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ソングライティング・ワークブック 第33週:声をループやドローンやコードなどで支える

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低音を弾いて聴きながら歌い、スケッチする

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第5週では思いついた音を歌うと同時に楽器でその音を鳴らすということをした。ここではその下で低音を鳴らす。まず低音を鳴らして聴き、ひとくさりぱっと思いつくものを歌って、同時に楽器で歌っているのと同じものを弾く。

第3週第4週第5週の課題の目標は、容易くやってくるものを捕まえることだったことを思い出してほしい。ここでもそれは変わらない。

いろいろなスケールを使うことができる。また「これは何スケール」などと意識せずに聞こえてくるものを歌って弾けばよい。また、何を発音してもいい。とくにテンポは定めない。

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楽器はキーボード類がやりやすいけれど、ギターでもいい。アコースティックギターでも、開放弦を使って低音を鳴らすことができる。また、減衰音だけでなく、オルガンなどの持続音を試すとよい。ルーパーやディレイなどを使ってドローンにすることもできる。その場合はパルスができることになり、おそらく声を出す人の意識にも影響するだろう。

また、GarageBandなどを使ってもよい。一定の低い声を先に録音するという方法もある。

低音を完全5度の重音にしてみると、どんな感じがするだろうか?

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慣れたら低音の方にも散歩させる。

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コードを使ってもよい。

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低音を変えるたびに、「次の音は何にしようか?」と考える間ができてもかまわない。

課題61

上記の方法でスケッチを試みなさい。録音しなさい。

伴奏に何かを表現させる

応用として、低音に何かを表現させる―喋らせる。厚くしたり、装飾したり、フレーズにしたりする。

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優先するのは歌なので、歌える範囲でやる。結果的に下のような会話的なものになるかもしれない。

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低音に繰り返しを与える。つまり、拍(パルス)、リズム、グルーヴといったものを与えることになる。音の鳴っていない瞬間(休符)があってもいい。優先しなければならないのはスケッチを進めることである。演奏しやすさや歌いやすさに配慮する。数えなければならないものは避ける。リズムがくるっても構わない(リズム練習をしたければまた別にそういった練習をすればいい)。

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こういった練習はピアノを使うのがやりやすい。ペダルの効果も期待できる。けれども、ほかの楽器やソフトウェアやハードウェアで工夫してやってみるのも面白い。

言葉を聴いて通底するムードを決める

ここからは、ここまでの声と低音を使ったスケッチとか、そもそもソングライティングという範囲を超えるかもしれない。何か言葉に対して伴奏するということを考えてみる。

とくに今すぐ言葉や文が思いつかなくても、そこかしこに言葉と言うのは散らばっているので、それを使うこともできる。何か言葉を読んでみよう。

寒冷前線が通過する影響で、西日本では次第に雨や風が強まっています。
9日にかけては西日本のほか東日本と北日本の広い範囲で荒れた天気になる見込みで、気象庁は落雷や竜巻などの激しい突風、急な激しい雨に十分注意するよう呼びかけています。(NHK2021年11月8日の天気予報より

冷たさ—「寒冷前線」激しさ—「荒れた天気」「落雷」「竜巻」「激しい突風」「急な激しい雨」近づいてくる—「次第に雨や風が強まっています」あるいはニュースの読み方の「冷たさ」「官僚的」「客観的」といったムードもある。

また、ラジオの天気予報や交通情報などは「何となくさわやかで当たり障りのない」音楽がBGMとして使われていることが多い。嵐が来ても事故で渋滞していてもである。運転している人を不安にさせたりしてはいけないからだ。そういうことも何か思いつくヒントになる。

こんなのはどうか?

フリマアプリ大手の「メルカリ」では、沖縄県の海岸に漂着したとみられる軽石の出品が相次いでいましたが「軽石の成分について分かっておらず、安全性が不明」として、8日から出品を禁止しました。
個人がインターネットを通じて品物を売買できるフリマアプリ大手の「メルカリ」では、先月下旬から沖縄県の海岸に漂着したとみられる軽石が出品されるケースが相次いでいました。
中には1つの軽石が2500円で売られていたケースもありました。
こうした中「メルカリ」は「軽石の成分について分かっておらず安全性が不明」として8日から出品を禁止し、今後、出品が確認された場合はサイトから削除することにしています。
一方、沖縄県は本島中部の読谷村の海岸に漂着した軽石の成分を調べ、カドミウムや鉛などの成分が国が定める環境基準値以下だったとしています。
そのうえで県は「ほかの場所に漂着した軽石の成分についても調べている段階だ。今は軽石を私的利用で拾うのは控えてほしい」と呼びかけています。(NHK2021年11月8日のニュースより

そんなものメルカリで売ってるのか?とちょっと滑稽な感じもある。「漂着」にはちょっとロマンチックな感じを抱く人もいるかもしれない。不思議さとか不気味さといったものをここから取り出せる人もいるだろう。

ここでは例は出さない。今あなたが持っている楽器や道具を使って何か作ることはできるだろうか?表現への入り口として。

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