打ち合わせが苦手なIT業界の技術者に伝えたい、有意義な打ち合わせをするためのポイント
久々にnoteを書きます。今回のテーマは「打ち合わせ」です。
私の場合、社外、社内の打ち合わせを含めると平均して一週間で15〜20回ぐらい打ち合わせがあります。
この打ち合わせですが、色々とコツがあり、できない人はそれなりの社会人経験を積んでる人でもできていないです。
しかも、打ち合わせは他人が関わる仕事。打ち合わせの主催者やスピーカー側の手際が悪いと、参加者にもストレスを与えてしまいます。
ということで、今回は打ち合わせを主催したり、スピーカーをしているけど、毎回うまくいかないと感じるIT業界の技術者向けを想定して、有意義な打ち合わせをするためのポイントについて私の考えを書いていきます。
色々書きますが、コアになっているのは「参加者への思いやり」です。
参加者が満足できる、意義のある打ち合わせを開催すること。
テクニックも大事ですが、これを忘れないようにしてください。
打ち合わせ準備 編
この打ち合わせの目的(勝ち取りたいこと)をきちんと認識する
打ち合わせには目的があります。目的とは、こういうことです。(一例)
誰かに何かの了承を取りたい
あることを打ち合わせの中で決定したい
情報を共有して、何かの議論の土台を作りたい
打ち合わせには成功、失敗があり、目的が達成されれば成功です。
目的を全く意識せずに打ち合わせをして、失敗なのか成功なのかすらわからずに打ち合わせが終わってしまう人を結構見ます。
これではせっかくの会議が無駄になってしまいますし、集まってくれた人の時間がもったいない。
打ち合わせで自分は何を勝ち取りたいのか、そのためになにをするべきなのかを考えながら準備をしましょう。
(もちろん、会議は戦いの場ではありませんが、「勝ち取る」というマインドは大事だと感じます)
また、勝ち取りたい内容に対して、出席者や打ち合わせのタイミングが適切なのかという点もポイントです。
打ち合わせの目的に対して出席者が適切ではない場合、打ち合わせを再設定したり、打ち合わせの目的を変えたりすることを検討しましょう。
誰向けに話をするかを考えて資料や話すネタを作ろう
基本の基本ですが、あなたは打ち合わせで誰に向けて話しますか?
その人の立場や、技術スキルや、普段実施している業務はなんですか?
この点を理解していないと、相手に全く伝わらない話をしてしまいます。
例えば企業のCXOクラス、しかも非IT部門の人に、IT運用チームの日々の技術的なトイルを説明してもわかってもらえません。
(なんかよく分からんけど大変なんだね ぐらいのことは言ってくれるかもしれませんが)
適切な人に適切な話ができるように、資料や打ち合わせトピックを決めましょう。
例えば運用の問題についても、CXOクラスの人向けには運用問題の改善施策によるプロダクト改善への効果や、想定される売上増の見込みなどを説明すれば、運用改善施策の重要性を理解してもらえるかもしれません。
資料はできるだけ事前にシェアしよう
読んでもらえるかどうかは別ですが、資料を事前にシェアしておくことで、どういう話が出てくるかを参加者にシェアすることができます。
(少なくとも興味がある人は見てくれるはずです)
私は資料のシェアはできれば一日前まで、最低でも3時間前ぐらいまでには送るようにしています。
(朝イチの打ち合わせで、ネタ作りのための資料が前日の15時ぐらいに届くような場合は無理ですが…)
リハーサルで話が詰まらないか確認しよう
自分がメインスピーカーの打ち合わせで、不安があるようなら事前にリハーサルをしましょう。
リハーサルは、実際に資料を投影し、ページを進めながら実際に聞き手がいるイメージで話をしていきます。
もし、リハーサルで話が詰まるような部分があった場合、その部分の資料の流れが何かおかしいです。
よくある例としては、いきなり話の中身が飛んだり、今までの説明と矛盾することを話したり、不必要な内容が入っていたりということがあります。
こうなるとストーリーがうまく繋がらず、スピーカーも話しづらくなります。
資料のページを入れ替えたり、ストーリーラインを組み立て直すなどして、話がすっと流れていくようにしましょう。
資料のブラッシュアップにも有効な手段なので、時間がある場合はリハーサルをしておくことをオススメします。
打ち合わせ 編
今日のトピックとゴールを最初に話す
打ち合わせを始めると、漫然と打ち合わせ資料に沿って話をし始めてしまう人がいます。
前述したとおり、打ち合わせには目的があります。そのため、まずは以下の2点を冒頭で話しましょう。
今日話をするトピック(目次があれば目次を写しながら)
今日のゴール
このことで、今日どういう話が出てくるか、何を自分たちは考えなければならないかというポイントが参加者の中に作られます。
そうなると、資料の内容やスピーカーの言葉の中で注視すべき場所に聞き手が集中できるようになります。
(どこがポイントなのかを分からずに聞き続けるのは疲れますし、議論の際にも話が発散してしまいます)
質疑応答のタイミングについての説明を入れる
ちゃんと聞いてくれていて、かつ打ち合わせの内容と聞き手のポジションがフィットしていれば、色々と質問が出てきます。
打ち合わせのトピックを説明するあたりで、質疑応答のタイミングを入れるかどうか、入れるのであればどこにするかを軽く説明しておきましょう。
適宜質問してください、というのもアリですが、中々話の途中で割って入るのは難しいので、質疑応答のタイミングはちゃんと取っておいたほうが良いと私は考えています。
スピーカーは資料を音読してはいけない
よく言われる打ち合わせのプラクティスですね。
資料は手元で見ればわかります。スピーカーの人が、投影されている資料を上から下に読む意味はあまりありません。
と言っても、資料を見ずに打ち合わせに参加している人を想定すると、資料を見てもらう時間を取ることは必要です。
資料に書かれていない内容を補足したり、重要なポイントに絞って説明したりすることで、資料の理解を深めてもらうようにしましょう。
わからないことはわからないので持ち帰ると素直に言う
打ち合わせをしていると、技術的、ビジネス的にいろいろな質問をされます。
原則として自分の分かる範囲や言っていい範囲で説明し、それ以外の範囲は別途回答、あるいは別のメンバーから回答としましょう。
わからないことを適当に回答すると後々揉めたり、ごめんなさいしたりする羽目になることもあります。
わからないことはわからないと言うのは誠実さです。
なお、IT業界の技術者の人たちが顧客側と話をすると、よく「で、いくらかかるの?」って聞かれたりします。
要は作業コストの話ですが、これ、安易に答えない方が良いです。
技術者が考えるコストと会社が顧客に請求する金額はイコールではないですし、会社によっては営業職以外のメンバーが金額を回答することをNGとしている会社もあります
技術者サイドの人たちは気をつけておいてください。
次回がある場合、予告をしておく
打ち合わせは一回で終わる場合もありますが、多くの場合何ヶ月か同じテーマが続きます。
もし次回の打ち合わせが決まっているのであれば、打ち合わせの最後に次回のトピックについての予告をしましょう。
そのときに、聞き手に宿題を持ってもらいたい場合、あわせてお願いしておきましょう。
打ち合わせのフォロー 編
打ち合わせ中にアップデートした資料や議事録は早めに共有
打ち合わせの最中に資料をアップデートしたり、議事録をとったりすることが大半だと思います。
これらの資料は打ち合わせ後に整理したら、早めに共有しましょう。
なぜなら打ち合わせの内容を(場合によっては打ち合わせをした事実自体を)忘れるので…
最近ではオンラインミーティングが増えたため、文字起こし機能や動画撮影なども利用できます。
また、BoxnoteやOnenoteのようなメモツールをレジュメにすれば、レジュメに打ち合わせの内容を記載していくことで議事録の代わりにできます。
非対面でのコミュニケーションパスの確保
打ち合わせをしたあとに、お互い連絡を取りたい場合の方法を確保しておきましょう。
なにかあるたびに都度打ち合わせをしていては手間なので、チャットツールでもメールでもよいので、非同期のコミュニケーションパスがあると良いです。
おわりに
ということで、私が考えた打ち合わせに関するポイントを記載しました。
私もまだまだ勉強中なので、もっと上手い人は世の中にいっぱいいるだろうなぁ、と思いつつ書いてたりします。
慣れている人にとっては言うまでもないことがほとんどだと思いますが、経験が少ない人にとっては打ち合わせはとても複雑かつヘビーな仕事です。
このnoteだけではなく、他の本やWebの記事を参考にしてもらって、上手なファシリテータ、スピーカーになっていただけると、主催者側も参加者側も気持ちのいい打ち合わせになるかと思います。
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