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”上がってから下る”読書note78「DXの思考法」

世の中全体が、DX、DX推進と喧しい中、DXとはなんだという思いで手に取った本。勝手に思い込む前に読んで正解だった!

そもそもDXのXって何?なんでトランスフォーメーションなのに”X”? UXやEXはエクスペリエンス(経験)のXじゃなかったっけ?

英語圏では「trans-」の略に「X」を使うから。接頭辞「trans-」には「across」と同じような意味があり、向こう側に横切るようなイメージらしい。単語の中に「cross」という音があるように、「十字に交差する」というニュアンスから”X”が使われるそう。
英語圏で略に「X」を使うのは主に2つの場面があるそう。
1.音が「エックス」のとき(ex-)… experience など
2.「交差する・横切る」ような意味のとき(trans-)… transformation など

さて、本題に戻そう。本書では、DX化された会社や産業界や社会がどうなるかをしっかり見据えて取り組まないといけないことを、しっかり伝えてくています。

ゲームは「野球」から「サッカー」へ

DX化された時代の市場ゲームは、攻守交代がはっきりし、ボールデッドの時はゲームが止まっている、いわば静的なゲームである「野球」型から、ひとつのピッチの上を両チームが入り乱れ、止まることなく走り回る、動的なゲーム「サッカー」型に変わるということ。

全ての選択肢を挙げて、その中から正解の道を探す「迷路」ゲームから、超天文学的な計算量の組み合わせになる「囲碁」ゲームを戦うことになるということ。

レイヤー構造で考えろ

コンピュータと人間をつなぐアーキテクチャをレイヤー構造で考えることが必要だと説く。それによって、抽象と具体を行き来する発想が可能になり、そこからイノベーションが生まれてくるのである。レイヤー構造がDX化されたIX時代(インダストリアル・トランスフォーメーション)の白地図になるらしい。

コンテクストによる経営

DX時代の組織運営は、リーダーや上司がきちんとコンテクストを説明し、それが組織に浸透すれば、いちいち上司に個別に承認を得る必要がない「コンテクストによる経営」になる。これまでの「コントロールによる経営」と大きく異なってくると予測している。ネットフリックスは、その実現のために「妥当」なレベルのパフォーマンスの社員には割増退職金を支払って去ってもらい、徹底的な優秀なメンバーで決まりやルールを大幅になくすことに成功している。CEOのヘイスティングスが『ノー・ルールズ』という本を出している。

パターンランゲージでレイヤ―構造を作る

ここで、パターンランゲージが出てきた!(驚いた) (実は、今年出合って、遠隔授業やPBL授業の運営に使い始めた考え方だった!!) ユーザーサイドからのレイヤー構造を作れるのが、このパターンランゲージだと言うのだ。天文学的な場合の数を解くのではなく、そこに隠されたパターンを読み取ることがDXである、とこの本は言っている。パターンランゲージについてはhttps://creativeshift.co.jp/pattern-lang/を参照のこと。

IX時代の歩き方

➀課題から考える、解決策に囚われない
 ~課題のさらに奥の課題を考える、なぜ発想~
➁抽象化する、具体に囚われない
 ~まさに上がってから下る発想~
➂パターンを探す、ルールや分野に囚われない
 ~メタファー発想ができるリベラルアーツが必要~

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