見出し画像

ベルリン移住と転職

この記事はエンジニアと人生 #2 Advent Calendar 2022の2日目です。

半年ほど前まで、東京のスタートアップでiOSエンジニアをしていて、今はドイツのベルリンでiOSエンジニアとして働いています。海外移住と海外就職を考え始めてから、行動し、実現するまで様々な方の記事(*1*2*3など)に助けられたので、このブログも誰かの助けになればと思います。

バックグラウンド

以前は、Nanameue社でテックリードとしてアプリ開発をしていました。インターンで入社した会社で、大学卒業(機械工学の学部)を機に一度退職し、アメリカでの語学留学を経て再度入社し5年ほど在籍しました。社内公用語は英語で、エンジニアのほとんどは外国人、子会社がバンコクにあり、社内でのコミュニケーションは大半が英語でした。インターナショナルな環境の経験から、海外での生活を夢見るようになりました。

海外転職活動の流れ

2022年が始まって初出勤日に社長に退職の意向を伝え、転職活動を開始しました。まともに就活も、転職活動も、海外転職活動もしたことがなかったので何も分からず、Twitterで見つけた日経企業のヨーロッパ支社に応募しました。英語のCVを作成し、夜中にZoomで英語で面接を行い、とても緊張したのを覚えています。HRとの面談の後は、技術課題を渡され1週間程度の時間をもらって提出しました。残念ながら1社目はオファーをもらえませんでしたが、勉強になる細かいフィードバックや、モチベーションを上げていただけるようなメールを貰うことができました。

本格始動

退社日を調整し、3月ごろから本格的に転職活動を開始しました。まず、妻と移住したい国(カナダ、イギリス、ドイツ、フランス、オランダ、アメリカ)を決めました。英語圏もしくは、英語が比較的通じる国で、日本とは文化的に大きく違いそうな国に行きたいと思っていました。そして、面接等に向けた準備を始めました。英会話スクールでCVとカバーレターの添削、元同僚達にCVの添削、LinkedInのレビュー、妻には英語面接後のフィードバックをお願いしました。また、ツールや有料サービス等(Obsidian、Grammarly、LeetCode、Trello、Medium)を使い始めました。

週末にLinkedInやGlassdoorを見て国、都市、ポジションでフィルターし会社を探していました。毎週数社ずつ合計で20社程度応募し、10社が次の選考プロセスに進むことができました。

  • ドイツ5社

  • 日本2社 *

  • カナダ1社

  • オランダ1社

  • イギリス1社

*日本2社は、アメリカに本社がある企業の日本支社でリクルーターからLinkedInで連絡があった企業です。

選考フローはどの会社も同じようなもので、HRの人と最初の面談を行い、その後技術課題、エンジニアとの面談を複数行い最終面談後にオファー面談を行う流れで、応募してから最終結果が出るまで2〜3ヶ月ほどかかります。最終的にかなり好印象の会社にオファーをもらい、選考途中の会社には辞退の連絡をしました。当たり前かもしれませんが、面接は全てリモートで英語で行われました。

実践してよかったこと

就職活動も転職活動もあまりしてこなかったので、どうすべきか分からない事ばかりでしたが、おすすめしたいことはいくつかあります。

進捗管理

妻に進捗を聞かれるのが面倒で、Trelloを利用して1社ずつステータス管理をしていました。自分自身も進捗を把握できて大変助かりました。

面接後の振り返り

面接で聞かれた質問や自分の返答は全て記録し、面接後に自分が考える理想的な返答を作成しました。上手に返答できなかったり、見当違いの返答をしてしまうことも多々ありました。厳しい面接の後は、振り返るのがとても辛かったですが、厳しい面接ほど得られるものは多かったと思います。Obsidianを使って面接後すぐか翌日振り返りを行い、週末など時間が空いてるタイミングで深掘りをしました。

当時の振り返りノートの一部

Obsidianは数あるメモアプリの中でもメモ同士をリンクする機能が強く、振り返りや深掘りにとても役に立つパワフルなツールでおすすめです。

Grammarly

提出し終わったCVのタイポを見つけてすぐダウンロードし、有料会員になりました。誤字や文法を直してくれたり、多用している言い回しを変えてくれたりと、素晴らしい機能があります。転職後の今も毎日使っています。

英文履歴書(CV)やカバレターの添削

英語で履歴書を書くことは簡単でなく、英会話スクールの先生と元同僚の方に添削をお願いしました。誤字や言い回しの修正、面接官が興味を引かない文言を削除、興味を引くものを追加しました。CVの添削は自分より経験が豊富だと思われる方に見てもらうことをお勧めします。

周囲に共有

海外への転職活動をしていることは、社内、友達、家族や元同僚にも伝えていました。共有することでただ応援してもらえるだけではなく、会社を紹介、CVの添削、建設的なフィードバックなどいろんな手助けをいただけました。手助けをいただいた方々、ありがとうございました。

移住に関して

ビザ

海外で働く場合は、どうしてもビザ問題があります。自分がその国で働くためにどんなビザが必要で、どうやれば取得できるのか。私はビザに詳しいわけではないので、自分の経験談のみを話させていただきます。
LinkedInの求人情報にはビザのサポートの情報が載っていることが多く、私はサポートしてくれると明言されている会社のみ応募していました。ドイツやオランダなどEU圏の国は、ビザのサポートが受けやすい印象でした。カナダの場合、すでにカナダで合法的に働ける人のみ応募可能と書かれいる企業が多い印象でした。内定承諾後は、会社が雇っているリロケーションのエージェントを通して、必要書類を用意し、自分か応募可能な就労できるビザに応募しました。内定承諾後、2ヶ月程度で仮ビザがドイツ大使館から発行されました。妻と二人で渡独し、ベルリンの外国人局で私の本ビザと妻の家族帯同ビザを申請しました。ビザの手続きは毎年変わるようで、分からないことが沢山あり大変でした。詳しくは別の記事にでもできればと思います。

移住費

航空券代(26万円)、新しい家の家賃(月18万円)、デポジット(36万円)、エージェントへの諸経費、東京のマンションの退去費用、出国前の家族や友達たちとの交際費用。どこまでが移住費なのか判断するのは難しいですが、妻と私の移住に際して、100万円以上は必要だったと思います。移住後は、さまざまな問題が起き、お金と時間を余分に使うことも多かったです。東京にいた時と今では、お金の使い方とそれぞれの物価が違いますが、東京にいた時のような安定した生活ができているような気がします。
また、多くの企業が移住にかかる費用の一部を負担してくれます。私の場合€1,000(当時のレートで14万円程度)が上限でした。

海外就職を考えている人へ

1月から初めて、3月から本格的に開始し、6月にオファーをいただきました。長年のやりたい事であった海外就職ですが、始めてから学んだことがたくさんありました。海外でエンジニア就職したいと考えている人は、まずLinkedInを開いて応募してみると良いと思います。面接を受けることが”ただ”(無料)だとは言いませんが、ヨーロッパ時間や北アメリカ時間などでのオンライン面接は、日本の業務時間外で行うことが多いため比較的楽だと思います。

英語力が足りないと感じている方は、自分の英語力がどれぐらい足りないか分かると思います。技術力や経験が足りていない方、言語化できていない方は、自分の分野のどこが足りていないのか、日々の業務から何を学ぶべきなのか、何が言語化出来ていないかが見えてくると思います。

最後に、この記事が誰かの助けになれば幸いです 🙂 Tschüss!


P.S. 
ヘッダーはベルリンの隣町、ポツダムにあるサンスーシ宮殿のもので、「SANS SOUCI」はフランス語で「心配無用」という意味です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?