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#JBUG 東京 #15 オンライン「#BacklogWorld re:Union LT おかわり」で話したかったことを補いたい

こちらでお話する機会を頂いた。資料はこちらで公開しているのでよろしければご覧いただきたい。

なお動画はこちら。(自分の発表は25:00ぐらいから)

10分間のLTにしては重ためなタイトルにしてしまい、言いたいことが伝わりにくくなってしまったかもしれないが、以下少し行間や文脈を補いたい。

「プロジェクト」と「経営」をどう繋ぐべきか?

まず弊社のようにクライアントワークを中心とした会社におけるプロジェクトと経営の関係について整理しておきたい。

もともとプロジェクトの特徴は有期性(活動期限がある)と独自性(一回限り)だとされる。ずばり目的達成したら解散するぞ型である。(下図は弊社研修資料からの抜粋)

PJとは

一方「経営」は限られた資源で成果を最大化/最適化することが求められる活動である。更に「キャッシュフロー」や「従業員雇用」、上場企業なら「予実性」や「コンプライアンス」という制約も加わってくる。そしてそれらは継続性という暗黙の最優先目標を前提に活動しているのだ。

つまり一見相反する性格を持つ活動が、親子の関係(プロジェクトの集合が会社=経営)になっているのだ。そう考えると、プロジェクトの最適を無条件に積み上げても会社全体の最適につながらないのは当たり前だし、そもそも資源的制約からそんなことは実現できないのは自明だ。何らかの判断や調整機能は不可欠だ。

例えば、当然トラブル発生時は全力でレスキューすべきだが、その範囲をどこまで広げるべきなのか?当然何かを犠牲にする必要があるが、その犠牲の代償はどう払うのか?生産性や品質を高めるには標準化やテンプレート化を進めろと言う人は多いが、実際成功しているプロジェクトは独自のやり方で進めていることも多い。

・・・と堅苦しく書いたが、「プロジェクト」は「会社」や「組織」の都合を踏まえて進めるものという、現場の人からすれば当たり前の話である。

この会社や組織の都合というのが現場からすると意外にやっかいなのだ。
事前のレビュー計画が曖昧であるばっかりに、「このレビュー会議には誰を呼ぶべきなのか?あの人呼んだらこの人も呼ばなくていいんでしたっけ?」みたいなこと若手がうんうん悩んでいるなんてことは意外に多い。人間関係が一番面倒くさいというのはよくある話である。

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やはり現実には、「プロジェクトマネジメント」をただ最適化するだけではうまくいかないことも多いのである。そういう意味で、プロジェクト単体の進め方と同じくらい、そうしたプロジェクト群を支える組織マネジメントの在り方は、プロジェクトの生産性や成果に大きく影響を与えると私は考えている。ここを無視して、理想的な環境を前提として無菌室でのプロジェクトの最適運用を考えても実はあまり意味がないはずなのだ。

PMやメンバー達に対する包容力と適切な緊張感をどう両立させていくか?プロジェクトの短期化小型化が進んでいく昨今においては、複数のプロジェクトを群としてマネジメントしていくアプローチは、今後より重要になってくるだろうと思っているし、その精度を高めていけるように今後も磨いていきたい。

思い込みは一番の敵

今回の全社PMO組織の立ち上げとこれまでの活動を通じて、人に動いてもらう立場にある時の最大の敵は、思い込みと怠慢だと改めて痛感した。

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時間をかけ自信がある考えほど、思い込みが働きやすい。「自分がそうしてもらいたいように相手にもする」ということをどこまで丁寧にやりきれるか。本当に手間暇がかかるが、これは組織を動かすためには不可欠なポイントであると思う。

エンジニア出身者はしくみにフォーカスしやすい?

最後のまとめで、「しくみ」と「しかけ」という話をさせてもらった。これは自分がとても大切にしていることで、若手時代に当時の上司に叩き込まれた考え方である。

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プロジェクトを効率的に運ぶための「しくみ」を考えることは楽しい。どちらかというとしくみの方が好きという方の方が多い印象で、エンジニア出身者は特にそうだ。実際自分もきっとそうで、イベント後の打ち上げでもBacklogへの要望について話していた時は超然盛り上がった。

こうした「しくみ」と「しかけ」の両立というテーマは、プロジェクトと経営を繋ぐミドルマネジメントだけに言える話ではない。実はプロジェクト単体でも、同じく「しくみ」と「しかけ」の両立は大切だ。チームで物事を進めるときには是非大事にしたいと思っている。

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今後の目指すところ

結論としては、PMや現場のメンバーにとっていい感じの組織にしていきたいというメッセージである。特にリーダー達が元気で楽しく余裕をもって仕事ができているかどうかは特に大切にしていきたい。

個々のエンジニアの力を最大限に引き出すのがPMだとしたら、そのPMの力を最大限に引き出せるような、そんな役割が自分の理想である。まだまだ道半ばだが、楽しみながら挑戦していきたい。

最後に

この登壇を無事終えられて、正直ほっとしたというのが本音だ。自分の中でBacklogWorld2020という一つの物語がようやく区切りを迎えられた気がしている。後は祭りの余韻ではないが、いろいろ気になった登壇はまたアーカイブも見てnoteも書いてみようと思う。多くの出会いに感謝。








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