起業家マーケティングとは?セミナー参加報告
先日、日本マーケティング協会の「フィリップ・コトラー教授 最新刊『Entrepreneurial Marketing』共著者来日&出版記念セミナー」に参加してきました。
先日、コトラー教授の最新刊として「Entrepreneurial Marketing」が発刊されました。今回のセミナーは、共著者であるインドネシア人のアジアにおけるマーケティングの大家といえるヘルマワン・カルタジャヤ氏とジャッキー・マセリー氏が来日を記念したセミナーです。
起業家マーケティングと聞くと、これから起業をしていくうえで備えておくべきマーケティングスキルなのかと思っていたのですが、そうではなかったです。
専門性を高めた大企業のマーケターが、今、持たなくてはならないのが起業家的マインドセットである、ということが本書のおけるメッセージであることがわかりました。
その背景としては、パンデミック後の環境問題や政治的な環境変化の中で、SDGの目標とも重なる2030年までの5年間が成長か衰退かを決める非常に重要な5年間となり、それに対応するには従来のマーケターの専門性だけでは不十分であると考えるからです。
専門的マーケターと起業家精神の融合されたオムニハウスモデルの骨子だけを描くとこうなります。
下の黄色部分がマーケティングマインドセットで上の青色部分が起業家のマインドセットとなります。
大企業のマーケターは自身の業務領域における専門性を高めるあまりに、組織内や組織外の協業・融合が弱くなります。
起業家のマインドセットであるのが、上のCIELです。
CIELはフランス語で「空(そら)」を意味します。
創造性、革新、起業家精神、リーダーシップの頭文字です。
専門性と起業家精神を4象限で示したものが以下の図です。
特に、本書で強調されているのが右下から右上のオムニスターになりましょう、という点です。
逆に言うと左上のスタートアップについては論点としては少し弱いのかな、と感じました。
実際、スタートアップ企業には高い顧客志向でマーケティング力を持った企業も多いですしね。
まとめ
まだ、本書を読み込んでいないのですがこれから感想変わるかもしれないですが、印象としては大企業マーケターがマスターすべき起業家精神についての本です。逆に起業家の人は今の起業家精神を忘れずにマーケティングの専門性を高めましょう、っていうことになるのかと思います。
翻訳版は出版されなさそうなので久しぶりに英語原文読み込もうと思います。
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