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旅ときどき仕事

目まぐるしく過ぎる毎日。

ふっと息を吐いて、自分と向き合ったり、お腹の底から笑ったり、子どものような新鮮な感動を味わったり。

そんな当たり前の贅沢を心が求めるとき、旅に出たくなる。


「世界中を旅しながら、綺麗なものや素敵なものをいっぱい見て、いろんな人たちと出会って、自分の感じたものを表現することで、人を幸せにしたい。そういう働き方がしたいし、そういう生き方がしたい。」

憧れを抱きつつも、具体的にどう動き出していいかわからないまま、二の足を踏んでいた頃、

「旅と仕事を両立する生き方」という、なんとも魅力的なフレーズが踊るイベントが岡山で開催されることを知った。

「旅ときどき仕事」との出会いだった。


「本当に、旅と仕事を両立している人がいるんだ!頑張ったら、私もそういう生き方ができるかもしれない」

驚きと共に、わくわくする気持ちを抑えられなかった。

自分の夢が実現可能であることが、ちゃんと証明されたような気がして嬉しかった。

興奮冷めやらぬ中、イベントから帰る足取りは軽かった。


ところがイベントが終わって数日・・・

いつの間にか、いつもの仕事中心の生活に甘んじている私がいた。


憧れているだけでは、現実は変わらない。

夢を現実にするための具体的な方法が知りたい。

「旅ときどき仕事」で生きることを忘れないでいたい。

旅と仕事を両立している人と、直接繋がって話が聞きたい。


もやもやの渦中に舞い込んだ、「旅ときどき仕事 二期」のオンラインコミュニティ募集のお知らせ。

「有料のオンラインコミュニティ」という未知の世界に若干躊躇しながらも、参加を決めた。


#旅ときどき仕事  ときどき岡山

「旅ときどき仕事 二期」で私の人生を前に進めてくれた出来事があったので、それについて書きたい。

今年7月に西日本を襲った豪雨。

私の住む岡山県も大きな被害を受けた。

豪雨の被害を直接受けた倉敷市真備地区は、連日ニュースでも大きく取り上げられた。その一方で、倉敷美観地区など風評被害による観光客の激減に苦しむ地域も出てきた。

https://youtu.be/XJaensreMYs

元気な倉敷の様子を伝えるために製作した動画をコミュニティにアップしたところ、古性のちさん( https://note.mu/nontsu ) をはじめ、数人の旅ときメンバーが復興支援のために岡山に来てくれることになった。


みんな、旅と生きている人、旅と生きていきたい人。

オンラインでの出会いが、リアルでの出会いになって、「旅と仕事を両立する」という生き方が、一気に現実味を帯びた。

旅ときメンバーは、移動時間やゲストハウスでの隙間時間、カフェ、時には別行動をしたりして、それぞれのペースでそれぞれの仕事をこなしながら、旅を楽しむ。

旅の途中、誰かがリーダーになって集団行動みたいに移動したりはしない。

みんな、それぞれに行きたいところ、生きたいところで時を過ごす。

交わったり離れたりしながら、ゆるやかに。

その空気感が、とても心地よかった。


倉敷美観地区では、私の会社の理解もあり、旅人さん達と一緒にリモートで仕事をするという経験もさせてもらうことができた。

ずっと聞きたかった、具体的な仕事の取り方、進め方、発信の仕方も直接尋ねることができた。

「ああ、こうやって旅と仕事を両立しているんだ」

百聞は一見に如かずとは、まさにこのこと。

何より、「私はこんな風に生きていくんだ」って背中で語る旅人さんたちと同じ場所・時間を共有できたことが、私にとってすごく価値のあることだった。

みんなまぶしく、でも、やわらかい光を纏っているように見えた。


#瀬戸内かわいい部 生まれる

「旅ときどき仕事ときどき岡山」が終わって、旅人さんたちはそれぞれ、次の場所へ。

私はひとり、仕事と家がある岡山に残った。

今回の「旅ときどき仕事ときどき岡山」で、私が新たに気づいたことが一つ。

それは、「瀬戸内の素敵なところをもっと知りたいし、もっと伝えたい」という想い。


『正直、岡山に行くって決まった時、岡山何があるのか全然わからなかったし期待もしてなかった。でも、来てみたらすごい良かった。』

全国から集まってくれた旅ときメンバーに岡山をご案内した時に言われた言葉だった。


私はこの岡山の地に生まれて、ここで育った。

岡山は東京や大阪に比べたら何もない、つまらないところ。

失礼ながらそんな風に、少し劣等感を覚えたりもしていた。

だけど、実際にご案内する中で、「岡山って案外素敵なところなんじゃ?」って今更ながら思える瞬間がたくさんあって。

美味しくてリーズナブルな白桃のジュース、ゆったりくつろげるお洒落なカフェ、美しく幻想的な夜の後楽園・・・

ただ、近すぎて見えていなかっただけだったのかもしれない。

「素敵」なものは、ここではないどこかにあると、決めつけていたのかもしれない。


この「旅ときどき仕事ときどき岡山」で、瀬戸内・岡山の魅力にようやく気づかせてもらったから、もっと地元のことをちゃんと知りたいし、他の人にも伝えていきたいと思うようになった。

だから、瀬戸内のかわいいモノ・コトを発信する活動を始めることにした。

活動の名前は「瀬戸内かわいい部」。

現在岡山出身のカメラマンさん、デザイナーさんと私の3人で、瀬戸内の「かわいい」を切り口にしたイベントの企画・運営や情報の発信を行なっている。

まさか、「旅ときどき仕事ときどき岡山」が、こんな形で次につながるなんて思ってもみなかったし、旅人さん達と過ごした数日間がなければ、実際に行動に移すパワーもなかったと思う。


思えばあの日、憧れから一歩踏み出すと決めたから、今がある。

私はまだ、「旅と仕事の両立」を実現できた訳じゃない。

それでも、ちゃんと、生きたい方に向かっているという手応えがあるから。

自分の心のアンテナを手入れして、いつでも「好きなもの、素敵なもの」に敏感でいられるように。

そういう感覚を、大切にできるように。

そして、チャンスの神様が来たら、ためらわずに、笑顔でその手を取れる自分でありたい。


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