セレモニーを形骸化させないただ一つの方法
人々が仕事を中断して集まり、ストーリーを語り、気持ちを盛り上げるのはなぜだろう?それは、集い祝うことが、尊敬と感謝を示し、コミュニティーの一体感を新たにし、共通の価値観と伝統を思い出す、一番の方法だからである。組織の長期的な健全性にとっても、日常業務にとっても、集って祝うことは重要な意味を持つ。
~『リーダーシップ・チャレンジ 11章 価値と勝利を讃える』 より~
多くの企業が「全社総会」や「キックオフ」として各種セレモニーを開催されています。経営に生かされている例でぱっと思い浮かぶのがサイバーエージェントさんやリクルートさんでしょうか。
最近ではSHIFTさんが完全オンラインでの全社総会を開催されたことで日経新聞にも掲載されていました。ベンチャーというにはもう大企業過ぎますが、マネーフォワードさんなんかも様子が発信されています。
多くの成長企業が取り組んでいるところから考えても、こうした全社的なセレモニーは経営上大きな意義と効用があると考えてよいでしょう。
自分自身の体験で言えば、自分が新卒から10年間お世話になったフューチャーさんで実施していたベストプロジェクトオブザイヤー(BPY)というイベントが強烈な印象に残っています。
ノミネートされたプロジェクトの実績発表に対して、全社員で投票して表彰します。社長賞や役員賞もありますが、ベストはあくまでも全社員の投票で決まるというのがポイントでした。
各プロジェクトは単なるスライドのプレゼンだけではなく、寸劇やダンス、さながらNHKのプロジェクトX仕立てのドキュメンタリーまで様々に趣向を凝らしてプレゼンを行います。ぶっちゃけ決勝に残ったPJでは、イベントの前2週間ぐらいはPJワークそっちのけで準備に集中しているメンバーもいるぐらいでした(笑)
毎年現場も運営側も多大な労力をかけて準備に取り組んでいましたが、それだけの効果を感じさせるイベントでした。私個人は先輩や同僚たちの仕事振りに対しての称賛や敬意やあこがれ、自分も負けてられない、いつかはここで表彰されるようなプロジェクトを率いてみたいといったモチベーションや、何より自社へのプライドを毎回もらっていました。
最近のレポートを拝見する限り、その熱量は変わってない気がします。自社でもこんなイベントができるようになりたいと個人的にはいつも目標にしています。よろしければこちらをご覧ください。
こうしたイベントに参加側、主宰側双方で関わってみて私が感じる一番大切なことは、「リーダーが率先してその場の重要性を体現すること」です。
どうしてもこうした催事の準備や当日進行を行う担当者にとってみれば、どうしても一つの業務になってしまいます。また一部の現場の社員に「業務で忙しい時にある意味『お遊び』に突き合わせられている」という態度をとる人が出てしまうことも否めません。
人類や社会の歴史、組織運営を学んでいけば、組織やコミュニティにとってこうしたセレモニーがいかに大切な行事であるかは自明なのですが、幹部社員であってもまだその大切さに気付いていなかったり、そうした行事に前向きにかかわるのが肌に合わないのか照れ臭いのか、少し距離を取る人が出ることもあります。単なる福利厚生の一つだと思っている人もいます。
そんな野党魂の幹部を指導し、イベントの重要性を決定づけるのはリーダーシップでしかありません。リーダーが率先してイベントの重要性を行動で示すことで、その効果は幾倍にもなるはずです。リーダーが準備にいい加減な態度をみせてしまうなどは準備チームの士気も下げ最低の結果を生みます。
ついつい形式的/ルーチンワークになりがちなセレモニー。組織で効果的にセレモニーを活用できるように、改めて運用を点検してみてはいかがでしょうか?
このnoteは?
リーダーシップに関する世界的なベストセラーである「リーダーシップ・チャレンジ」を読み進めながら、リーダーシップを「自ら実践するために学ぶ」べく、そのヒントを綴っていきます。
これまでのnoteはこちらのマガジンをご覧ください。
『リーダーシップ・チャレンジ』が示す「模範的リーダーシップの5つの実践と10の原則」
模範となる
1.自分の言葉で語り、共通の理想を確認することで、価値観を明らかにする
2.共通の価値観に従って行動することで、手本を示す
共通のビジョンを呼び起こす
3.心躍るような崇高な可能性を想像し、未来を描く
4.共通の夢に訴えて、人々を引き入れる
プロセスに挑戦する
5.自発的に行動し、革新的な改善策を外部に求めることで、チャンスを模索する
6.小さな勝利を積み重ね、経験から学ぶことで、実践しながらリスクをとる
人々を行動にかりたてる
7.信頼を築き、絆を強めることで協働を育む
8.意思決定の権限を与えることで、人々の能力を高める
心から励ます
9.卓越した成果を褒め、貢献を認める
10.共同体精神をつくりだし、その価値と勝利を讃える
「#毎日リーダーシップ」とは?
みんながリーダーシップの本質を知り、何らかの領域でリーダーシップを発揮できるようになれたら最高だなと思い、日々学んだり考えたことをこのハッシュタグ「#毎日リーダーシップ」でつぶやいています。良ければフォローしてみてくださいね。
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