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運命はどこにでも転がっている

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会社員の藤原誠史はある日、電車で見かけた若い男に目が止まった。何故か心惹かれる見知らぬ彼を通勤のたびに見つめる日々を過ごしていたが、大学の学生証を拾ったことで彼=一ノ瀬翔真と話を… もっと読む
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#創作大賞2023

運命はどこにでも転がっている 最終話

 凍りついた地面で滑らないようにバスから降りると、冷たい風が吹き付ける。俺はコートに身体…

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運命はどこにでも転がっている 第13話

 イルミネーションが点灯し始めて、商店街がキラキラしている。街を歩く人々の足取りも何だか…

運命はどこにでも転がっている 第12話

 薄暗い店内にジャズが流れる。俺がグラスを傾けると氷が音を立てた。バーテンダーが、こちら…

運命はどこにでも転がっている 第10話

「おっ。浮気者、発見」  声がした方を向くと、そこには悠親が立っていた。後ろには一美も一…

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運命はどこにでも転がっている 第9話

 澄んだ朝の空気が、ほんのり冷たい。もう十月だ。そろそろ冬服を出す時期かもしれない。ジー…

運命はどこにでも転がっている 第8話

 窓から外を見下ろすと、街にはまだ明かりが灯っている。大浴場からのこの風景が好きで、いつ…

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運命はどこにでも転がっている 第7話

 喫茶店の中を見渡しながら、歩いていく翔真の後ろに俺は続く。中年女性の集団がいるテーブルでは、声をあげてテニスクラブの若いコーチの話で盛り上がっている。日曜日の昼間には似つかわしくない下世話な噂が、今日のデザートらしい。  別の席では青いポロシャツの若い男に、スーツの年配男性が何やら報告をしていた。若い男がそれに感想や指示を伝えている。だが、話の内容からすると上司と部下という訳ではないらしい。どういう関係なのだろう。  いずれにしても、これから会うゲイカップルでは、なさそうだ

運命はどこにでも転がっている 第6話

 電車から吐き出されると、空はすっかり紺色に変わっていた。ベルトコンベアに流されるように…

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運命はどこにでも転がっている 第5話

 パソコンを目の前にして、俺は身体を伸ばす。仕事に集中できない。理由はわかっている。昨日…

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運命はどこにでも転がっている 第4話

 食事を終えると俺たちは電車に乗り、翔真の家へ向かった。彼が普段乗って来る駅で降り、二十…

運命はどこにでも転がっている 第3話

 薄暗くはなってきたが、アスファルトにはまだ熱がこもっている。俺はカバンの中から扇子を取…

運命はどこにでも転がっている 第2話

 電車内は冷房でひんやりしている。線路に並走している道路には、雨で濡れた跡がまだ残ってい…

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運命はどこにでも転がっている 第1話

 瞳がその姿を捉えた瞬間、目が離せなくなった。見慣れたはず世界が、さっきまでとは全く違う…

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