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「思わず押してしまう」アフォーダンス理論とは

子供の時に、バスの降車ボタンを押したいからタイミングを待って早押しした経験のある人って多いのではないでしょうか?

実は、私、今でも降車ボタン押すとちょっとだけ気分が盛り上がります。

以前に、降車ボタンのおもちゃが売れているという記事を読んだ時に、売れる理由がわかるような気がしました。

この記事では、ボタンがあるとついつい押してしまうというのは認知心理学におけるアフォーダンスがあるからだとしています。

アフォーダンスは、人間の感覚(五感)に働きかけるマーケティングやプロダクトデザインの分野でも重要な理論と考えられています。

アフォーダンス理論とは何か

アフォーダンス理論とは、心理学者のジェームス・ギブソンが提唱した概念で、「環境が動物に対して、良くも悪くも提供する機会や可能性」のことを言います。

アフォーダンスの語源は、英語のaffordから来ています。affordには、「(自然の結果として)提供する」という意味があります。物体、環境が個体との相互作用によって行動のきっかけを与えるという考えを表しています。

例えば、公園のベンチには「座る」というアフォーダンスがあります。ベンチがなければそこに座って休憩しようという気持ちは起こらなかったかもしれませんが、ベンチがあったおかげそこに座り、少しの間、自然を楽しみながら休憩しようという気持ちを起こさせてくれます。

アフォーダンスを発見することが製品開発のカギになる

顧客のアフォーダンスを見つけることが製品のユーザビリティを高めて顧客価値を高める上で重要だと考えられています。

例えば、スマートフォンやタブレットを考えてみましょう。

最近、低学年の子供でもスマホを持つ時代になりましたが、スマホのタッチスクリーンやスワイプといった直感的な操作にはアフォーダンスがあるので、子供でも特に教えられることがなくてもすぐに使えるような製品デザインになっています。

他の色々な家電製品が昔のような分厚い取扱説明書が不要となったのは、それらにアフォーダンスがあるからなのです。

アフォーダンスを見つけるには

どうすればアフォーダンスを発見できるのでしょうか?

まず、第一に取り組むべきことは顧客観察です。既存製品やサービスをどのように利用しているのかを対象の顧客の視点に立って観察してみましょう。可能であれば、インタビューなどのヒアリングも実施してみます。

第二ステップは、自ら体験してみること。自分でやってみて改善点を見つけ出すことです。顧客の視点で体験することが重要です。

そして、最後は試作です。アイデアを試作品にして、顧客に試してもらいましょう。

最後に

アフォーダンスは、「こんな風になっていればもっとやりやすそう」という気づきから生まれると言えます。逆に、「これはこんなもんだから」という固定観念があれば見つけることができにくなります。

また、降車ボタンのように理由は分からなくても、「無性にやりたくなる」というのもアフォーダンスです。

自社の製品・サービスにとってのアフォーダンスは何か考えてみましょう。きっと、製品デザインやマーケティング施策のアイデアにつながるはずです。

最後までお読みいただきありがとうございます。

参考文献はこちらです。


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