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政府はお金を刷りまくっていいのでは?3つの問題に気をつければ

※ジャストアイデアなので、経済学や金融に詳しい方、ツッコミやご指導よろしくお願いいたします。

普通、人に労働してもらうためには、その対価としてお金を支払う。

そして、その支払うお金も、労働の対価として得たものである。

お金を借りることもできるが、それも将来の労働が前提となる。

しかし、政府の場合、通貨発行権があり、適切な手続きを踏めば、お金を合法的に刷ることができる。

つまり、何かの対価としてではなく、端的に、お金を獲得できる。

そして、この新たに刷ったお金で人々に労働してもらうことができる。

では、なぜ政府はそんなことができるのか?

それは、何か偉業を成し遂げた対価として得た権利というものではなく、端的に、通貨を管理することが社会的に認められているからだ。

政府は、お金を刷りまくって、社会がよくなるような労働を沢山生み出せばいいのではないか?

例えば、ロケット産業の投資しまくるとか、若い子供たちに教育投資するとか。

一定額は既にしているだろうが、通貨発行権があるなら、やりまくってしまえばいいのではないか?

実はその答えは、基本的にYESだと思う。

しかし、それは以下に挙げる社会混乱が生じないレベルで、という条件つきでだ。

お金を刷りまくって生じうる社会混乱を、以下1つずつ説明していく。

1.インフレが起きて社会が混乱

1つは、インフレが起き、社会が混乱するということ。

これは、一般的に言われているので、説明は省略する。

しかし、1つ説明したいのは、インフレが起きるには、どれくらいの金額を、どのようにばらまくかによって決まるということ。そして、インフレが起きない範囲での支出は沢山できるはずだ、ということ。

仮に、政府が1兆円くらいのお金を刷って、AIの研究開発のプロジェクトを行うとしよう。

それにより、5000億円の設備投資と、5000億円の人件費がかかるとする。年間2500万円の人材を、2万人(人年)雇えることになる。

この2万人は、前の仕事をやめて、こちらに移ってくるのだから、国全体でみれば、これらの個人が得た収入はほぼ変わらない。その前の仕事も他の誰かが充当されるので、それを遡ると多少減るのかもしれないが。

この2万人の人材は稼いだお金を消費したり、貯蓄投資する。

無から通貨発行権により作られたお金は、徐々に社会に滲み出ていく。

この程度でインフレはおきるだろうか?

日本はGDP約500兆円だ。

個人が500万稼いでいるとして、50兆円を新たに刷り、みんなに満遍なく50万円ばらまけば、たしかに、あらゆる物価が10%上がるだろう。

しかし、先の1兆円AI投資の場合は、50兆円に比べて金額も小さいし、また、国民全体に満遍なくではなく、2万人と設備投資を中心に波及する領域にしか関係がない。この波及がどのようになるかはわからないが、高級食材や家賃の高い不動産などに流れていくかもしれない。そういう限定的なものだ。

だから、この波及を厳密にシュミレーションすれば、社会が混乱するほどのインフレは防げるのではないか。

2.競争原理が働かなくなり社会が混乱する

2つ目は、通貨供給により一部の領域で競争原理が働かなくなるということだ。

どういうことか?

これは、もしAI研究所を国が通貨発行で作ってしまえば、市場で民間が採算を考えて行っているような経営努力が行われない可能性が高い、ということ。

お金をどのように調達してきたかで、その資金の使い方は変わる。

努力を積み重ねてなんとか利益を出して、そのお金から使うのと、空から降ってきたお金では、使い手のマインドは全く異なる。

これがいい意味に働くこともある。

ただし、政府との関係をよくして受注する土木工事会社のように、経営努力というより政府との関係性構築能力だけ伸びてしまう可能性がある。

寛容すぎるお客さんにより甘やかされた企業は、競争力がなくなり、このような企業が増えれば、社会の生産性が下がり、社会が混乱する。さらに、外貨獲得企業が減り、次で説明する円安により社会混乱がおきる。

ここも、うまくシュミレーションすれば解決できるような気もする。

3.円安になり社会が混乱がする

国が借金を増やすと、海外から財政赤字を心配され、円が売られ円安に動くだろう。

円安になれば、輸入品の物価があがり、その上がり幅が大きければ、消費者の財布や企業の事業構造に影響し、社会は混乱する。

これは、世界的には通貨発行は国債という借用書の発行と同義であるから、国の借金が膨らむことへ、個人や会社の借金のように、漠然とネガティブなイメージを持つことに由来する。

ただ、これはどこまで借金が許容されるのかというラインが謎である。おそらく、借金がいくら膨れ上がってもそれだけでは円安にならないのではないかと思う。どちらかというと、上記の1と2により海外が心配し、円売りされるということのほうが本質かもしれない。

ちなみに、本当は、この記事で書いているとおり、社会が混乱しなければ、借金はいくら増えても問題ない。というか、これは「借金」と呼ぶべきものではないと思う。

1つ補足。

仮に世界が1つの通貨で統一されていれば、この問題はおきない。発行する通貨圏の外部があるから、この問題がおきる。

まとめ

ということで、①インフレと②競争原理が働かなくこと、③借金拡大による円安をコントロールできれば、円を擦りまくって、国を強くするための投資をしまくればいいのではないか。

何に投資すべきかについては、こちらに書いた。

ただ、どこにどう投資するかを決めるプロセスも難しい。


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