彫刻作品と向き合える場所
スキュルチュール江坂
1997 設計 川北 英・内海 慎介(竹中工務店)
スキュルチュールとは、
フランス語で彫刻という意味。
江坂にあるこじんまりとした彫刻美術館だが、
まわりに広がる芝生の庭園と一体となり、
とても贅沢な空間を楽しむことができる。
内部はとてもシンプルな構成である。
中庭に面して光の差し込むロビーと、
展示室に向かうアプローチ空間。
ところどころに置かれたベンチで
関連書籍などを読むことができる。
中庭には、レンガの床と壁で区切られた空間に、
屋外彫刻が展示されている。
「割れた球体」 マルタ・パン作
彫刻にそそがれる光は、特徴的な陰影を
生み出している。
その柔らかい曲線を用いてつくられた形は、
どこかでみたことがあるような気がした。
箱根の彫刻の森の「浮かぶ彫刻」であった。
そこに作品があることで、風景が一変し、
独特な空間を作り出している。
彫刻美術館は、リーニュ・ブランシェの庭と
名付けられた庭園と一体となっている。
マルタ・パンの3つの作品により、構成された庭は、
ここにしかないという空間を作り出している。
大阪にいる時は、江坂を訪れた際に、
ふらりと立ち寄ってみたりしていた。
ここにいけば、いつもと変わらぬ彫刻がある。
そこには、ゆったりとした時間が流れている。
ロビーにあるジョージナカシマのベンチに座り、
美味しいコーヒーを頂き、午後の一時を過ごす。
穏やかで、ゆっくりとした幸福な時間である。
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