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業務効率化を実現するワーク・マネジメントの極意

どうも。ヌーラボの原田(@yasuhirox)です。2024年1本目のnoteとなりました。

さて、組織の成功において「業務効率化」、「業務改善」というスキル(ワークタグ)がますます重要になっていると言われています。これらのスキルは単に個人の成果を高めるだけでなく、チームや組織全体のパフォーマンスを向上させることに直結すると考えられるからです。

仕事を「個人」の視点ではなく、「チーム」や「組織」の視点で捉え、より大きなスケールでの効果を目指すことが、現代のビジネス環境において求められていると感じています。

このような流れから、仕事のマネジメントがあらためて注目されているのかなと思い、先日、ワーク・マネジメントに関してポストをしました。

ワーク・マネジメントの概念の中で業務効率化という部分においては、時間やリソースの最適な活用が不可欠となります。業務改善はこれらのステップをさらに進め、組織全体のプロセスを見直し、改革することに関わります。

そして、これらの目標を達成するためには、適切なツールの選択と導入が必要不可欠です。最新のテクノロジー(SaaSツール)を取り入れることで、より効率的で効果的な業務運営が可能になり、組織の目標達成に大きく貢献することができます。

このような背景から、組織に合ったツールの選択と導入は、今後のビジネスにおいてますます重要なスキルとなると信じているので、業務効率化、業務改善に直結するワーク・マネジメントについて、少し掘り下げていきたいと思います。

ワークマネジメントとは?

一般的にワーク・マネジメントというと、従業員の行動管理やKPI管理などがあげられますが、ここでいうワーク・マネジメントはチームや組織内の業務フローと作業負荷を効率的に整理し、従業員が自分のタスクを理解し、設定された目標をより短い時間で達成するための手段を指します。

このプロセスは、メンバーやチームがタスクやプロセスを明確に理解し、遂行することを助けることを目的としています。

ワーク・マネジメントは、組織のコラボレーションを改善し、プロジェクトの遅延を減らし、メンバーが最大の生産性と効率を発揮すると言われています。

海外ではAsana、JIRA、Manday.com、Clickupと、各企業でワーク・マネジメントの考えを述べていますし、先日、このような記事も上がっていました。


プロジェクトマネジメントと類似点があるものの、ワーク・マネジメントは、明確なマイルストーンがないプロジェクトやプロセスにおけるメンバーの活動を効率化することに焦点を当てています。

また、目標の効率的な達成に必要なチームや個人間の透明性と調和を重視します。昨今、リモートワークの普及やデジタル技術の変革によって、効果的なワーク・マネジメントの必要性が高まっていると感じます。

コロナ禍があけた後も、多くの企業がリモートワークを継続しており、従業員は物理的なオフィスから離れて働くようになり、これによりコミュニケーションやタスク管理の方法が変わりました。

また、デジタルツールの進化は業務プロセスを加速し、情報共有やコラボレーションの方法を改善しました。これらの変化に適応するために、効果的なワーク・マネジメントのスキルがますます重要になっています。

業務効率化、業務改善の歴史

業務の効率化においては、産業革命時代から大きく進化しています。初期の産業革命においては、時間管理や流れ作業などの概念が生まれ、労働者の生産性向上が図られたと言われています。

近代経済学の父アダム・スミスが、『国富論』で効率化の重要性を訴えたのは1776年のことです。産業革命の本質は新しい技術の誕生にあるのではなく、無駄の削減とプロセスの改善による効率化の追求こそが重要なのだとスミスは喝破しました。

効率重視で動く人の成果が逆に下がる意外な事情

20世紀に入ると、人間関係理論や動機づけ理論など、従業員の心理や満足度に焦点を当てた新しい管理スタイルが登場しました。これにより、従業員のモチベーションと生産性の関係についての理解が深まりました。

「人間関係論」とは、1924年から1932年にかけて、アメリカのウェスタン・エレクトリック社ホーソン工場で行われた一連の実験を基に発展した考え方です。経営組織の生産性は、社員教育への投資・高水準の処遇・高い業績目標・厳しい規律などさまざまな要因が挙げられます。こうした要因に加えて、経営組織の生産性や業績が人間関係によって大きく影響されるということ、そして、その因果関係を体系化した理論の総称を指します。

人間関係論とは?非公式組織が従業員に与える影響を徹底解説

動機付け理論とは、社員がモチベーション高く働き、成果を生み出すためのきっかけをつくる方法を考えるための理論で、モチベーション理論とも言われます。 動機を見つけることができれば、自分自身が目指す目標達成のために、努力を重ねていくことが可能になります。

動機付け理論とは?代表的な例とビジネスにおける活用方法を詳しく解説

現代においては、デジタル技術の進化により、情報の透明性、コラボレーション、柔軟性が重要視される時代へと変わりました。

効率的なタスク管理(プロジェクト管理)、強化されたコミュニケーション、リモートワークのサポートなどが含まれますが、技術の進化によって、多様なツールやプラットフォームが開発され、チームワークと個人の生産性のバランスをとる新しい方法が提案されています。

例えば、Backlogを用いることで、チームはタスク管理や進捗追跡を一元化し、透明性を高めることができます。

さらに、Cacooのようなビジュアルコラボレーションツールを活用することで、チームはアイデアを視覚的に共有し、複雑なプロセスやプランを効果的にマッピングできます。

このように従業員の幸福と生産性を両立させることがツールを導入することで可能になっていっていく時代なのです。この進化は、組織の生産性を高めるだけでなく、従業員の仕事への満足度やエンゲージメントも向上させています。

ワーク・マネジメントによって、これらの要素を組み合わせることが可能となり、より効率的な働き方と組織運営(チームビルディング)が可能となりました。

ワーク・マネジメントの主要な構成要素

Goal Setting(目標設定)

Goal Setting(目標設定)は、ワーク・マネジメントの基礎となります。

効果的な目標設定は、達成可能で具体的な目標を明確にし、それらに向けた戦略を計画するプロセスです。これには、短期目標と長期目標の設定、各目標の優先順位付け、目標達成のための具体的なアクションプランの策定が含まれます。

目標設定は、個人やチームの作業を方向づけ、モチベーションを高め、結果の達成を促進します。また、このプロセスは、目標の定期的な見直しと調整も必要とされます。

Task Assignment(タスクの割り当て)

Task Assignmentは、適切な人に適切な仕事を割り当てるプロセスです。個々の従業員のスキル、経験、現在の仕事量を考慮して、最も適切な人にタスクを割り当てなければいけません。

個々のメンバーの強みを活かし、彼らのキャリア成長も考えた上で、タスクを割り当てることが必要です。そのためには定期的なフィードバックも必要ですし、メンバーとの信頼関係が築けていなければお話になりません。

Googleでは、目標と主要成果(OKRs)を用いてタスクを割り当て、チームと個人の目標を明確にしています。

Workflow Organization(ワークフローの整理)

Workflow Organizationは、組織内での作業プロセスを効率的かつ論理的に管理する方法です。これには、タスクの流れや手順の明確化、必要なステップの特定、そしてそれらのタスクがどのようにして完了するかの計画が含まれます。

ワークフローを整理することで、業務の透明性が高まり、プロジェクトの進行状況が容易に追跡できるようになります。また、タスクの優先順位を設定し、リソースを効率的に割り当てることも可能になります。

効果的なワークフローの整理は、生産性の向上、時間の節約、そしてエラーの低減に大きく寄与します。

Communication(コミュニケーション)

コミュニケーションは、ワーク・マネジメントの根幹を成す要素です。

これは、情報の共有、目標の調整、問題解決、意見の交換を促進するために不可欠です。効果的なコミュニケーションは、透明性を確保し、誤解を防ぎ、チーム間の信頼関係を強化します。

これには、定期的なミーティング、適切なフィードバックの提供、デジタルツールの活用が含まれます。コミュニケーションの改善は、チームの協力を促進し、生産性の向上に直接貢献します。

オープンで率直なコミュニケーションは、組織内の革新と成長を促し、より良い意思決定を実現します。

ワーク・マネジメントスキルを向上させるには

目標設定のスキル向上

ワークマネジメントにおいて、効果的な目標設定は非常に重要な要素です。目標を設定する際には、SMARTの原則(具体性、測定可能性、達成可能性、関連性、期限性)を用いることが効果的です。この方法により、目標は明確かつ実現可能なものになります。

また、個人の目標が組織のビジョンやミッションと整合していることを確認することも大切です。短期目標と長期目標を設定し、それらがバランスを保ちながら、持続的な成長と達成に向けての道筋を示します。

さらに、目標は定期的に見直し、必要に応じて調整することで、変化する状況や要件に柔軟に対応できるようになります。このような目標設定のプロセスは、個人のモチベーションを高め、チームや組織全体の目標達成に貢献します

時間管理のスキル向上

効果的な時間管理は、生産性を高める鍵です。これには、タスクの優先順位付け、仕事と休憩のバランス、集中力を高めるための環境整備などが含まれます。

例えば、ポモドーロテクニック(仕事を 25 分ずつのセッションに分け、そのあいだに短い休憩をはさんで行う時間管理術)やタイムブロッキング(一日の時間を特定のタスクに割り当てる手法)などのテクニックを用いることで、集中力を持続させ、効率的にタスクを完了させることができます。

また、タスクを分割し、小さな成功を積み重ねることで、モチベーションを保ちつつ大きなプロジェクトに取り組むことが可能になります。

時間管理は単にスケジュールを管理すること以上の意味を持ち、自己管理と生産性の向上に直結します。

コミュニケーションのスキル向上

コミュニケーションの重要性は論文でも書かれていますし、ワークマネジメントにおける成功の要ともいうべきスキルです。

コミュニケーションスキルを実践し向上させるためには、まずはオープンで率直な対話の環境を作ることが重要です。定期的にチームミーティングを開催し、各メンバーが意見や懸念を自由に表現できるプラットフォームを提供します。

ただ、個人のコミュニケーション力だけでなく、チームのコミュニケーションがどうすれば円滑に行われるか?を考えられるかです。また、フィードバックを受け入れ、構築的に対応する文化を促進し、チームメンバー間の信頼関係を深めていく必要があります。コミュニケーションスキルの向上には、リスニング能力を強化し、他者の視点を理解し尊重することも含まれます。

これらのステップを通じて、チームはより効果的に協力し、共通の目標に向かって前進することができます。

とても好きな記事を貼っておきます。

デジタルツールの活用のスキル向上

現代のワークフローで、多様なデジタルツールは欠かせません。

中でもプロジェクト管理ツール、タスク管理ツール、コラボレーションツール、コミュニケーションツールなどがワーク・マネジメントには必要で、チームの生産性を高めると言われています。

効果的な利用には、ツールの機能を完全に理解し、チームに適したツールを選択することが重要です。さらにツールの社内導入に成功させるために、自らが旗振りとなって組織(チーム)へのの適切なトレーニングと、継続的なサポートまで求められます。

もちろん、導入するツールによっては、カスタマーサクセスが伴走してくれるツールもあるため、その場合は任せた方がより近道になるでしょう。また、ツールの利用を社内文化の一部として浸透させることで、全員が最大限の効果を得られるようにします。

リモートワークの進化とその影響

コロナ禍が終息し、新たな働き方の常態化が進む中、ワーク・マネジメントの未来は明らかに変革の時を迎えています。

特にリモートワークの普及は、企業にとって避けられない重要なトピックとなっており、これによりワーク・マネジメントのスキルは今後必須の能力になると考えられています。

リモートワークの進化は、働き方だけでなく、仕事のマネジメント方法にも大きな影響を与えています。物理的なオフィスから離れて働くことが一般的になる中で、チームに適したツールの選択は、より効果的なコミュニケーションとプロジェクト管理を実現する鍵となります。クラウドベースのコラボレーションツールは、チーム間の透明性を高め、作業の効率を向上させています。

しかし、単に適切なツールを導入するだけでは不十分です。

重要なのは、これらのツールを社内文化に組み込み、従業員がそれを効果的に活用できるようにすることです。ツールの導入と同時に、その使い方を社内で広め、適応するプロセスは、現代のワーク・マネジメントにおいて非常に重要な要素となります。

さらに、AIや機械学習などの新興技術の進展は、タスクの自動化や最適化を促進し、より効率的なワークフローの実現を可能にします。データドリブンな意思決定が可能になり、組織はより戦略的かつ柔軟に対応できるようになるでしょう。

ワーク・マネジメントの未来は、テクノロジーと人間の協働によって形作られます。リモートワークの普及により、新しいチャレンジと機会が生まれています。これらを効果的に管理することで、組織は新しい時代の成功を掴むことができるのではないでしょうか。

まとめ

今回の記事では、ワーク・マネジメントの重要性とその具体的な手法について書いてみました。

ワーク・マネジメントは、チームや組織内での業務フローを効率的に整理し、各従業員が自分のタスクを明確に理解し、設定された目標を効果的に達成するためのプロセスです。

このプロセスには、明確な目標設定、効率的なタスク管理、適切なリソースの配分、パフォーマンスの評価などが含まれます。また、リモートワークの普及に伴い、チームに適したツールの選択や社内での効果的な利用が、組織の生産性を高める重要な要素となっています。

ワーク・マネジメントスキルの向上は、個人のキャリア発展だけでなく、組織全体の成功にも大きく貢献するため、今後間違いなく注目されるスキルセットになってくるでしょう。


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