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事業承継税制について考える

事業承継税制の特例処置が2年延長されて2026年3月末までとなりました。

でも、事業承継の問題は今後2年で解決するものではないですし、2年後には再延長されるのか、また、別の形に変わるのかはわかりませんが、なんらかの対策は継続されるのではないかと個人的には思っています。

この特例処置は後継者が取得した一定の資産について、贈与税や相続税の納税を猶予する制度です。猶予された納税は後継者の死亡等により、納付が免除されます。

2018年に特例処置として要件が大幅に緩和され、事前の承継計画の提出をすることで、それまで上限が2/3までとされていた株主の制限がなくなり納税猶予の割合が80%から100%に引き上げられるなどの特例処置がとられています。

ちなみに、5年間は「事業承継期間」とされています。この間に、後継者が代表取締役でなくなったり1株でも売却したりすると猶予処置が打ち切られ、納税義務が発生します。

実際の申請件数は一番多い年が2000年で3,542件ありましたが、その後は2,700件前後で推移しているそうです。

ところで、この制度、承継を円滑に進める上では非常に良い制度見えます。

一方で、デメリットもあります。

デメリットとして一番、大きなものは、はやり「猶予」という言葉に集約されています。

「猶予」は当然ですが「免除」ではありません。2代目の後継がはじまったところで3代目の目途なんて立ちようがないと思っている経営者の方も多いでしょう。そして、「猶予」が解除されて払わなくてはならなくなったときには、その期間の利子分まで納税する必要がでてきます。

他のデメリットは、都道府県に提出する承継計画の提出など作業が煩雑、というとことです。

5年先のことなんてわからないし、それなりに余裕があれば面倒な作業するくらいなら払ってしまえ、みたいな考えになってしまうこともありそうです。

とはいえ、事業承継において、税負担は大きな障壁の一つです。それに、相続という形で株式を移転するよりも後継者に株式譲渡という形で早い段階で引き渡す方が経営者としての自覚も芽生え、会社の成長に寄与することも期待できるでしょう。

実際に、この税制を活用して事業承継を円滑に進め、ビジネス拡大の機会を掴むことができたという事例もあります。

もし、詳しく知りたい方は税理士の先生やの商工会議所等で相談してみましょう。

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