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顧客をはだかの王様にしてはダメです 確証バイアス-行動経済学の理解と実践46

アンデルセン童話のはだかの王様は珍しい洋服を人に自慢するのが好きで、そこにつけこんだ仕立て屋が「愚か者にはみえない布」で作った服を着て、外にでたら子供に言われて「はだか」だっとと気づくお話です。

今回は、はだかの王様が裸になってしまった理由ともなる確証バイアスについてです。

確証バイアスとは?

確証バイアスとは、自分の考えと一致する情報ばかりを集めてしまい、自分の考えに沿わない情報のことは無視してしまうことです。

「愛は人を盲目にする」という言葉がありますが、これはどれだけ相手の悪い話を耳にしても信用せずに相手の良いところばかり見つめようとしまうまさに確証バイアスにはまっていると言えるでしょう。

「オレオレ詐欺」も、確証バイアスの罠を活用した事例と言われています。高齢者にとって子供や孫といった信頼すべき人が困っているという電話に対して「相手のことを信じたい」という思いが先にたって信じるための情報だけを集めてしまいます。

確証バイアスは、相手のことを信じたいという思いがあればあるほど、強まってしまいます。

顧客の信頼に応えることがマーケティング

自分たちの商品・サービスの良いところだけを顧客が見てくれているというのはありがたい話です。自社へのブランド・ロイヤルティが非常に高いと言えますし、ファンになってくれています。

しかし、「100年の恋も一時で冷める」ということわざがあるように、顧客の期待を裏切ったと思われた瞬間からファンは一気に離れていきます。場合によっては、ネガティブな口コミを広げてしまうかもしれません。

マーケティングの目的は顧客満足を高めること。顧客満足を高めるには顧客の期待を上回る製品やサービスを提供しようとする努力が常に求められます。目的を見失ったテクニックが大惨事を招きかねないことを肝に銘じましょう。

まとめ

自分の立てた仮説を指示する情報だけを集めて、反対の意見を無視する確証バイアスについてでした。自分自身についてはできる限り客観的な視点を持つようにすることが確証バイアスを避ける方法です。でも、好きなものは好きでいたいというのもそれがたとえ合理的でなくても持っていたいですよね。たとえば、好きなプロ野球チームが万年Bクラスでもファンをやめられないのと一緒ですね。それでもなんとか期待に応えようとする姿勢がないとファンは離れていくんでしょうけど。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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