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品質コストの最適バランス

システム開発において「品質」にはコストがつきものだ。ただコストの掛け方(掛かり方)にはいくつか分類がある。PMBOK(最新第6版)での定義を参考にすると以下のようになる。(PMBOK第6版 8.1.2.3より引用)

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当然組織的には不適合コストを適合コストに適合コストも評価コストからより予防コストに配分を高められるようにしていくべきである。ただ実際のPJの運用では、予防側に優先投下出来ないことが多い。これは組織としてどう対応していくべきなのか非常に悩ましい。

まず問題は、「レビューや規約標準の整備などを時間や工数がないので端折りました」というチームが発生してしまうことである。(品質や技術に発展途上な組織に起こりがち)

「急がば回れ」の効果を理解していないPMはいないはずだが、いざ余裕なく現場で現実に直面した時に、「急いでいるから(人もいないし)まっすぐ行く」となってしまう。これを組織として等しく防がなければならない。ただここにコストが掛かっては本末転倒になるわけだ。

若干論点がずれるかもしれないが、ソフトウェア開発における質 VS スピードの議論については、@t_wada氏の以下の発表が大変参考になる。「品質とスピードはトレードオフではなく、残念な人は時間があってもなくても駄目なソース書く」というやや言いにくい真実を言ってくれた感が大きい。

この発表について皆の意見もまとまっている以下の記事もご参考に。

もちろん全PJに対して必須ルールや監査的なものを強化していくことも一つのアプローチではある。見積もりや計画時点で品質マネジメントに対するスタンスを徹底していくことも大切だ。そもそも思想的なことへの共感を図ることが最優先であるとも考える。

組織マネジメントとしては、トレーニングやツールなどを充実させつつ、予防コストへの偏重投下が投資効率の良い施策であるということを粘り強く啓蒙していくのが王道なのだろう。いくつか良い事例も出てきたので、我が社も地道にトライしていきたい。

なお以下の記事は品質コストを考える上で参考になったのでご紹介。(カバー画像はこちらのサイトより流用させていただいた。)


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