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気になるマーケ手法:試してみる➆「購買意思決定プロセス」

大学の消費者行動論の授業の中で、学生にアンケートを実施してみた。問はこうだ!

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5つの属性でホテルを比較して、泊まるホテルを選ぶという購買意思決定である。まずは、学生147名が選んだ結果を次に示す。

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一泊7350円のAホテルが37%と最も高く、次いで9500円のDホテルが36%と続いている。(実は、この調査は毎年実施しているが、昨年まではAホテルが圧倒的に第一位の支持を得ていたが、今年はDホテルが躍進した。これは、コロナ禍の中で旅行が制限されて、たまにいくなら、ちょっといいホテルにという意識が働いた、のか?)

さて、それぞれのホテルの選択理由を分析してみる。まず、No.1選択のAホテルから。

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「ちょうどよい」「バランスがよい」「程よい中間」といった全体属性を見たバランスを考えた判断や、「一万円以内で」「高額を外した中で」といった極端なものを外して考えるといった、選択の仕方が特徴的となっている。

次にBホテルとCホテルの場合、、Bは圧倒的に「低価格」一点で選ばれ、Cは、「せっかくだから」「駅から近い」と高価格であるが、全ての属性での評価の高さで選ばれている。

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次に2番人気のDホテルであるが、「一万円以下」という条件の中で、最もよい評価のものを選ぶという選択をしている。

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最後にEホテルであるが、「普通」「そこまで悪くない」と他と比べると、消去法的な選ばれ方が特徴的となっている。

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同じ大学生ながらも、5つのホテルに選択が分散しており、様々なスタイルの意思決定が存在することがわかる。

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今回のケースで、購買意思決定パターンを見てみると、属性全体のバランスを見る選択、特定の属性にこだわる選択、こだわりを追求する選択、上限を決めてその中での選択、など”選択のルール”が浮かび上がってくる。

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