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建築に込められた想い。時代をこえて受け止めたい

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建築には、それらを作った人の思いが詰まっている。そんな思いを感じることができればと、建築を見に足を運びます。
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2022年2月の記事一覧

奇抜なデザインの向こうにある調和を感じて

シーマークビル 北山孝二郎+K計画事務所 2007 ぐりんぐりんを巡り、志賀島もぐるりと周り、 アイランドシティ中央公園もぐるっと楽しんだ。 充実した一日だと満足感に浸る間もなく、公園 の側に、とても素通りはできない建物が現れる。 素朴で穏やかな建物も好きだが、その対極で 何かを強く訴えているような建築も興味深い。 テナントオフィスビルのようである。所々に突出 するバルコニーや貸面積のとり方も少し気になる。 あまりに尖ったデザインである。見上げている と平衡感覚を少し失

内から外へつながるスロープをたどって

昨年の夏の日のことを思い出しながら書いている。 大きな自転車が届く前に志賀島へ行った時のこと。 小さなウルトラライト7が楽しいのは、30km程度 までなので、自宅から往復60km程の志賀島一周は、 中くらいの自転車のダッシュアルテナの出番である。 天気予報も見ずに出発したはいいものの、少し雲行き が怪しいと思っていると、空からしっかりと大粒の雨。 とにかく雨宿りできる場所を探すことに。ちょうど アイランドシティを通りがかったところだったので、 前から興味のあったぐりんぐりん

ちょうどよいという感覚

fca  斉藤工務店 ✕ 建築家 堀部安嗣 (hit マリナ通り住宅展示場) fcaとは、 function 機能 comfort 快適 ambience 雰囲気 を表している。 32坪の面積に収められた3LDKの間取り。 中央の螺旋階段を中心に部屋が配置され、 回遊する動線は空間に広がりを持たせている。 エアコンは各階に1台ずつで計画されている。 部屋はゆるやかにつながっており、フロア全体で 均一に空調されるように考えられている。 ひと部屋に1台のエアコン

追手門から続く未来への学びの庭

福岡城は、福岡藩初代藩主黒田長政によって 1601年に築城された。城内への門は堀に架かる 3つの橋、上ノ橋、下ノ橋、追廻橋があり、 下ノ橋を渡って入る門がここ下ノ橋御門である。 大手御門という言葉には、二つの意味がある。 一つは、殿様の御前にあるという意味の大手門。 もう一つは追手門。敵を追っかけて城門を一杯に 開け広げて追討する門という意味である。 門の前に立ち、過去の情景に思い馳せる。 門をくぐった先の未来に思いをめぐらす。 大阪城にも大手門がある。現存する大阪