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オランダ教育実践「オランダ小学校のチームビルディング」

2021年9月からオランダ/ユトレヒト市の小学校で働いていますが、これまで実際自分が経験をした職員間のチームビルディングについてお話しします。

初日(初出勤日)

正式に採用が決まり、校長から初日は9時から職員会議をするからそれまでに来てねと言われていたので、8時半頃に学校へ着くとまだ誰も出勤しておらず(笑)。結構みんなのんびりなんだなーと思いつつしばらく待って、8時45分くらいからぞろぞろと集まり出し、ホールへ入るとすでに椅子がサークル状に並べてありました。
それまでに各自コーヒーやら紅茶を用意し、9時から職員会議開始と思いきや、今から2時間まずチームビルディングをします!と校長。

実際にしたアクティビティ


①自己紹介
新任の同僚もいるため、とりあえずみんなで自己紹介。
②ネームボール
名前を呼んだ後、その同僚に向かって優しくボールを投げていくアクティビティ。校長から始めて、順番につないでいき、最後また校長の元にボールが返ってきたら成功。徐々にスピード上げていくパターンとボール2つ用意して順回りと反対回りでボールを繋いで行くパターンも行いました。
③寸劇1
「○○先生が突然いなくなっちゃったんだけど、どこにいったか知らない⁇」「え、知らないんだけど、もしかしたら隣の同僚が知ってるかもしれないから聞いてみるね!」みたいな会話を口を開かずにジェスチャーと音のみで伝えていくというアクティビティ。もうみんなふざけまくりで、真面目にやらなさすぎて面白かったです。多分このアクティビティにしたのは、自分がオランダ語が上手ではないため、あえて喋る必要のないアクティビティを選択してくれたのだと思います。
④ジェスチャーゲーム
机の上にボールや帽子、棒などの道具があり、それらを使いお題(ゴルフ、ピストル、スマホなど)をパートナーに当ててもらうアクティビティ。

休憩を挟んだのち

⑤フリーズゲーム
リーダー役の人が「歩いてー歩いてー」と言っている間は歩いて、「フリーズ!」と言ったら止まるシンプルな遊び。その後止まったときに近くにいる同僚と簡単な自己紹介(趣味や好きな食べ物についてなど)をするアクティビティ。
⑥ジブリ語カウントダウン
リーダー役の人から順にカウントダウンをしていき、最後ゼロのときにみんなでとにかくなんでもいいから叫ぶというアクティビティ。ただ、数字はジブリ語で言うとルール。ジブリ語なんて存在しないので、はっきり言って無茶苦茶適当になります。例えば32が「ぷりゅーぎゅぎゅ」31が「えーーーーだっふ」みたいな。「あーす」「もにん」「じゃむす」………「ゼロ!」「Yeeeeeeeeeeeah!! Jaaaaaaaaaaaa!!」みたいな。笑  これもオランダ語が不自由な自分への配慮かと。しかもジブリを選ぶセンスが素晴らしいなと。

ここまで約2時間。ひたすらチームビルディングをしました。ここで校長から一言。「少し雰囲気がほぐれたから、今から一時間真面目に会議をしましょう。」と。その後、本当に真面目な内容、いわゆる職員会議が行われました。

①学校のビジョンの確認
②最低限の学校のルールの確認
③校務分掌確認
70%くらいの校務分掌が事前に決まっており、残りの分掌は手上げ方式でやりたい人、やれる人で埋まっていく形。そして本当に一時間で職員会議終わり。

チームビルディング後の職員会議


昼食後まだ続くチームビルディング

昼食後再びホールに集まり、くじを引きチームに分かれて学校の近所を散歩するアクティビティ。その際ガラス瓶を渡され、その中に入っているお題について話をするというアクティビティ。例えば「これまでで一番印象に残っている生徒は⁇」「新人の時の一番最初の授業はどんな感じだったか⁇」「今年一年どんな年にしたい⁇」など。年配の同僚もいれば、新任もいる中でお題以外の内容にも触れてさまざまな話ができ、これまた素敵なアクティビティでした。しかも、散歩をしながらというのがまた良いなと感じました。
その後は2時間程度各自の仕事の準備の時間が取られたので、同僚のパトリックと体育館で器具の使い方の確認や道具の確認等を行い、再びホールへ。

校長からの提案で数曲歌を歌い、「これから一年また始まりますが、何よりも私たちがいつも一つのチームである事を忘れないようにしましょう。」「私たちはオランダの中でも非常にタフな地域で働いています。時にはうまくいかない時もあるでしょう。でもいつもあなたたちのそばには仲間がいます。何度も言います。私たちはチームです。繋がりましょう。」と言い、みんなで手を繋ぎ、今自分の頭の中にある言葉をそれぞれ叫び、みんなでハイタッチしてチームビルディング終了!たまたまなのか、意図的なのかはわかりませんが、最後が自分の番になり「チーム!」と叫び、みんながお前分かってんなー!みたいなリアクションをしてくれた時は嬉しかったです。
その後、一日の終わりはみんなでお酒を飲みながら一時間程度和気あいあいと話をしました。学校でお酒を飲むというのも新鮮で、日本では経験がない事だったので驚きました。
そして何より、チームビルディングを勤務時間の中、そしてあらゆる会議よりも優先して行うオランダの学校、自分の勤務校を誇りに思いました。また年に3回ある学校のオフィシャルの飲み会は学校負担で行われるため身銭を切ることはありません。管理職からのご厚意を頂く事もないです。
そして毎週木曜日の夕方は希望者で学校で料理をして、簡易な飲み会をします。月に一回、チームビルディングを兼ねて体育館でスポーツをします。こんなオランダの学校の在り方どうでしょうか⁇

正直日々大変な思い(生徒が話を聞かない、ケンカの仲裁に入っても逆ギレされるなど)をしています。日本ではある程度授業も生徒指導も学級運営もやってきた自負があるから尚更、また振り出しに戻されて、信頼を一からいやゼロから築いていかなければならないプラス、やはり言語レベルが低いためなかなか思うようにいかないもどかしさを感じています。新任の先生や悩みを抱えている先生たちの気持ちを今は心底共感できます。逃げ出したくなりますよね。たまに仮病使って休みたくなるときもあります。笑
だけどそんな状況ですが、素晴らしい同僚、仲間たちがいる、プラス定期的にこのようなチームビルディングをしてくれるので何とかやっていけてます。子どもも大切ですが、まずは先生たち、仲間を大切にしてほしいと思います。学校には1人のカリスマやスーパースターよりもグッドチームであることの方が大切かと思います。オランダより愛を込めて🇳🇱💓🌏🇯🇵

作ります食べます飲みます
本気で遊ぶ校長34歳二児の母

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