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やる気と能力の「鶏と卵」問題

人が仕事をしていないとき、その理由は2つしかない。単にそれができないのか、やろうとしないかのいずれかである。つまり、能力がないか、意欲がないかのいずれかである。
「『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』 第4部 選手たち」より

ミドルマネジャーのための不朽の教科書と言える「HIGH OUTPUT MANAGEMENT」を元に、マネジメント/リーダーシップを考えていく連続投稿シリーズ第13回目です。過去分は以下のマガジンをご覧ください。

モチベーションを高めるには

マネージャーがチームの業績を高めるために出来ることは、部下の「やる気」と「能力」を高めることだ、というのが著者の主張です。冒頭の引用も非常に明快です。

本書では、特に「やる気」に対してフォーカスします。マズローの欲求5段階説やスポーツと対比させつつ、今でいう「ゲーミフィケーション」を活用し、職場にゲーム感覚を持ち込み、互いに楽しく競い合わせることでやる気を引き出すような、働く環境作りの重要性を説きます。

これは現代のモチベーション論の代表格であるダニエル・ピンク氏の「モチベーション3.0」にも通じるところがあります。ナレッジワーカー的要素の拡大や社会全体の豊かさの向上も踏まえ、従来のアメとムチ型から脱却し、以下の3要素を大事にすべきだといいます。

・自律性
・マスタリー
・目的

詳しくは下記動画かリンク記事をご覧ください。特にダニエル・ピンク氏のTED動画はご存じの方も多いかもしれませんが、非常におすすめです。

やはりノルマや報酬のインセンティブといったいわゆる「アメとムチ」は、特にチームで1つのプロダクトを作り成果を出さなくてはならない業種にはどうしても適合が難しいし、最初は良いが段々と効果が減っていく麻薬的要素があることも間違いありません。この3つの要素を高める職場環境を追求すべきことは間違いありません。

やる気と能力の「鶏と卵」論

一方でやる気を高めるにはある程度その仕事ができるようになる必要がある、という要素もあります。好きこそものの上手なれと言う通り、好きなことに熱中していれば、いつのまにか上手くなるのは当たり前なのですが、仕事においては残念ながら必ずしも全員が最初からそれが好きではないこともあります。

自分なりの経験で言えば、ある程度一人で仕事が進められるようになり、自分でコントロールできる領域ができるようになるまでは、なかなか楽しむという感覚になり得ないのが実情ではないでしょうか。

一通りのことができるようになるまでは、やる気に関わらず必要なスキルを習得させる仕掛けが不可欠ではないかと思うのです。

自発的に学びを促進させる仕組みづくり

先日以下のサイトを見つけました。

Wordpressの専門集団であるmgnさんが立ち上げられた教育サービスです。元々自社で使われていたコンテンツをこうして外部に公開されています。

惜しげもなくシステムごと公開される太っ腹さはさすがですが、こうしたLMS(学習管理システム:Learning Management System)は正直世の中的には珍しくありません。ただmgnさんの更に素敵なのはその活用の仕掛けです。

先日開催された勉強会の模様のレポート、是非ご覧いただきたいのですが、各自の自発性を尊重しながら、裏では競争心を煽りつつ、個々の学習効果を高めるように工夫されています。

こうした「最初の一歩の背中を押す」ソリューションは、やる気と能力の鶏と卵問題を解決する一つのアイデアであると思っています。

若手であるほど感情に焦点を当てるのは得策ではない

特に若手に対しては、モチベーションではなく、能力や練度にフォーカスするのが効果的でしょう。出来るようになれば楽しくなるのが人間です。最初の一歩の壁を突き破るのを助けるには、どこでつまづいているのかを細かく聞いて、そこを丁寧にサポートしていくしかありません。

これまで出来なかった何かが出来るようになることで喜びを感じない人はいないはずです。マネージャーに求められるのは、部下達がこの壁を突破する具体的な手段を提供することに他なりません。

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以上、書籍「HIGH OUTPUT MANAGEMENT」から、特に若手に対するやる気と能力を高めるアプローチについて考えてみました。

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