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ゼロからいきなり単語帳を使って勉強するな!まずは中国語に親しむということ

英語でも中国語でもそうだが、初心者のうちからいきなり単語帳を使って単語を覚えようとするのはよくないと思う。

なぜなら、脳内に、中国語を受け入れる土台がないからだ。

ソシュールは、言語とは差異の体系だといった。その主張の本質は奥深く、語とは、他の語との「違い」のみで価値を得る、というものだ。

つまり、Aとは、ここが違う、Bとは違う、Cとはここが違う、という形で価値が決定される。「嬉しい」というのは「悲しい」の反対とか、「楽しい」とは◯◯が違うとか、「気持ちいい」とは◯◯が異なる…というような形だ。

そう考えると、まずは、一定の語彙力のボキャブラリーが必要になる。(最初からそうなのだが)

その際には、まだ脳内に土台となるネットワークがないなら、できるだけ文脈を持った文章や、状況のある言語行為を参考に、その基礎を作るべきだと思う。他の語との差異という手がかりが全くないから、それを別の形で用意しなくてはならない。

こういうやり方で数千語を身につけることができれば、脳内に中国語のネットワークができたといえる。中国語に親しんだ、といえる。こうなると、中国語が外国語から第2母語のようなことになる。(そこまで高度なレベルの話ではない)

ここまでくると中国語が自己発展していく。目に入り、耳に聞こえるすべての中国語が、頭の中に用意された「中国語の部屋」に自動的に入力され、自動分類され、貯蔵されていく。

この段階になるとCCTVのニュースを聞けば、時事中国語に強くなるし、ビジネスの現場を舞台にした映画やドラマを見れば論理的で分析型の中国語により精通する。小説を一冊読み切ればグンと文学的表現力が増し、エッセイを読めば中国人の真理がさらに理解できるようになる。

まずは、沢山の中国語の文章に、深く取り組み、反復する。一定の中国語への親しみができてから、単語帳など(文脈のないもの)を使って語彙力強化すればいいのではないか。

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