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受け継がれる祈りのかたち

気持ちのよい青空の下、今日一日への期待も高まって
くる。アネックス1の木に囲まれた空間を満喫できた。
次は九州芸文館を楽しもう。まずは周囲を歩いてみる。


目に入ってくるのは大きな馬。石馬という作品である。
九州芸文館のある福岡県の八女地帯の無数の古墳群
では石人、石馬と呼ばれる古代の彫像が出土している。

中村信喬氏による巨大な「石馬」は、今まさに地中から
現れたかのような迫力と臨場感がある。地域の子供達
に自分の育った場所の歴史や文化を誇りにしてほしい
との思いで制作された作品に、祈りが込められている。



館内にも中村信喬氏の作品がある。とても美しい
どこかで見た雰囲気だと思い返してみた
博多にあるホテルのTHE BASICSにも作品が設置されている


博多人形は、地元の土を使った素焼きの人形である。
中村信喬氏の手から生み出される、穏やかな表情を
湛えるたくさんの人形たち。色彩の美しさや、姿形に
惹きつけられる。人形に喜びと美しさが宿っている。




人形に込められた喜びや美しさ、そして祈りのかたち
は親から子へ受け継がれていく。中村人形の四代目と
なる中村弘峰氏は受け継いだものを進化させている。
親から子供への思いが、祈りが人形に込められていく。

9ホテルでみた階数表示プレート。素敵すぎる




7月15日は3年ぶりに開催の博多祇園山笠の追い山。
しとしとと小雨が降る中、少しずつ夜が明けていく。
オイサ、オイサの声に合わせ舁き山が近づいてくる。
勢いよく駆ける舁き手達。早朝の街が熱気を帯びる。


二番山笠 土居流の人形の雷電為右衛門は、江戸時代に
活躍した大相撲力士。中村弘峰氏の作品である。日本
では、大地を力強く踏みしめることで土地から災いを
追い払い豊作を祈願するという考え方がある。相撲も
土俵の上で力士が四股を踏むことで邪気が払われる
とされ「五穀豊穣・無病息災」の意味を持つという。


小雨の中、力強い力士の人形が博多の街を駆け巡る。
人形に込められた祈りの形が見えたよう気がした。
混沌とする世界。祈りにより静まることを願いたい。


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