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三度三度の食事のこと-介護の日々

母と同居を始めてまもなく3か月になります。
かなり予想と外れていたことの一つが食事。母はそれまで一人暮らしを9年余り続けていて、それなりに食事もしていたはずですが、いざ一緒に暮らしてみたら、ほとんど何もやりません。
何もやらないというのは少し酷で、できないというほうがいいかもしれません。とくに火を使うことは、少し前から避けていたようです。
確かにレンジで温めるご飯を私が通販でずいぶん用意して、それはかなりの消費量でしたが、逆にいえばほとんどの食事がレンジで温めたご飯と昆布の佃煮、おしんこの類だったようです。あとは私が土日に来た時に冷凍しておいたなにか(唐揚げだったり、魚の切り身だったり)を忘れていなければレンジでチンしていたようです。

こういうことって、実際に一緒に暮らさないとわからないものです。

私が同居するようになってからは、薬を飲んでもらうこともあり食事を用意しています。母は最初は遠慮がちでしたが、最近は少し当たり前になってしまったようで、時々、イラっときますが、これは私の修業が足りないせいでしょう。

学生時代から一人暮らしをしていましたし、最近の20年くらい(最近とは言わないか)も同じくだったので「自炊」には慣れていますが、誰か他人のために食事を用意するというのは考えてみればとてもひさしぶりで、新鮮といえば新鮮です。
1日3食、何をつくろうかと考えると、これはなかなか難しい。「自炊」に慣れているとはいえ、できることは「焼く」「炒める」「煮る」くらいですから、それほどのバラエティはありません。「蒸す」「揚げる」はできません。
ダメな主婦みたいだなあとつぶやいてしまうこともありますが、いやいや私のやっていることを「主婦業」などと言ったら、主婦の皆さんすべてに申し訳ないだろうと思ったりもします。

私自身が一人暮らしのときも、今夜は何を食べようかなどはいろいろ考えていました。ただ都心暮らしで深夜までやっているスーパーやコンビニに囲まれた生活だったので、その都度惣菜売り場で「半額」だったり「本日のおすすめ」だったりする商品を適当に買うことが多くて、それはそれなりにバラエティには富んでいましたが、計画みたいなことは考えことはありませんでした。
いまは、これを食べて残ったら、次の日はこうしよう、程度のことは考えなきゃいけません。それに90歳の老人と一緒の食事ですから、多少は栄養や高齢者の嗜好などにも配慮しなければなりません。

しかし、こんなことを言うと怒られるというか、いやな感じがするかもしれませんが、歳をとってあまり動かなくてもきちんとお腹は空くんだなあと思います。
もっとも主治医の先生からは、食が細くなったら危ないですよ、と言われているので、食欲は健康の証明なのでしょう。感謝すべきことなんでしょうね。

同居したら母がたまには何かをつくってくれるのではという期待はほとんど裏切られましたが、それでも調子のよいときはお米を研いだり、白菜の浅漬けをつくったりします。
実は、こちらの段取りからいうと、今日はご飯は炊かなくていいよ、というようなときもあって、それを口に出してしまうことさえありますが、それは私の「エゴ」なんだと思います(口に出したときは、反省しています…)。むしろやる気になってくれたことに感謝しないといけないのでしょうね。なかなか難しいですが…

冒頭の写真は、ある日の朝食です。
なんだか綺麗にできたので、思わず撮ってしまいました。とりあえず食事の面では、親の役に立ってはいるようです。

介護の日々は、まだまだ続きます…

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