カタールの次を妄想してみる

2022年カタール大会がどうなるかは半年前でわかりません。ただ感動をありがとうとか美談になってほしくないなと思っています。



2026年はアメリカとメキシコ、カナダの共催となるのが決まっています。開催国枠は決まってませんが48ヵ国がでる大会になりますから日本が余程の事がない限り苦労してアジア予選を突破する今までのようなことにはならないでしょう。



まずは監督人事です。2018年7月に4年契約を結びましたが今年の夏に切れるというわけではないので森保監督についてはカタール大会までとなるでしょう。2023年の年明けにはアジアカップが控えてますから五輪監督などを暫定監督として敷く線もないとはいえません。


先ずは考えられる候補です。

・森保・大岩・鬼木・宮本・片野坂・長谷川・リカルド・アルベルト・フィッカデンティ・ネルシーニョ・ペトロヴィッチ・ストイコビッチ・アギーレ・手倉森・バルベルデ・ビエルサ・西野・ヴィラスボアス

・現監督森保氏はW杯で区切りもいいですし、4年間で実績も残せていないといっても過言ではないと思ってますのでカタールで過去最高成績でも残さない限りは契約延長はないと思います。

・Jの監督が12月で契約が切れ、更新タイミングだと思いますから主となる候補になります。ただFC東京、浦和、ガンバ、名古屋はいずれもチームとして監督の標榜するサッカーを取り組んでいる途中ですから不振でもなければ退任はないと思いますし、そもそも代表の監督にするに値するタイトルや成果がでていれば次年度も任せるとなるのが自然です。

・ネルシーニョ、ペトロヴィッチの両監督はJでの経験が豊富で日本人・日本サッカー、日本文化への理解もあると思いますが、いずれの人物も年齢を重ねており健康面の不安を否定できません。オシム氏で一度そういった問題を抱えてしまった以上余り有力な候補とするのはよくないと判断するでしょう。

・協会の会長に田嶋氏、副会長に岡田氏となると関係性の深い西野氏の再登板かというのもあり得ますが、大会前に急登板で成果を残すもそもそも論元代サッカーを踏まえたチーム作りができない・わからない為、戦術の肝といえるプランを選手に丸投げしたような話は有名な話です。森保氏の4年でそれでは限界があるとわかっているはずですから可能性は低いでしょう。

・手倉森氏も同様なことがいえますが、タイのクラブを22年の1月から率いてることからもタイミング的にありえないと言えます。

・S級ライセンス保持者で元代表・W杯ネイティブな世代のフリーとなると秋田(グルージャ)、澤登(エスパルスY)、斉藤俊(A代表C)、井原(柏C)名波(松本)、藤田(JFA欧州駐在委員)、廣山(U16監督)、中山雅(磐田C)などが候補となる。ただいずれの候補もJリーグおよび世代別、あるいは他国などで実績を残しているわけではなく候補とするには物足りない

・マジョルカの今季の成績次第だが過去に遺恨のあったアギーレの招聘は考えにくい
・全ての条件を整理すると残る候補は宮本、大岩、鬼木、ストイコヴィッチ、ビエルサ、バルベルデ、ヴィラスボアス、フィッカデンティなどが残る

森保氏が推定1億5千万で過去の監督でもハリルが2億8千万、ザックが2億6千万、ジーコでも2億2千万と言われています。ですのでJFAが監督に払える年俸は1,5億から3億が限度だと思われます。

ビエルサ(11億)・ヴィラスボアス(8.8億)、バルベルデ(11.2億)、ストイコヴィッチ(1.3億)、フィッカデンティ(1億)となります。直近の所属での年俸で確かにJFAの予算から逸脱している人物ばかりです。ただハリル氏はモロッコ代表では1.2億程度と言われており、金額も大事ですが国で用意できる最高年俸を用意し、誠意をもって交渉すれば、監督サイドが日本代表監督に就任するのに興味を持ち、条件が満たされればそれが魅力的だと感じるだろう人物はいるはずです。

 なので親日家で名古屋の監督をつとめたピクシーとフィッカデンティ。中国でも監督を務めたアジアサッカーに理解のあるヴィラスボアスは有力な候補と思います。ビエルサはクラブや協会と衝突することも多いのでかなり扱いが難しいですが日本代表はいまや欧州や南米の強豪を脅かすような人材をそろえており、策でその差を埋めるような案はもっておりオファーをするだけしてもいいでしょう。バルベルデは以前、原氏が技術委員長の時代に接触したというのは有名な話(youtubeなどで当時の事を語っていた)ですがそのときは若手の監督で欧州でのキャリアを積む事を優先する為に断られています。バレンシアやバルセロナで指揮を執り実績をつんでいますから仮に日本代表を率いて失敗したとしても彼の評価が極端にさがるとは思えません。休養期間を経て世界を驚かすチームをつくって欲しいと依頼し、熱意が伝われば可能性はあると思います。JFAのような利権集団ともバルセロナでうまく距離感を保ちながらクラブの指揮をやっている為心配は少ないです。

 ピクシーはセルビア代表の監督です。24年開催予定のEUROまで同国の監督の契約を結んでいます。ただJFAの予算内で十分交渉できる人物で現実度はあがります。本人がメディアで日本代表に興味を持っていると何度も言っていますし、名古屋で選手としても監督としても実績を積んでいる事や森保氏よりも人気面での収益なども見込めますので可能性は模索して欲しいと思う候補です。ただ戦術的にトレンドを踏まえて戦っているかというとそうでもないだけに森保氏ほどではないですが数年後を見据えた上積み・強化という意味では難しいでしょう。

 元名古屋の監督という意味では前名古屋監督のフィッカデンティも候補でしょう。ザッケローニで一度イタリア人監督を経験しており、鳥栖、FC東京、名古屋と複数クラブを率いており、多くの選手を再生や発掘する等、日本人への理解も深いように思います。名古屋を解任された理由がはっきりとしない為それをどうみるのか。そして守備重視のスタイルが攻守ともにタレントが多くなった中堅国になりつつある日本代表でどう化学反応をおこすかは興味深いです。フリーですので交渉もしやすいはずですが、守備第一だった森保体制のアップデートいう意味ではよいものも攻撃面の向上や戦術的幅の少なさが4年間で課題となっただけに現状維持に甘んじてしまう恐れもあるので心配ではあります。
 
 ビラスボアスは77年生まれでまだ監督としては若いですが10年以上の経験を誇ります。後方からのビルドアップを仕込み、ハイラインハイプレスで攻撃的なサッカーを展開するスタイルは魅力的です。ただ守備のシステム作りを余りしてきたといえる人物でもなく、日本がアジア以外と戦うときにもっていなければならない要素を考えられるかどうかが不安です。高身長で容姿もよく人気もでそうです。16年度に上海の監督を1年務めており、親戚に日本人がいるなど親和性もある。Jの監督にも興味を持つが彼の過去の年俸をみるとある程度の額で交渉できるクラブは限られておりJFAが動いたとしても条件が合うのかは微妙である。彼自身がさらなるキャリアを積み、晩年に招聘するのなら全くあり得ない候補ではないが。
 ルックスという面では宮本氏も候補だがガンバでの実績が少ない、加えて内容面も守備の穴を戦術・戦略で埋めるアイデアを用意できず崩壊して途中解任。攻撃面も個人の能力依存した前時代的なサッカーにみえました。コーチとして世界屈指の戦術家監督の下でもっと勉強してほしいと言わざるを得ません。
 パリ五輪代表の監督に就任した大岩氏も森保氏や宮本氏と同じ、攻守のシステムづくりチャンスを増やし、ピンチを減らす仕込みが下手にしかみえないので個人的には全く解せないなと思っています。鹿島でACLをとりましたが、選手の頑張りによる勝利がほとんどで選手の成長も監督が関わったというより自発的に伸びていったのではと思えました。これは現代表と全く同じ構造ですね。再挑戦の場が与えられるのはいいです。リーグ戦、カップ戦で結果も残せず、解任といえる結果に終わった人物がA代表に直結する育成年代のトップカテゴリーの監督となるのはどう考えてもおかしいです。ただ前述したようにカタールが終わった後、23年アジアカップが春に差し迫っていますので新監督が決まらなかった場合は最悪暫定監督として登板する可能性もありそうなるとなあなあで兼任もありえそうなので本当にそうなってほしくないと切に願います。


 最後に鬼木さんを最有力候補とします。目下国内最強クラブの地位をほしいままにする川崎の監督さんです。選手としてプレーした川崎で引退し、コーチを経て2017年から監督を務めていますが、1年で初のリーグ優勝に導き翌年も連覇。18年にはマリノスに戦力の流出などもありその座を奪われるも、再び19年にルヴァン、20年には天皇杯との2冠、21年はリーグ戦を制しリーグ戦をJリーグで最も取った監督にすでになっています。しかも決して大型補強をしたというよりは、コーチの頃から指導し関わった選手がしっかりと成長し、戦力となったというのがみてとれるのです。毎年のように育った選手が欧州挑戦などで羽ばたいていくにも関わらず優勝争いに残り続けるのは尊敬できます。しかも試合展開に応じて433の基本布陣を適材適所に変更しているのは合理的で、選手の立ち位置も細かく試合中に変更させています。ケガ人や移籍で穴がでたとしても残った選手でなんとかそれを埋めるような采配をとってきています。森保さんよりも実績を残し、試合内容も引き抜きがあったにも関わわらず維持している。指導し代表クラスに育てた人数も多いですから日本代表監督候補にあげない理由がありません。幸いにして川崎との契約も1年ずつ更新させているのでJのシーズンが終わるカタール大会後にそのまま発表となればスムーズでしょう。敢えて心配点をあげるなら選手として代表歴がないところですが、世界には代表歴はおろか選手歴もない名監督もいますのでそれは言い訳にしかならないと思います。川崎のコーチ陣には寺田氏、戸田光氏がS級ライセンスをすでに持っていますからもし鬼木代表監督が誕生し、新監督がみつからないとなっても彼らが昇格する可能性はあります。理想を言えばフロンターレとしてはOBの中村憲剛が監督としてクラブを率いるのが究極的ですがそれもすぐにはできないため川崎やサポーターとしてはかなりの痛手と思いますがここ代表歴はない初めての日本人監督の誕生を強く期待したいです。

 

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