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詩歌:瓢箪


剝がされてゆく窓の薄氷
開け放たれる赤子たち
戸惑うだけの鳴き声は渇望
無垢からあふれる花の味

洞窟を押し広げる夢は
捨て去られた過去を空想
なんども境界に手を触れた
そのたびに眼裏に集光

届かない故郷のクレソンに
鼻を押し当て男と連れションし
くだらない冗談を交わす

あたかも前世の光景を幻視
しているだろうか、喉下の天使
やさしい手で瓢箪を触る


・ソネット ABAB CDCD EEF GGF

A「薄氷/渇望」ア・ウ・オー
B「赤子たち/花の味」ア・ア・オ・ア・イ
C「夢は/触れた」ウ・エ・ア
D「空想/集光」ウー・オー
E「クレソンに/連れションし」ウ・エ・オン・イ
F「冗談を交わす/瓢箪を触る」オー・アン・オ・ア・ア・ウ
G「幻視/天使」エン・イ

詩を書くひと。押韻の研究とかをしてる。(@sagishi0) https://yasumi-sha.booth.pm/