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サンフランシスコ改めネバーランドの恋愛事情が地獄
当方、サンフランシスコがネバーランドと揶揄されていることを最近知りました。また、それがこの街の恋愛事情にまで影響しているとは………「大納得」でした!という話です。
「飛べる飛べる?」サンフランシスコがネバーランドと呼ばれるわけ
サンフランシスコはざっくりいうと、テック業界での成功を夢見て、世界から優秀な若者が集まり、金を集め、事業を急速に拡大していく、そんな特別なエコシステムがある場所です。
従来であれば「落ち着いた生活を手に入れ始める」であろう、主に30代、30歳前後の人たちが、いまだに大学生だか20代前半だかのような暮らしをしている様から、ネバーランドと呼ばれるようになっているようです。要はピーターパン症候群の人が比較的多く存在する街ということ。
もう少し細かく説明します。
まず、恋愛に必要なのはヒトなのでヒトの情報を見ます。サンフランシスコの総人口と年齢・性別分布です。
サンフランシスコの人口は約88万人(東京23区の中で一番人口が多い、世田谷区と同じくらい)。人口ピラミッドはというと以下の通り。
(画像転載元)
みよ、この25〜34歳の層の厚さを!こんな形、日本の社会の教科書で見たことがありますか。
また、このグラフから男性が多いのもわかります(事実、多くのテック企業のCレベルやエンジニアに女性が少ない、というのも問題になっている)。
さらに既婚・未婚者の割合を見ると以下の通り、既婚者のそれが他よりも大きい。
(画像転載元。情報に基づいて一部編集)
つまり優秀な未婚男性者多い。独身女性チャンスじゃん!
ここまででわかった通り、サンフランシスコにはトップクラスのテック企業で働くような25〜34歳、未婚の男性が多いです。
そう、独身女性にとってサンフランシスコは最高の市場なのではないか!筆者もそんな風にさえ思いましたよ。
甘かった。
そこにはネバーランドによる地獄の恋愛模様があったのです。
(人によっては天国とも言える)
サンフランシスコの物価が恋愛に影響
「サンフランシスコの物価は地獄」というのは有名な話かと思います。特に家賃は最悪で、アメリカで一番高い都市とされました。1ベットルーム(*)で、中央値家賃が$3,690(約37万円)と言われ、さらに毎年値上がりし続けているのです。
*1ベットルームイメージ(日本の1DLKに近い)
(画像転載元)
さらにカリフォルニア州は消費税8.75%がかかる。外食となるとSF Mandateという就業者の保険をサポートする税と、さらにチップが加わる。かなりざっくりですがカジュアルだけどおしゃれなメキシカン料理レストランに行って、メイン、デザート、お酒(1杯ずつ)を頼もうもんなら一人40ドルくらいはくだらないのでは。
この異常な物価によりデート代が高くなるということや、高給取りでない男性が、エンジニア・医者・弁護士などのハイスペック女性に対して感じる恋人間の収入格差なども悩みとなるようです。
このような金銭的なところによる恋愛への悩みもあるのですが、さらにそれを悪化させているピーターパン症候群の拗らせ具合を見ていきます。
ピーターパンの生態 1:大学時代のリア充を取り戻してしまう
先ほど触れたように、サンフランシスコの家賃は非常に高い。そのため、1つの家やアパートをシェアしている人が多いのが実情です。これにより何が起こるかというと、家をシェアするルームメイトができます。
複数人でシェアしていることもありますから、家で飲んだり、夜遊びしたり、まさに大学生のような生活に戻って、楽しんでしまうのです。
もちろん友達とつるんでばっかりで恋愛しない、という方向にもなりますし、こんな調子だと勢いでチョメチョメみたいな(若くないのに)若気の至りみたいなこともあるんだろうと察します。
こんな状態の人がたくさんいるんだったら、別に自分だけが大学生みたいな生活しててやばいという感覚すらなくなっていくのも想像ができます。
さらに若いスタートアップなどで働いている人となれば、同僚も若く、オフィスでは食事が支給されたり、ゲームがあったりして、いつまでも若い感覚を保てる気持ちはわからんでもないです。
このようにしてピーターパンたちは年相応の生活、恋愛から遠のいていくのです。
ピーターパンの生態2:テンポラリーな暮らしがテンポラリーな恋愛を生む
サンフランシスコは長期的に住むところではない、という考え方を聞きます。それこそ優秀な人たちはここでさっさとお金を稼いで、次のチャンスができたらすぐ移り住む、ということを考えているそうです。
実際に、次の数年でベイエリア(サンフランシスコ含む周辺エリアのこと)から引っ越すかいなかというアンケートに対して、賃貸住まいの人は約60%が引っ越すと回答しています。
(転載元記事)
また、未婚の一人暮らしでさえも大変なので、このような経験をしている独身住民は特に「家族でここに住むなんて無理っ!」と思っている人もいます。ゆえに、この土地で真剣な関係を求めてなんていない、という人が増えてきていると言うのです。
確かに自分も相手も次の数年でどこに行くかわからないような状態で、自分にあった人を探すのは非常に骨が折れる作業ですね。。
赤丸で囲っている部分はデーティングアプリでどんな関係を求めているか、と言う情報。登録しているこの男性は「Don't know yet / まだわからない」そう(デーティングアプリ使っているならわかっててくれ。。w)。他にも「カジュアルな関係」、空欄、にしている人は割といるのです(当社調べ)…。
もちろん落ち着いた、長期的な関係を求める人もいますが、なんだかふわふわとしている様子もみてとれるのです。
ピーターパンの生態3:責任逃れのシェアリングエコノミー
この25〜34歳はミレニアル世代にも当てはまるのですが、この世代はモノを所有することへの欲が他の世代よりも少ないということは聞いたことある方も多いのではないでしょうか。
まさにUberやAirbnbなどシェアリングエコノミー(モノを所有する人と、所有しない人とでモノの共有を行うこと)と呼ばれるサービスが受け入れられている理由の一つです。
(シェアリングエコノミーを使っている人の割合はミレニアル世代がそれ以外の人たちよりも多い。転載元記事)
一方でそれは、言うなれば車も持たないし、家を購入する願望もないため、ローンや負債などの責任がないということになります。特に将来に向けた貯金や高額購入の返済を長期的にしていくという予定とその心配がないのです。
そのため長期的な計画・人間関係を築こうとしないと言う見解もあるのです。
まとめ:夢から覚めたピーターパンたちの行方は
今回はオンラインで発見した記事(ライターはサンフランシスコローカルの方)を元に、自分でも納得する部分を抽出してまとめました。
このような記事はバズり始めているのは、実はそう感じていた人が出てきているのだと思います。一通りネバーランドを楽しんだ後の現実が見えてきているのです。
ピーターパンたちは着実に歳をとっています。おそらく他の都市に行けばネバーランドの後遺症が出てくると思います。しかしながらサンフランシスコでの生活はやっぱり他の都市にはない、貴重な体験も多いはずです。
彼らのようなサバイバルスキルがあれば、もしかしたらネバーランド出身者向けアフターケアのスタートアップなんていうのも生まれるのかもしれないとか思いながら、私自身もサンフランシスコを冷静な目でみつめる良い機会となりました。
といって、本日もデーティングアプリで時間を消耗するんだろうか。
そんなサンフランシスコOLの日々はツイッターでも呟いてます。
読了お疲れ様でした。
参考:
サンフランシスコリサーチ軍資金に致します、はい。