他者の気持ちになって考える
社会でうまく生きていくにはこれが最も重要なことだと最近よく思う。
率直に言ってしまえば、人は他者に自分がそうあってほしいように動いてほしいと思う。自分の言うことを聞いてほしいとか、自分のために何かをしてくれるとか、自分に好感を持ってくれるとか。悪い言葉で言ってしまえば、他者を思い通りに操作したい、といえるだろう。しかし、これはこれで少し違う。人間はやはり思い通りにならないことに惹かれる存在でもあるからだ。ただ、今日は、自分の思い通りに動いてもらうにはどうすればいいかについて考えたい。
他者は私ではない。他者は他者で自分の喜怒哀楽に満ちた世界を生きている。それが私の世界と同じ原理で動いているのかは分からない。私から私の世界しか分からない。他者の意識状態は原理的にわからないし、それがあるのかもわからない。一人一宇宙である。だから、私たちは他者が何を考えているかを感じ取ったり考えたりする必要がある。彼(彼女)になりきって世界を見るのだ。
一つ想像してみよう。初対面の人に「何でも言ってください。何でも助けますから」と言われてもありがたくもなく、ただ困るだろう。普通に考えれば最高の提案だけど、実際、目の前でそういう人が現れたら困る。なぜだろうか。それはその人の世界が分からないからだ。その人が何を目的にしてこんな提案をしているのかが分からない。だから、騙されるのではないか。悪いことが起きるのではないかと怖がる。
問題をシンプルにまとめよう。要するに、信用を獲得するにはどうすればいいか。この人になら任せてOKと思える人はどんな人か。
1.嘘をつかない
2.ミスがあっても認めてカバーする
3.理解可能である
4.どういう行動をする人かがある程度わかる
5.関係を保ちたい
6.他者にも認められている
7.よい仕事をする
8.尊敬できるところがある
などだろうか。そう考えると、そういう人間になればいい。人間関係の基本だ。全ての基本だから、会社やサービスもそういう存在になればいい。答えは意外にシンプルであった。
こうした信用を得ることで初めて自分の声が相手に届く。急がば回れだ。
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