おにも来たくなるような建物へ
大阪駅の北側で変化を続ける都市。そして大阪の北部
の街も少しずつ変わっていく。大阪の北部といえば、
北摂と呼ばれるエリア。人口の多い順であれば豊中市、
吹田市、高槻市、茨木市と続き、四つの市でも140万人
の人口を有するエリア。それらの街にも新しい建築
は建てられていく。そして茨木市に2023年の10月に
オープンした、おにクルという名の新しい施設へと。
育てるをコンセプトにその建物は対話を通して
おにクルは茨木市の福岡市長を中心に、8年がかりで
作り上げられた施設。幾度も市民とのワークショップ
が繰り返されて出来上がった、ひとつの建物に様々な
施設が混在する構成となっている。大ホール、図書館、
子ども支援センター、スタジオ、会議室等、それぞれは
開かれ人の動きを感じる。そこには日々何かが起こり
誰かと出会う、というコンセプトが意図されている。
設計者の伊東豊雄氏の言葉も熱を帯びる
日々何かが起こり、誰かと出会う。言葉との出会いも
伊東豊雄氏といえば杜の都のガラスとチューブの建物
その建物の設計は日本を代表する建築家、伊東豊雄氏。
建物を縦方向につなぐ吹き抜けに、氏の設計した仙台
メディアテークを思い出す。ここでは縦のつながりは
より明確に、上から下まで一つの吹き抜けとして空間
を連続させて、様々な人の視線や動線をつないでいく。
おにクルではブックパークとよばれる図書館の機能が
建物全体に広がる。それぞれの施設は開かれていて、
おにクルを訪れれば、そこで行われている活動を感じ
ることができ、ゆるやかに日々の何かへとつながって。
興味が変わることで、街や風景が違ってみえるように、
おにクルを訪れれば、日頃、接しない何かや誰かにより
自分の興味は書き換えられて、何かが起こるきっかけ
にもなる。今までにはない公共施設の形を楽しんだ。
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