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イムズはおわってもイズムはつづく
博多の天神にあるイムズ内の三菱地所アルティアムは、
三菱地所の文化支援事業として1989年に開館した。
アルティアムには、アートを楽しむことのできる
スタジアムの意味が込められている。しかし昨年、
イムズの閉館と共に惜しまれつつも歴史に幕を閉じた。
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昨年に訪れたアルティアムでの
アンリアレイジ展覧会「AとZ」
アンリアレイジはデザイナー森永邦彦
によって設立されたブランドである。
日常のA REAL と非日常の UN REAL に、
時代の AGE がくわえられた造語である。
「非日常とは、非現実的なことではなく、日常の中
で見落とされてしまった些細なこと」と語る森永氏。
アンリアレイジの制作は、形や素材、色ではなく、
言葉を決めるところから始まる。ファッションは
日常を変える装置として捉えられ、常識を疑い、
深く考え抜かれた思考の先に作品は生み出される。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/73181162/picture_pc_b22cfe9582c04dbc2f10b9b963f76a6e.jpeg?width=800)
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/73181174/picture_pc_b0bbbe1edca48db11dfd14eaff1d9189.jpeg?width=800)
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/73181250/picture_pc_24ee053234d1e7f41ec1ed7d73dc0455.jpeg?width=800)
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/73181252/picture_pc_d4fe65faa022ccd9963f94ebe22ceda7.jpg?width=800)
アンリアレイジ 公式HPより参照
上の作品は、家を服、服を家に。テーマはHOME。
服がテントのようになり体全体をすっぽり覆う。
頭につけているものも小さな建築物と捉え、
建築家の隈研吾と共同でデザインされたとのこと。
外せばランプシェードとしてインテリアにもなる。
素材も抗ウイルス加工された機能的なものである。
普段は服として機能し、骨組みにかぶせることで、
家のように人を完全に包み込む空間をつくりだす。
日差しもきついし、このあたりで服を家にして休憩
しようなど、そんな光景も想像できなくもない。
また、アンリアレイジといえば昨年、竜とそばかすの姫
とのコラボーレーションが心に残る。素敵な関係である。
アンリアレイジ 公式HPより参照
そして、最後の展覧会が2021年7月に開かれた。
「絶望を覆すことができない恋を正義とせよ
きみが死んでも残る花。」
最果タヒさんによる詩がタイトルとなっている。
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/73183243/picture_pc_40d559f9bbed96a732514e428c11e0da.jpg)
展覧会の挨拶文に以下の記載がある。
「芸術作品には、様々な解釈を可能にする
豊かさがあります。個人的体験である鑑賞が、
深い内省を伴う時、私たちの世界観は
広がります。視野が広がり、着眼点が増え、
言葉にならない感覚や考えを認識する機会
にもなります。」
心をフラットにして、対象と向かい合うことで
過去の価値観にとらわれない視点に出会う。
その積み重ねは、人生を豊かにすると感じる。
![画像8](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/73183486/picture_pc_47d1a1124096171a509d95da909db59a.jpeg?width=800)
![画像9](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/73183521/picture_pc_5a950fedee9497f784feb3e4857ac624.jpeg?width=800)
![画像10](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/73183544/picture_pc_de214c613e888606b1905d19f52ffb16.jpeg?width=800)
![画像12](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/73253547/picture_pc_9a864e4f415e9b57575ccac295b41086.jpeg?width=800)
![画像12](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/73183610/picture_pc_ea93556893be4d075a3f209d5777cf9f.jpeg?width=800)
![画像12](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/73183585/picture_pc_82a5fa1e739952efa282b06c1d057c4d.jpeg?width=800)
イムズには最後の日を迎えるまで、粋な広告が
設置された。左から順に大丸、三越、岩田屋、
パルコ、ソラリアへのメッセージ。イムズと共に
天神を盛り上げてきた商業施設へのエールである。
イムズはおわる。出会ったばかりで残念だが、
この展覧会やイムズの最後に立ち会えたこと、
色鮮やかな歴史に触れられたことを嬉しく思う。
愛されたイムズを思い、続くイズムを見守ろう。
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