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ゆふいんで感じる自然と建築と芸術と

ゆふいんの旅。リュックにはタオル。どの日帰り温泉に
立ち寄ろうかとチャンスを逃しつつも、今日の目的地
のひとつの美術館に戻ってきた。予約した14時には雨
も上がり、雲間の向うに雄大な由布岳が姿を現した。

COMICO ART MUSEUM YUFUIN。2017年、隈研吾氏
の設計によって建てられている。そして2022年新たに
アネックスが増築された。外壁には時間と共に風景に
なじんでいくように焼杉の板張りが使われ、外部には
石や水、内部には和紙が用いられるなど、自然との共存
が意識されている。建物のシルエットはシンプルな形
に設計されていて、由布岳や周囲の風景を際立たせる。

屋根も壁も極限までシンプルな形状に
焼杉や石によって自然を身近に感じる
奥に建てられたアネックスも楽しみだ
水盤は風景を映しこみ、建物に動きを与える


ロゴは原研哉氏によるもの。バランスもおもしろい
本館のGALLERYⅠ・Ⅱには、草間彌生氏の作品が展示される
外部の自然を取り込むガラス窓。内部にいても自然を感じる
一旦外に出てアネックスへと向かう動線
隣接して建てられた一棟貸しの宿は
同じく隈研吾氏による美術館と合わせたデザイン
外の通路に落ちる竹の影。自然に包まれた空間を進む
通路の先に見えるアネックス
本館とは異なる斬新なデザイン
アルミパネルのシャープな屋根が、尖った外壁に呼応している
水盤の横を通り建物の内部へ
アネックスの展示は撮影可能に。まずは宮島達男氏の作品
Time Waterfall。大小さまざまな大きさの数字が落ちてゆく
杉本博司氏の海景に映る静かな空と海
光学硝子五輪塔には、そのフィルムが納められている
そして村上隆氏のお花。めまぐるしい色の組み合わせ
配色によって見え方も花の形の印象も異なる
青い空に白い雲にお花。中には泣いているお花も
本館に戻ってエレベーターではなく
階段を使って2階の屋外展示スペースへ
和紙で仕上げられたやわらかな空間
外には奈良美智氏の大きな白い犬。優しげな表情にいやされる
Yourdogは氏のこども頃の記憶から生み出されている

ゆふいんにある犬のオブジェにも出会うことができた。

その先に広がる由布岳の風景を背後に展示されるアート
森万里子氏の宇宙をテーマとしたEternal(エターナル)と
名和晃平氏のEther(エーテル)。液体の落ちる様子が表される

名和晃平氏の作品にひかれている。

またその作品たちに会いにいこう。

白い犬の横を通り抜けて、建物の内部へと戻る
壁全体が硝子となっていて家型が強調されたデザイン
エントランスに戻り外へ。ここは自然とつながる美術館
シンプルな外観は空や風景とよくなじむ
宿泊棟は分棟で、集落のようなデザインがコンセプト

土と竹という2棟の宿。自然素材にこだわられている

ゆふいんには洗練された空間をもつ美術館がある

増築前の美術館。増築によりさらに魅力のある場所へ

自然と建築と芸術とが、折り重なり迫ってくる。雄大な
自然と小さな自然。アートのような建築と、建築との
関係をもつアート。名だたる芸術家たちの作品が建物
と呼応している。洗練された建物のデザインは空間に
緊張感を生み、アートに向き合う気持ちを引き立てる。
そして建物は自然を切り取り、風景になじむ。ゆふいん
で感じる自然と建築と芸術と。最後まで旅を楽しもう。

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