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ヨーロッパの街並みを歩く旅#3    <2日目> フランス革命記念日 ①

 いつもと違う場所で寝るのはあまり得意ではないのですが、疲れていたのと、以外にも室温がちょうどよかったのでよく眠れました。反対側のベッドでは私よりも若そうなインド系の少年が横になっていて、目が合いました。
 今日はとりあえずパリの中心部に行ってエッフェル塔や凱旋門を見に行こうと思っていました。友達から26歳以下ならルーブル美術館は無料で入れると聞いていて、昨日のバスの中で予約をしようとしていたのですが、その時にはすでに満席だったので諦めました。自分の準備不足を感じます。今日パリの中心部を回ってみて、一日で十分そうなら明日、ベルサイユ宮殿に行こうと考えてました。
 計画を立て終わってベッドを降りて顔を洗い、出発する準備をしました。荷物をまとめているときに私の下の段で寝ていたアジア系の男に声を掛けられました。彼とは昨日の夜少しだけ話しました。イギリスからきていてもともとの出身は見ての通りインドネシア人でした。ニコニコしていていい人そうでした。しかし、どうやらクレジットカードをなくしたようです。かなり焦っていました。私はこれは盗まれたんだなと思いました。ただ同じ部屋で怒ったことで、私も他人ごとではないので、気を付けないとなと思いました。
 仕方なく、一緒に探してあげていると、数分後に彼自身でベッドの隙間から見つけたようでした。盗難じゃなくてホッとしました。彼も今日パリ観光をするようなので一緒に行くことになりました。

 ホストからのとても長い説明メッセージの一部に部屋に荷物を残してはいけないと書いていたので、重いのを我慢してバックパックを持って出かけることにしました。階段を下りて玄関に水があったので、持っていた水筒に水を勝手に入れて持っていきました。水を買うといくらかお金がかかるので、
少しでも節約できるのはうれしいです。
 そのインドネシア人も水を汲んで、部屋から出て暗い廊下を抜け、エレベーターで一階に降り、外に出ました。外は晴れていていい朝でした。
 外は相変わらず閑散としていましたが、全く人気がないわけではありませんでした。広場を出て道路に出るまでに何人かとすれ違いました。

 インドネシア人の彼はイギリスのリーズ大学の大学院に通っていてもうすぐ卒業するそうでした。後で調べてみると、かなり名門らしく、日本の皇族の方も留学したことがあるらしいです。彼は交通インフラ系の研究をしていたそうで、卒業したらインドネシアに帰ると言っていました。名前はYazidといいましたが、発音が難しく、結局最後まで覚えられませんでした。
 彼はイスラム教で昼ごろ礼拝があるらしく、その場所が宿の近くにあるので、午前中はこの周辺を探索したいと言い出しました。面白くなさそうなので、別行動でパリ中心部に向かってもよかったのですが、せっかくだし、友達になっておいて損はないだろうと思ったので、私も午前中だけ同行することにしました。

 ここBobignyという場所は本当に何もなさそうでした。私たちはまず、近くに大きな公園があったので、そこに行ってみることにしました。公園は草木がたくさんあって広くてきれいでした。小さな丘のようなものがあり、そこを登るとベンチがあったので座ることにしました。彼がレーズンパンを持っていて分けてくれました。荷物に挟まれていたのでつぶれていました。でも味は普通においしかったです。
 公園には大きめの遊具があったり、奥の方に小さな遊園地がありました。その近くに柵があって中に2頭のロバがいました。そのうちの一頭が私たちに気が付いて近づいてきました。触ってみたかったけどそこまでは近づいてくれませんでした。本物のロバを見るのは多分初めてで、本当にイメージどうりのロバでした。その奥にも馬や牛などが数頭いました。それらはオランダでたくさん見てきたので何とも思いませんでした。

 歩いていると、川が見えてきて公園の端に着いたようなので川に沿って戻るように歩きました。歩いているとインドネシア人の彼が野イチゴを取って食べ始めました。彼は野イチゴやベリーが好きで、見かけると毎回調べて食べているらしいです。小太りの色黒のおじさんが野イチゴを取って食べる様子は私には新鮮でした。少し進むと、右側に小さな丘のようになっている場所があり、なぜかそこに上って写真を撮りたがるので取ってあげました。私もなんとなく真似して上って取ってもらいました。変わった人だなと思いました。 撮影会が終わって歩いていると自転車専用の道路が出てきました。これがあるのはオランダだけだと思っていたので少し驚きました。 荷物がさすがに重いので宿に連絡すると、荷物は置いていてもいいとのことだったので、いったん置きに戻りました。本当に説明書きがややこしい宿でした。戻ってくると、あの中国人が嫌そうな顔をしていましたが、お構いなしに荷物を起きて水も補給しました。 身軽になったけど、いく場所もないのでトリップアドバイザーで出たGare de Bobignyという遺跡のような場所を目指すことにしました。10分~15分くらい歩いてその場所に着きました。まだ午前中ですが、日差しが強くて暑くなりそうです。入り口を通ると、小さな部屋があって歳を取ったフランス人っぽい女性が二人いました。入っていいか聞いて見ましたが英語が全くしゃべれないようでした。何とか入ってもいいという事は伝わって入ることにしました。言葉は伝わりませんでしたが、とても気前よくていい人たちでした。

 上の写真のようなものがありました。野外ステージのような場所もあってそこに説明書きがありましたが、よくわかりませんでした。
 とりあえず写真だけ取って30分もしないうちに出てきました。そこでインドネシア人の彼が、礼拝に行く時間になったので、別行動で私はパリ中心部に向かうことにしました。Googleマップで調べて見ると、そこからだと乗り換えが多くなるので、Bobigny パブロピカソ駅から地下鉄で行くことにしました。
 駅に向かう途中で「Bro! Bro!」と何度も聞こえてきたので見るとさっき別れた彼でした。Bro呼びは馴れ馴れしいなと思いながらも、私も向こうの名前が覚えられなかったのでそこからはBroで行くことにしました。
 切符を買ってホームに降りました。薄暗くてきれいではありません。オランダの友達はパリの地下鉄で知らない人に囲まれたと言っていました。おそらく地下鉄がパリで最も注意すべき場所です。そういう目で見ていると周りの人が全員怪しく感じてきます。私はバッグを放さないように持ちました。不安が大きかったですが、ようやくあの思い描いていたパリらしいパリに行けると思うとワクワクしました。

パリの地下鉄

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