11月への提言 監督後任を真剣に考える①

前回の記事で9月、10月のW杯予選の試合の意見を述べましたので、この記事では後任人物の候補を考えたいと思います。
 
 Jリーグの日程がまだ残っていますが、順位やタイトル、契約年数なども加味して検討していきます。森保氏は推定年俸4800万。
 




①鬼木達
OBのコーチから監督に昇格し、川崎を常勝クラブに導き、国内タイトル3冠も全て獲得。三笘、田中碧、守田らをA代表クラス、欧州挑戦に異論がない選手へと育てた指導は評価すべきである。契約年数は不明だが何度も川崎とは契約を延長。上記の選手が移籍しても新たな選手を育て、リーグ戦での川崎の立場も維持して、交代・フォーメーション変更などでの試合の流れの変化も変える事にたけている。推定年俸は5000万と無理のない金額で後任の日本人としてはあらゆる面で適任だ。課題は川崎との契約面、好調なクラブの優秀な指導者をクラブサイドがすんなりと渡すとは思えない。中村憲剛などがOBとしてその後任をつとめていける人物が確保となった時に再度検討するか。





②長谷川健太
清水時代に多くの若手を抜擢し、藤本や岡崎、青山直、岩下らを育てた実績はある。ガンバ時代には3冠獲得実績などもあるが、ガンバでもFC東京でも前線に強力なアタッカー、FWを集めてハマった時に成果を出すという旧式のカウンターサッカーを基本としていて個人に頼ったサッカーで戦術に幅がないようにもみえる。田嶋氏が筑波の大先輩、FC東京の社長大金氏が後輩、反町技術委員長は清水商の先輩である事を考えれば、かなりきな臭いが森保氏の後任候補であることを否定できない。FC東京との契約も今期で切れる。年俸8000万。
 森保氏に近いようなチーム編成・強化・運営になりそうで元代表のエースとはいえ。W杯本大会に出場したとしても厳しいのではないだろうか。個人的には噂レベルをこえて欲しくはない候補。




③片野坂知宏
ペトロヴィッチでは広島で森保氏を、ガンバでは西野氏や長谷川氏を支えておりコーチとしては抜群の経験をほこる。現在16年から指揮する大分ではj3に降格してしまったクラブを戦力の限りがある中で選手を育て、戦術を落とし込み、選手起用も多種多様で固定をしない中でj1昇格にまで導いた。21年度降格圏で大分は苦しむがもし彼が退任するなら有力な候補である。年俸も4500万と高くはない。戦力が限られる中で結果を残した人物が日本人最高の実力者たちをどう指揮するのかというトピックは興味深い。最新サッカーへの勉強・探求心もあり欧州で勉強した若手指導者をスタッフに入れる等アップデートもしている。指導者としての評価は高く、大分との契約次第ではスムーズにオファーは出せそうだが、目立ったタイトルなどの実績や一般的な知名度がなく、いきなりA代表の監督より五輪代表などの下のカテゴリーの監督が濃厚か。





④チョウキジェ
12-19年の湘南を率い、クロップやレッドブルGのクラブなどの標榜するハイプレス、ハードワーク系のサッカーを落とし込み2度のj1昇格を同クラブで遂げている。タイトルは18年にルヴァンカップを獲得。2クラブ目の監督業となる京都では10年以上、j2に居続けたクラブを昇格に導けそうな様子であり、湘南時代の年俸が4800万だという情報があり鬼木氏や片野坂氏同様に現実的な候補だろうが退任する可能性は極めて低い。仮に就任したとしてもまた多くの選手を湘南では育てたが同クラブでパワハラによる退任をした問題を蒸し返す事なるだろう。京都では改善されているというが時勢や時代の流れからもスポンサーや等から難色の声や不信任の声がでてくる事が想定され、森保氏とは違う色の不満がでてくる。タイミングも含め現実的ではない。






⑤ペトロヴィッチ
広島では森保氏とも監督・コーチでともに戦い、Jは浦和や現在指揮をとる札幌でも監督をつとめ、日本人への理解は相当高い。グラーツのアシスタントコーチ兼アマチュアチームの監督をつとめた時期にトップの監督を務めていたのがオシム氏で大きな影響を受ける。GKからFWまで戦術理解の高く、万能性・運動量などが豊富な選手を軸とし、全員攻撃全員守備的な思考が現代サッカーでも通用しそうな事からも候補とすべき人物である。3バックJではこだわっているが可変サッカーで戦っていることもあり、さほどフォーメーションに拘っている印象ではない。クラブよりは選考に幅がありそうな日本代表で魅力的なチームをつくる可能性もある。札幌で監督業は終わるような趣旨の発言もあるが日本サッカーの為に力を貸してほしい旨を伝えれば応えてくれそうだ。22年は師とするオシム氏が代表監督に就任したのと同い年でもある。ミシャの教え子でもある森保の後任になるのなら興味深い。年俸は8000万と森保氏よりは高いが過去の外国人監督よりは安く。新に外国人の有力な人物を招聘するのよりは様々なリスクも避けられる。(ハリルが2.7億、ザックが2.5億、ジーコが2.2億、アギーレが2億、オシムが1億、トルシエが0.9億と推定されている)




⑥リカルド・ロドリゲス
徳島での4年で多くの選手を育て上げ、選手の流出もあり時間もかかったが昇格へ導いた。スペインでの実績はジローナを2部昇格に導いたのみだが、年代別のカテゴリーで経験を積んで、サウジアラビアのアンダーカテゴリのディレクターやU17代表を率いたり、タイの3つのクラブで指導歴もありアジアサッカーの経験は豊富である。タイでは結果が出ずに退任したが戦術の落とし込みなどが進まなかったため成績がすぐに出ず解任された様子。欧州を中心とした最新サッカーの潮流を経営陣、ファンなどが理解して我慢していれば別の結果になったようである。補強や選手の質が上がった浦和では前半こそ苦戦したがモダンなサッカーを踏まえたチームにシーズンが進むにつれて変貌させていっている。年俸の推定は6000万で代表監督就任となると倍以上とはなりそうだが、日本やアジアへの理解、そして世界の潮流をふまえている事。プレミアを中心とした欧州で監督をつとめたい野心。そして年齢も21年時点で47歳と監督としては中堅どころであるという点からも浦和での契約がきれるタイミングで招聘できれば最高の候補だろう。まだ1年しか指揮をとっていない監督を浦和が手放すとは思えない。2026年あるいはそれ以降が理想的。






⑦ハイメ・ロサーノ
メキシコの五輪世代の監督を務めた人物で年俸の推定はできない。(A代表のヘラルド・マルティーノはアルゼンチン代表やバルセロナを率いた人物でバルセロナ時代に7.1億をもらっていたこと、欧州でも実績のあるアギーレ氏が2億という事を考えれば4分の1以下だと推測される)21年時点で43歳(78年生まれ)と若く、国柄もあるが欧州サッカーの潮流を踏まえた組織的、ロジカルなチームにメキシコのこの世代をまとめ上げ五輪でメダル獲得をするチームに育てている。ライネスのようなスーパータレントを過剰に祀り上げず、冷遇もしすぎず適度に起用してる辺りもかなり彼のキャリアや年齢、サッカーの時代を考えれば評価できる。西村氏という日本人コーチを参謀としており、託してみても面白い人物であると思われるが、トップカテゴリーでの経験がケレタロのみしかない。世界的にも国内的にも知名度の低い人物をスポンサーが承認するとも思えない。彼も2026年以降頃の候補か。






⑧西野朗
ロシア大会直前に技術委員長から代表監督に就任するという異例の形でW杯を率いる事になる。戦術等は過去の監督歴でほとんど拘っておらず、個人能力が高い選手が心身ともに良く集まったタイミングで指揮をとれた為ガンバで結果を出したようにみえる。マイアミの奇跡を起こしたのもアトランタ世代に好タレントがいたからで、神戸や名古屋ではタレントがいたがまとめられず成績不振で解任となっている。ロシアでのGL突破の結果も相手の退場やフェアプレーPでの勝ち上がりと監督の評価をするには足らず。流れでの得点もハリル時代に植え付けたでデュエル要素から受ける得点ばかりで田嶋会長の解任が意味のないものであった証明にもなっている。大会前旬でもあった堂安や伊藤達、ハリル時代の発見でもあった中島や久保裕などがコンディション良好にも関わらず、メンバーに残らなかったのも選考に疑問が残る。ロシア後に指揮を執ったタイ代表もコロナ禍である事を考慮しても、五輪世代との兼任という事を踏まえて強化が進まず。Jリーガーら国外組とアジアではある程度のレベルを誇る国内組の融合に失敗し、最終予選に進出できなかった失敗感が強い。このタイミングでフリーで候補となっているが現場の指揮を執ってもらうには不安である。片野坂氏や中村憲剛のような最新サッカーに造詣のあり言語化のできる人物を参謀に入れるならといった条件付きの候補か。



1番手に候補とされる人物は上記の8名でしょう。

みたいと思える監督は鬼木、ロドリゲスがダントツです。

戦術理解、現代サッカーの戦術、戦略性、選手の育成そして実績面とかかりそうな給与などを加味すれば現在Jで最も魅力的で結果もでているクラブの川崎の監督が候補にならないほうがおかしいですよね。ただ川崎が目下黄金期を迎えているだけにかなり可能性としては低いです。例えば今の川崎のコーチ陣、あるいは中村憲剛を筆頭とするOB勢が後任になり、そして結果が出るという鬼木さん以外の面が整う必要があるでしょう。
 ロドリゲス監督もとてもいい監督に見えます。西野TDを中心とした浦和の強化もあいまって小泉、平野、明本らJ2からのたたき上げ、汰木、伊藤敦、柴戸、鈴木彩などの若手の成長、ユンカー、江坂、金子、田中、酒井宏、ショルツら補強の正当性が監督の標榜するサッカーにかみ合って内容がとてもいいのです。連携やさらなる補強・成長も手伝って川崎のライバルとなっていくはずです。ACLの3度目、あるいはリーグタイトルの奪還となれば浦和は新黄金期となっていくと思います。こちらも就任1年目である為、成績不振ではないですから解任はありえないでしょう。むしろそうなれば招聘する理由がなくなりますからむしろカタール大会以降に浦和で実績が出てから交渉すべきでしょう。ここも現在現役の阿部や槙野、あるいは長谷部あたりOBが指導者として戻ってこれそうならという条件付きとなります。
 

 契約面やタイミングで上記2名は候補から外れます。京都のチョウキジェ氏もJ1昇格できそうなタイミングで解任される理由がなく、過去にパワハラ面が表になったこともありクリーンとは言い切れないのでまず就任はあり得ません。
 片野坂、長谷川、ミシャが21年の秋冬の時点で現役監督ですが契約更新タイミングですので有力な候補と言えます。
 西野、ロサーノは端から噂レベルで飛ばし記事レベルだと思われます。

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