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気になるマーケ手法:試してみた➇コレポン

市場内の競合とのポジショニングを確認したい時に、マーケッターがよく使う手法に、業界通ぽく言うと、コレポンというものがある。これは多変量解析の一つでコレスポンデンス分析という正式名称の略である。

コレスポンデンス分析は、数量化3類と数理的には同じ手法です。コレスポンデンス分析の基本の考え方は、行列(分割表)において、行項目と列項目の相関が最大になるように、行と列のカテゴリにスコアを与えることです。この場合の行列は、データシート、クロス集計表など、第1行(表頭)と第1列(表側)に注目する項目があり、他の部分にこの項目に対応するデータがあるものであれば何でもかまいません。相関が最大になるように並べ替えるということは、クロスセルにあるデータを見ながら、近い項目が隣り合うように並べ替えるということです。コレスポンデンス分析(コレポン、対応分析)とは、自社と競合他社など複数ブランドのポジションの違いを可視化する分析手法です。(マクロミル社HPより)

アンケート調査等を使って、お客様がブランドに対して持っている複数のイメージを測定し、その結果を使って最終的には散布図を描いてマップ化するので「知覚マップ」とも呼ばれる。

このコレポンを学生アンケートを使ってやってみた。テーマは「若手男性俳優のイメージ調査」。

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授業の受講生から113名の回答を得た(男性35%、女性65%)。アンケート結果を単純にマトリクス表にしたのが下図である。

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これだけも眺めていると、何となく若手俳優の今のポジションが浮かんでくるが、やはり見にくい、分かりにくい。

ここで、登場するのがコレポンである。

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2軸の寄与率も合計で8割程度とそれなりの説明力を有していると考える。いよいよ、これを知覚マップ化してみる。

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2次元に付置されると、やはり分かりやすくなる。横軸は”個性的⇔万人受け(いわゆるイケメン)”といところか、縦軸は”アクション、かっこいい⇔楽しい、面白い”という感じだろうか?

さて、マーケティング的に、このマップから何を読み取るか?例えば、芸能プロダクションの社員としてこの調査をやったとすると、次に男性若手俳優の発掘で、どこのポジションを狙うかという問題になる。

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あなたなら、どこを狙いますか? ★マークの今、空いているポジションを狙うか、赤丸で囲んだ、今受けているゾーンを狙うか?

知覚マップは、今を表してくれるが、実は次の戦略は、ここからだけでは見えてこない。★ゾーンは、空いているからチャンスに見えるが、今、そこにニーズがないからかもしれない。赤丸はレッドゾーンに見えるが、若手俳優にとって、ここは登龍門かもしれない(菅田将暉も最初はここから始まったのかも?過去はわからない)。もちろん、事務所の規模や戦略によっても選択は左右されるだろう。

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