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ソングライティング・ワークブック 第52週:欲しいのは音色か人か?

いわゆる「編曲法」はこのソングライティング・ワークブックの範疇を超えているので、深入りしない。ここでは「編曲以前」のことを考えてみる。すでにやることが決まっていてそれを実行している人たちにはあまり関係がない課題かもしれないけれど、ふと立ち止まって、これからどうしようかな?と考えているような人たちには役立つかもしれない。

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課題77

あなたの書いた(創った)、あるいはこれから書くだろう(創るだろう)歌を何で(楽器、コンピュータ、身体、自然環境、たとえば調理器具などのいろいろな道具、etc.)伴奏するか考えなさい。そのために、まず、どういうふうに聴く人に届けるかを決めなさい。概ね次の3通りがあり得るだろう:

  • コンサートなど、直接演奏を聴いてもらう。

  • 音にしたものを出版、配信、配布する。

  • 楽譜にして出版、配布する。

上のうちのひとつだけを選んでもいいし、2つ選んでも、すべて選んでもよい。また、たとえばインターネットでのライブ配信とコンサートは融合し得るので、そういういろいろな形での聴く人への届け方を考えるのもいい。

つぎに、次の2通りの条件に沿って、それぞれの場合で考え、楽器や道具などを列挙しなさい;

  • 今もし可能だったら使ってみたいもの。

  • 今すぐに使えるもの。

これはブレインストーミングなので、普通ではないものがあってもいいし、普通のものがあってもいい。「もし可能だったら」にはいろいろなものが含まれる。「もしもピアノが弾けたら」というのもそうだし、「もしお金があってオーケストラを雇えたら」とか「このヴァーチャル楽器をそろえられたら」とか「コンサートホールで録音できたら」など、経済的な障壁についてのものもある。「メンバーが集まれば」「自分では歌えないけど誰かが歌ってくれれば」というのもある。「もし弦楽四重奏をアレンジできれば」といった障壁もあるだろう。「マキタの丸ノコ持ってるからその音を使ってみたいけど面白くなるかどうかわからない」みたいな、結果に自信がない場合というのも含まれる。「こんなの作って誰か聴いてくれるのだろうか?」みたいなものもある。そういうのでも思いついてしまったのであれば書き出しておくとよい。

「今すぐ使えるもの」には、今すでに使っている楽器や道具、家のどこかに置きっぱなしになっているおもちゃ、さきほどの「丸ノコ(持っていれば)」、すぐに集まれる仲間、など、いろいろなものが含まれる。スマホで作れるもの、などもそうである。コードやアレンジのことは知らないけど、歌詞と単旋律なら書ける、というのもそうだ。今始めようと思えばすぐ始められるもの。

あなたの場合、以上のことを考えるための軸になっているものは何か?たとえば楽器を選ぶにしても、この音色とこの音色が欲しいからこの楽器とあの楽器を使いたい、と考える場合もあるし、誰々と一緒に音楽をやりたいからこの楽器とあの楽器でやりたい、と考える場合もある。どちらも正当な考え方である。また、こういうものを好きな人に聴いてほしいから、こういう音を選ぶ、という考え方もある。これもまた、正当な考え方である。



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