァ:「今日のノルマはもう終わってるから…ここでゆっくりさせて貰おうかな。」
涼:「やったー!ヴァニスの話、もっと聞きたいもん!」
ヴァ:「私だけ話すのはフェアじゃないから、君の話も聞かせてね。」
《私の話を聞かせる》とは言ったものの、《夢って面白いよね》という雑談になった。
「いいかい涼音?これはまだ言っていいレベルのやつだから言うけど、夢で本当に驚きすぎちゃうと、現実の心臓が止まっちゃって死んじゃう事例もあるんだ。明晰夢を見れてるから気をつけろとは言わないけど、夢って怖いものでもあるんだよ。」
涼:「へェ~。確かにそれはコワイね…」
ヴァ:「明晰夢は物心ついた頃から見てるの?」
涼:「ううん。割と最近からかなー。」
ヴァ:「そうなんだ。明晰夢楽しめてる?」
涼:「う~ん、まぁ少しは?明晰夢だってわかる前はずっと同じ夢しか見てなかったから。」
ヴァ:「ほう。どんな夢?」
涼:「…う~んとねぇ。私、ちょっと前に事故に遭っちゃって。意識が戻ったり戻らなかったりしてるんだよね。…当初は、ベッドに横たわる私を上から見てる夢だった。」
ヴァ:「…そっか。ちゃんと前みたいな生活に戻れるといいね。」
涼:「うん。治っても、ヴァニスとまた会えるから早く治りたい。」
ヴァ:「《また会える》って確定事項みたいに…(笑)」
涼:「えぇ~、確定事項でしょ?」
ヴァ:何もかもを見透かしたような澄んだ笑顔がこちらを向く。天真爛漫に見えてどこか儚げだった理由がわかった。そして、私が涼音に惹かれ始めているのも涼音にはわかっているかもしれない。
「ま、まぁ。会いに行くよ……って何かこの台詞、恥ずかしいな。」
涼:「照れてるヴァニス、可愛い~!」
ヴァ:「も、もうっ、獏をからかってはいけません!」
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日が空いた。今日もノルマが早めに終わったので涼音の夢にお邪魔することにした。人の夢というのは、ごくまれに人間も通るが獏のみが行き来できる通路がある。通路を通り、涼音の夢に行く。今日はなぜか、胸騒ぎのような悪い予感がする。
涼:「ヴァニスごめん、ごめんね、ごめん…」
ヴァ:涼音が星を食べようとしている。これは《駄目な夢》だ。間に合いそうにない。
「それは食べちゃ駄目だ!!!」
涼:「ごめんね、ヴァニス…!お腹が空いて我慢できないの…。頭の中でこれ《食え、食え》って声が止まない……昔読んだ夢占いの本に、「星を食べる夢は死の前兆」って書いてあったの、びっくりしたからよく覚えてたの。でも、ヴァニスの口から聞いたら…もっと早くこの夢を見ちゃう気がして。ヴァニスともっと話したかったから嘘ついちゃった。ごめんねヴァニス、ごめんね…さようなら…!」
ヴァ:声を上げる間もなく、涼音は星を食(は)み、私は夢の世界から追い出された。獏は、夢の世界の住人である。夢以外の世界には行くことができない。
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