ゲームプロジェクト回顧録 サルゲッチュ3篇①「ピポサルとの出会い」
終活として、過去に自分が参加したゲームプロジェクトの回顧録を書いています。昔のことで記憶違いや事実認定に相違があると思いますが、あくまで個人の見解ですのであしからずご了承ください。
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PS版ミスタードリラーGの後、色々あって私がナムコからソニー・コンピュータエンタテインメントに移籍したのは、2002年の春でした。
SCE入社後にいくつかのプロトタイプ制作に途中参加したのですがいずれも芽が出ることがなく、約1年が過ぎました。
そして私はサルゲッチュシリーズの第3弾「サルゲッチュ3」プロジェクトにプランナーとしてアサインされたのでした。
基本的に3Dゲームが好きではなかったので、サルゲッチュ自体1度もやったことがなかった私。
じゃあなんでPlayStationのSCEに来た?場違いだろという気がしないでもないですが、PlayStationのラインナップに2Dゲームがあったって良いだろというかあるべきだろう!と当時は思っていました。
(実際、後にぴよたまとクルトンという2Dパズルゲームを作るのですが、それはまた後の話)
とはいえ、さすがにサルゲッチュを遊ばずに続編が作れると考えるほど馬鹿ではないので、1、2をプレイしてみました。
面白い…
なんだろう、この新鮮な面白さは。
スーパーマリオなどに代表されるプラットフォームアクションゲームと、一見似ているようで違った体験でした。
マリオのステージに登場する敵達は、言ってみればプレイヤーがゴールにたどり着くのを阻む、動く障害物に過ぎません。
サルゲッチュのステージにもそういった動く障害物としての敵はいましたが、ピポサルは違いました。
自律した意思を持った「生物としての存在感」があったのです。
あまり賢くはないのですが、サルというモチーフがその馬鹿さ加減と程よくマッチしており、絶妙なバランスでした。
これを最初から意図していたのだとしたら制作者は天才だなと思った記憶があります。
3作目の企画書には、世界観テーマが「TV、映画」でインゲームの新規要素は「変身」とあったことを憶えています。
具体的な内容はまだこれからといった段階でしたが、ワクワク感が伝わる良い企画書でした。
プロジェクトメンバーの士気を上げるという点でも、良い企画書って本当に大事ですね。
私の企画担当はステージ設計、今で言うレベルデザインになりました。
3Dアクションゲームのレベルデザインはもちろん初めてです。
でもSCEに移籍して、そろそろ成果を出したい。
そんな、やる気マックスな気持ちでした。
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