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【学習効率】を高める本質的な5要素とは? 中国語や英語の外国語学習において

語学に限らないが何かを学ぶ場合、誰でもできるだけ学習効率を高めたいと考えるだろう。

私も中国語の語学サービスを提供している上でこれをテーマにしている。

「学習効率」はどうやったら高まるか?

それは、次の式で表すことができる。

学習効率 = 成長幅 ÷ 学習時間

以下、学習効率を高める上で検討すべき5つのポイントについて考察する。

1.成長幅(目標とする語学力の定義)

公式の「成長幅」つまり「中国語力の伸び」はどのよう把握できるか?

それは、ある時点の「中国語力」と、ある時点の「中国語力」の差である。

では、その中国語の能力である「語学力」はどう定義すればいいか?

一定の捨象というマイナスを伴うが、

数値化(言語化)をするしかない。

最もわかりやすい定義は、語学検定を利用することだ。

中国語なら、HSK◯級で、200点→250点、というのはわかりやすい。英語なら、TOEFL80→100など。

しかし、ここはもうすこし深く考えたい。

語学力の定義(目標設定)で最も重要な要素は、「測定可能である」「目的に関連している」という二点である。

測定可能でなければ、現状把握できなくて議論が進まない。成長幅も可視化することができない。【ポイント①】

目的に関連していなければ、それを達成できても嬉しくない。【ポイント②】

よくあるのは、試験勉強で知識だけ覚えても、全く話せたり聞けるようにならないということ。

(話せる聞けるようになりたいなら、私は一定の条件の下でリピーティングをベースにした指標を使うことを推奨している)

2.現状の語学力を把握

では、そのような適切な目標設定ができたとして、現状をどう把握するか?

ゼロの状態であれば話が早い。

(ただし、全く何の知識もなく技術も習得していない学習者などいない。そんなからっぽで白紙状態などありえない)

ベタになるが、実際に1で設定した目標のテストをやってもらうのがよい。その結果を基に、現状のレベルを想定する。

3.目標達成に必要なことを整理(MECE)

では、目標となる語学力が十分定義でき、現状も想定できたなら、次に行うことは、その目標達成(語学力の成長幅)を達成するために何が必要かを洗い出す。

ここで学習効率に関わるのは、無駄をなくすということだ。

つまり、MECE(漏れなくダブりなく)にやるべきことを整理する。【ポイント③】

ここには、かなりの専門性が求められる。

例えば、この文章を音読するには、中国語の音節表の全ての発音が正確にできること、声調パターンを全て読めること、連動文、把構文を理解していること、が必要で、さらにそれらの前提となる知識も想定する必要がある。

(極端な話、最終的には日本語の文字が読める、とかいうレベルまで追求することになってしまう)

また、現状レベルでは何が抜けているのか、何を新たにやるべきかをやるべきかは、1回のテストで把握するのは原理的に無理がある。

では、どうするべきか?

1つのやり方は、できるだけ毎日テストとして様々なアウトプットを出してもらう、ということだ。(もちろん、必要な学習として、学習を阻害しない条件で)

4.学習項目のUI

目的に連関し、測定可能な目標が設定でき、現状把握し、さらにそこまでにやるべきことが網羅できたら、後は実行(随時調整)である。

その際に、効率(無駄をなくして最短で)を考えるなら、UIが重要になる。【ポイント④】

UIというと、だいぶ曖昧な表現だが、

私の意としては、

学習する内容が、

・語学力向上に寄与することが理解しやすい

・取り組みやすい(形式がシンプルである)

・時間が適切

というようなところだろう。

5.調整

上記のポイントを押さえた良いものができたなら、後は実行あるのみ。

と思いきや、実際はそんな簡単なものではない。

網羅したと思ったら、そうでもなかったり、想定より早くできるものや時間がかかるものが出てくる。

こういった新情報を組み込んで2,3,4は日々更新していく必要がある。

まとめ

ということで、学習効率を高めたい場合は以下5つのポイントを吟味する必要がある。

1.目標とする語学力の定義

2.現状の語学力を把握

3.学習項目をMECEに整理

4.学習UIをよくする

5.調整

この5つを考えて学習を計画すれば、語学力向上に直結することを無駄なく実行することができ、効率が上がる。

効率が下がるのは往々にして、目標達成に関係のないことを学習時間に行ってしまうことであるからだ。

このように学習効率を高めるにはその領域において高度な知識や豊富な経験が必要になる。であれば、未知の領域において、独学で学習を進めるよりもその領域において上記を一定レベルで吟味できる誰かに手ほどきを受けたほうがいいことがわかる。

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ただし、上記は論理的に考えた最適解に過ぎない。

人間とはそう単純なものでもない。やる気が出れば、 いきなり一般的には必要と思われるステップを飛ばして、いきなり難しいことをやってもそこから一気に学べる人もいる。

なんでも言語化して最適な解が見つかると過信しないように気をつけよう。

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