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ソングライティング・ワークブック 第125週:ブルース形式の拡大(10)

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課題92(続き)

9. 7の構成にブリッジを足す

歌詞はここまでスケッチしていた。

(ヴァース)
ヒーローは今悩んでいる
今どきのヴィランは
悪いことをする理由を
いつもちゃんと持ってる
ずるいよね

(コーラス)
君はたぶん独り者(バッキング)
また映画の話をしているでしょう(リード)
君はたぶん独り者(バッキング)
また映画の話をしているでしょう(リード)

曲は以下のところまでスケッチしていた。

発展させるためのプラン

コーラスでは「ある対象になる人がシングルかどうか気になる」ということが歌われているので、淡いけれどラブソングと解釈できるようになっている。ところがヴァースのアイデアは「今どきの映画」についてのコメンタリーになっている。

今のところブリッジの歌詞のアイデアはないので、とりあえずヴァースのアイデアを貫徹するプランで、書き進めてみる。コーラスはずっと同じものを使う。ヴァースだけざっと考えて並べてみる。

ヒーローは今悩んでいる
今どきのヴィランは
悪いことをする理由を
いつもちゃんと持ってる
ずるいよね

愛だとか恋だとか
飾りなのよ、boy friend
当て馬よりトラウマのこと
いつも語られるのに
うんざりさ

人類滅亡 数えきれない
滅び方を学ぼう
虹とピンク 好きだけれど
いつもそれでも誰か
忘れてる

ブリッジの歌詞のアイデアがまだ出ていないけれど、とりあえずブリッジの音のプランだけ立ててみる。この尺なら16小節か。和声プラン。

ヴァースに戻りやすいものを考える

リズムに変化を付けたい。思い付きだけれど少しラテン風なシンコペーションを入れてみる。

「連れてって、連れてって」というコーラスが思い浮かぶ。

頭のリズムを変更

ここからは歌詞とメロディをほぼ同時に考える;

4回ともバッキング-ソロという組み合わせで繰り返すのは退屈な気がしたので、最後は順番を変えた。和声も変えた。

この歌の意図

書きながらだんだん意図がはっきりしてくる。つまり、さっと聞き流せば軽いラブソングに聞こえるようにしたいのだ。というか、そういう方針で行こうと、書いてる途中で決まってくる。成り行き任せといえば成り行き任せだ。

情景を想像してみよう―カフェでもオフィスでも道端でも学食でもいいけれど、あなたに対してその人は映画の話ばかりしている。なんだかそれも映画評論みたいな口ぶりで。あなたは「ひょっとしてこの人私と映画観に行きたいのだろうか」といぶかしく思う。タイトルは『また映画の話をしているでしょう』。

口ずさんでみて必要と感じたら修正を加え、またバッキングヴォーカルの歌詞も考えてみて、ざっと歌詞を通して書きだしてみる。こんな感じになる。()内はバッキングヴォーカルが歌う。

『また映画の話をしているでしょう』

Heroeは今(誰がHeroe?)悩んでいる(なぜ悩む?)
今どきのvillainは
悪いことを(どんなこと?)する理由を(あったのね)
いつもちゃんと持ってる
ずるいよね

(君はたぶん独り者)
また映画の話をしているでしょう
(君はたぶん独り者)
また映画の話をしているでしょう

愛だとか(愛って何?)恋だとか(恋って何?)
飾りなのよ、boyfriend
当て馬より(それって何?) traumaのこと(知ってるよ)
いつも語られるのに
うんざりさ

(君はたぶん独り者)
また映画の話をしているでしょう
(君はたぶん独り者)
また映画の話をしているでしょう

(連れてって 連れてって)
どこか multiverse
(連れてって 連れてって)
ここにいるのに
(連れてって 連れてって)
なぜか multiverse
ここにいないよ(うわの空)

人類滅亡(またそれか)数えきれない(けれどもね)
たいてい誰か生き残る
虹とピンク(旗掲げ)好きだけれど(パレードしよ)
いつもそれでも誰か
忘れてる

(君はたぶん独り者)
また映画の話をしているでしょう
(君はたぶん独り者)
また映画の話をしているでしょう

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