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ミュージアムへのいざない。アートだけではない楽しみがある

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入り口までの期待感や周りの風景を取り込んでいること、アートの展示だけでないミュージアムの魅力。アートとよい関係をもつミュージアムに物語を感じる。素敵なミュージアムを求め旅に出よう。
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#隈研吾

石とガラスとスチールが織りなす空間へ

出島を後にして長崎の旅を続けよう。港の風景の中 を進み、海沿いに建つ美術館へ。そこは2005年に竣工 した隈研吾氏により設計された長崎県美術館。運河を またいで建つ、ルーバーのデザインが際立つ建築だ。 ここには都市型のヨットハーバーも 軽やかに連なっていく石材、風景を映しこむガラス、 リズミカルに並ぶスチール。素材が語りかけてくる 水と運河と自然とつながる長崎県美術館

このロゴマークの建物といえば

原尻の滝を後にして大分の旅は続く。次は車ですぐの 距離にある竹田市を訪れた。さて、ここで問題です。 このロゴマークの建物といえば。竹田市のこの建物は 私のブログにもよく登場する建築家が手掛けたもの。

ゆふいんで感じる自然と建築と芸術と

ゆふいんの旅。リュックにはタオル。どの日帰り温泉に 立ち寄ろうかとチャンスを逃しつつも、今日の目的地 のひとつの美術館に戻ってきた。予約した14時には雨 も上がり、雲間の向うに雄大な由布岳が姿を現した。 COMICO ART MUSEUM YUFUIN。2017年、隈研吾氏 の設計によって建てられている。そして2022年新たに アネックスが増築された。外壁には時間と共に風景に なじんでいくように焼杉の板張りが使われ、外部には 石や水、内部には和紙が用いられるなど、自然との共

九州芸文館は斜めのラインであふれている

筑後船小屋という新幹線の駅前に広がる公園に建つ 九州芸文館は、隈研吾氏による設計である。2013年に 開館しているが、その斬新さは色褪せていない。建物 は低層に抑えられつつも、そのダイナミックな外観は 風景を作り出す。建物が集落の屋根の連なりや山並み のような雰囲気を持つ。まずは周囲から回ってみる。 隈研吾氏が設計する建物には、斜めのラインが多いと 思うが、ここではそのデザインが顕著である。屋根や 天井の勾配にあわせ、開口部も斜めに設けられ、全体的 に斜めデザインの連続性が