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褒めること自体を目的にしない

褒められるのはうれしいが、たいていの場合それはお決まりの型にはまっていて、あたたかみがない。全員を十パひとからげにして褒めるのは、よそよそしく、表面的で、気がきかない印象を与えてしまう。それがつづくと逆に皮肉に思え、ありがたみがなくなる。
~『リーダーシップ・チャレンジ 10章 貢献を認める』 より~

「褒めるときはみんなの前で褒める」
よく言われるセオリーですが、結構時と場合によると思っています。

勿論みんなの前で盛大に拍手を浴びてもらうことで最大限の喜びを感じてもらえる時もあるでしょう。

ただみんなの前だと言っても、伝え方によっては形式的で取ってつけた感が出てしまい、あまり気持ちが伝わらないこともあります。私信で想いが伝わる形で伝えた方が、しっかり伝わることもあります。

ちなみに私が過去褒められたり感謝された数少ない経験の中で、強く記憶に残っているのが、ある年の2枚の年賀状です。それは大学留年時にアメリカンフットボールのコーチをしていた最後の年に(2留していました汗)、プロの専任コーチの方と4年生の選手のそれぞれから頂いた年賀状でした。

大学アメリカンフットボールは、勝ち進めば最後お正月のライスボウルという日本一決定戦に臨めるのですが、その年惜しくも秋のリーグ戦で敗退しており、自宅で迎えるお正月でした。

専任コーチの方からの年賀状にはほんの一言、”昨年の康雄のコーチぶりは非常に良かったと思う”、と短く書き添えて頂いていました。4年生時代の私の体たらくぶりに非常に厳しい言葉も頂いていたこともあり、自分ではこのコーチの方にたった一言ですが認めて頂いたのは、本当に嬉しかったのを覚えています。

もう一通は自分が最後に面倒を見ていたポジションの4年生からの年賀状でした。秋のリーグ戦中盤で負けが決まってしまい、4年生最後の意地をかけろと終盤特に非常に厳しく接した選手でした。見事最後の大事な試合で良いプレーを見せてくれたのですが、その彼が”最後に力を出せたのは中野さんのおかげです”とわざわざ年賀状をくれたのでした。これも本当に涙が出るほど嬉しい言葉でした。

今から20年以上前の個人的な汗臭い話で恐縮でしたが、改めて思い返した時に、褒めたり感謝を伝えるというのは、当然ながらお金や形式ではなく本気の気持ちを伝えることが大切なんだということを改めて学びました。

褒めるたり感謝を伝えるというのは、リーダーシップを発揮する上で非常に大切な行為です。ただその行為自体が目的となってしまっては逆効果となるでしょう。大切なのは、感謝や尊敬の気持ちを相手に正しく前向きに伝えることである、というのを忘れないようにしましょう。

このnoteは?

リーダーシップに関する世界的なベストセラーである「リーダーシップ・チャレンジ」を読み進めながら、リーダーシップを「自ら実践するために学ぶ」べく、そのヒントを綴っていきます。

これまでのnoteはこちらのマガジンをご覧ください。

『リーダーシップ・チャレンジ』が示す「模範的リーダーシップの5つの実践と10の原則」

模範となる
1.自分の言葉で語り、共通の理想を確認することで、価値観を明らかにする
2.共通の価値観に従って行動することで、手本を示す

共通のビジョンを呼び起こす
3.心躍るような崇高な可能性を想像し、未来を描く
4.共通の夢に訴えて、人々を引き入れる

プロセスに挑戦する
5.自発的に行動し、革新的な改善策を外部に求めることで、チャンスを模索する
6.小さな勝利を積み重ね、経験から学ぶことで、実践しながらリスクをとる

人々を行動にかりたてる
7.信頼を築き、絆を強めることで協働を育む
8.意思決定の権限を与えることで、人々の能力を高める

心から励ます
9.卓越した成果を褒め、貢献を認める
10.共同体精神をつくりだし、その価値と勝利を讃える

「#毎日リーダーシップ」とは?

みんながリーダーシップの本質を知り、何らかの領域でリーダーシップを発揮できるようになれたら最高だなと思い、日々学んだり考えたことをこのハッシュタグ「#毎日リーダーシップ」でつぶやいています。良ければフォローしてみてくださいね。


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